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能楽師・山井綱雄先生
山井綱雄

能楽師・山井綱雄さんの「日々去来の花」というブログがあります。
そのブログで、12月6日「事業仕分けで能楽公演廃止に!!!!」という記事がアップされました。
http://ameblo.jp/yamaitsunao/entry-10404769646.html
あまりのことに、身が震える思いです。
山井綱雄さんのご許可をいただきましたので、以下、転載させていただきます。
~~~~~~~~~~~~
例の「事業仕分け」で、非常に忌忌しき事態です。
私は大変に腹が立っています!!!
能楽を含めた、日本の芸術文化の予算が大幅に縮減されることが決定されました。
①日本芸術文化振興会への文化庁交付金への圧倒的な縮減(助成金の大幅削減)
②本物の舞台芸術体験事業からの国の撤退(いわゆる学校派遣の実質廃止)
私が現在、(明日も行きます)行っている「本物の舞台芸術体験事業」、このブログでも度々書いています、子供に対する学校公演です。
これが、「無駄」だと切り捨てられました。
そして、わが師・ご先代金春信高先生が、能楽協会理事長時代に、心血を注いで建設に尽力された国立能楽堂が、「不要」だと切り捨てられました。
我々芸術家、全ジャンルの組織「芸団協」も反対の声明を出したそうですが、オーケストラ業界では存続の危機が訪れているそうです。
以下のブログ、ご覧下さい。みなさん、どう思われますか???

札幌交響楽団のチェリスト、荒木均氏のブログ
「事業仕分け」と道の予算削減 & 追伸(12/1)

切羽詰ってます。(12/2)

日本ヤナーチェク友の会管理人のブログ
事業仕分けとオーケストラの危機(12/4)

能だって、全く同じです!!!
そして、「仕分け人」の方々の、素晴らし~~~いコメントをご覧ください。
(すべてネットで公開されています。)
「仕分け人」たちのコメント抜粋
●新進芸術家の海外研修で毎年150人以上派遣採択は多すぎる。
●芸術は自己責任。日本独自の洗練された文化レベル・芸術性が通用するのであれば、しっかりし たマーケティングで興行可能。
●人材育成は不要。各コンテストの副賞等で有望な人材は留学している。交流事業については、外務省と重複しており、国全体としては縮減すべき。
●収入のほぼすべてを占めている財団法人に委託する必要性がまったく感じられない。
●伝統文化を子どもに体験・習得させることが目的なのか、団体の存続が目的となっていないか。
●本来、地方の仕事(文化庁というより都道府県で)。財団も不要。
●伝統文化は地方が良く知っている。国がやる必要はない。
●細やかな補助事業でもあり、現実的には地域の教育委員会がサポートしているので、地方に任せればよい。
●自治体が行うべきこと。
●特に予算をかける事業ではない。すでにどこでも行われている演劇活動などを、より頻度を上げて定例化する。
●平成14 年度から実施した「学校への芸術家派遣事業」の検証がなされていない。
新たな事業展開は検証をした後に実施すればよい。
●自治体、各学校の取り組みに任せるべき。
●この方法では、あまり必要性は考えられない。
●どうしてもやりたければ、財源委譲。
●成果の達成目標として、どういう評価になったらやめるのかという視点が確立されてから予算化すればよい。
現在の成果目標では終わりが見えないので、スタートさせるべきではない。
どう思われますか????
「芸術は自己責任」、「人材育成は不要」、「伝統芸能は地方に任せるべき、国がやる仕事ではない」、
「どうせやりたかったら、勝手にやりなさい」、、、、
私はこのくだりが、どうしても許せません!!!
何が、「世界に誇る伝統文化」なんでしょうか?
普段から能楽は、国の援助を全く受けることなく、伝承と発展を続けてきました。
そして、数少ない国による支援までも、こうしてあっさり打ち切られる、ということに、この国の政治担当者の、文化芸術に対する無理解が改めて感じられ、腸が煮えくりかえる思いです。
ヨーロッパのオペラやバレエの伝承者たちが、日本で700年伝承されて続けてきた世界最古の舞台芸術・能楽が、このような仕打ちを受けていると知ったら、どう思うでしょうか??
私は常々、日本人の今日の「心の荒廃」は、「日本に文化が根付いていないからだ」と感じています。
今の、こんな時代だからこそ、文化を普及させる必要がある!!!私はそう感じています。
そういう意味でも、「本物の舞台芸術体験事業」として、昨年から廻っていて、とても意義のあることだし、間違いなく舞台を見つめる子供たちの心に、「確かな芽」が宿っているという、実感があります。
(私のところに、訪れたたくさんの子供たちからのお礼の手紙が届いています)
しかも、国による能を含めた日本伝統文化の子供への普及は、ここ数年やっと行われ始めた、という矢先なのです。
それを、「目に見える効果がない」とか言って、切れるものですか?
本来、目にみえないからこそ、民間では収支が合わないこうした公演を、国が行うことに、「真の日本人を育てる」という、大きな意味があるのではないでしょうか???
私が所属する金春宗家一門の社団法人・金春円満井会は、新しい公益法人に向けた定款変更や、予算の組み直し等々、専門のアドバイザーを雇って、それこそ少ない予算で、本来は能衣装の修復や購入に充てないといけない予算をカットして、「どうしたら、公益法人に認定されるか?」なんて議論を、能楽師がガンクビそろえて会議しているわけです。
「能が駄目なら、みんな駄目だろ?」そう思う方もおられるかもしれませんが、例外はなし。
必死に、1400年続いてきた流儀を滅亡させないために、国の制度にしがみつこうとしているわけです。
それで、さらに今回の「事業仕分け」。
私は、本当に怒りで震えています。
どこまでこの国は、能楽をコケにするのでしょうか??
しかし、まだ多少の猶予があります!!!!
12月15日までに、文部科学省で、国民の意見を広く募集しているらしいのです。
上記の私のお知らせ欄は、そのメール送信方法を書きました。
是非、「反対!!!」の声を、文部科学省へ届けて下さい!!!!
みなさん、是非、能楽を、伝統文化を、日本の文化・芸術を救って下さい!!!!
みなさんのお知り合い等へ、お知らせお願いします!!!
(私の上記メール、どちらへ添付・貼り付けしても頂いてかまいません。ご自由にお使い下さい)
金春流能楽師  山井綱雄
メール投稿先アドレス
nak-got@mext.go.jp
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