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富国強兵

戦後日本の経済成長について書かれている本などを読むと、たいていの本には、日本はどこの国でもたいへんな負担となっている軍事費を極端に抑えたから、短期間で経済が急成長したのだ・・・などと書かれています。
なにやら、あたかもそれが社会常識であるかの如く言われている。
しかし、もしそうだとすると、幕末期、植民地支配にあえぐ清国よりはるかに貧しかった明治日本が、ほんの短期間にアジアの一等国として経済ならびに軍事の発展を遂げたことの説明がつかない。
さらに明治日本は、日本本土だけでなく、朝鮮半島の復興や台湾統治などの莫大な費用のかかる事業まで行っていた・・・
そこまで高度な経済成長を遂げているのです。
それは日本が半島や台湾から搾取したからだ、などとおバカなことは言わないでください。
どれだけ日本が、半島や台湾に巨額の投資をしているか。
歴史を振り返ればわかることです。
では、どうして明治日本は、軍事力の増強と経済の発展を両立させることができたのか。
今日は、そのことを考えてみたいと思います。
明治という国家では「富国強兵」政策がとられた・・・というのは有名な話です。
ところが、よくよく考えてみると、「富国」と「強兵」の間には、異なる要素がある。
「富国」というのは「国が富む」のだから、国民所得が増えるための政策が必要となる。
「強兵」のためには、軍事費の増大が必要です。
ところが実は、この両方には、共通する要素があるのです。
つまり、どちらも政府の財政出動が必要になる。
まず「強兵」です。
これには、徴兵が基礎になっています。
もともと兵役は武士だけが担っていたものを、明治日本は武士以外の人たちからも徴兵を行いました。
話をわかりやすくするために、うんと単純化すると、いままで、農家の5人家族で、自分のところの農地を耕して飯を食っていた。貧しかった。
ところが家族の中から、長男坊が、兵役にとられます。
兵隊さんになると、政府に雇用されたのだから、当然給料がもらえるようになる。
すると、これまで5人家族で月100円で生活していたものが、長男坊が、プラス20円の給料をとってきてくれることで、
以前 5人で100円
   ひとりあたり20円
徴兵後 4人で100円+長男20円
   ひとりあたり24円
あらら、不思議。
一瞬にして、ひとりあたりの所得は、20円から24円に増加してしまいました。
さらに長男は、自分で得た給料で、友達と飲み食いをします。
当然、近隣の飲食店が潤う。
長男は、自分で得た給料で、服を買います。
当然、近隣の服飾店が潤います。
しかも、軍事力を賄うために、銃も弾薬も、戦艦も軍服も、ことごとく日本は日本国内でこれを作成・調達した。
つまり関連産業が潤い、内需が拡大した。
特に軍艦などの建造には、莫大な費用がかかります。
多くの人出も必要になる。
雇用が生まれ、経済が活性化する。
人々が豊かになり、国家としての活力も出る。
逆に、兵隊さんを全員解雇したら(リストラ)したら、どうなるでしょう。
雇用が悪化し、軍事費が削減されることで経済は縮小する。
明治日本の軍事費の拡大・・・「強兵政策」というのは、経済的にみれば政府の財政出動による雇用の確保と、内需拡大政策でもあった・・・すなわり「富国」政策でもあった。
つまり、強兵=富国 だった。
こうなると冒頭にご紹介した現代日本の常識(?)「軍事費を抑えたから経済が成長した」というお話が、ずいぶん眉唾なものに見えてきます。
要するに、そんな小さなフレーズの中にも、戦後左翼主義者たちのプロパガンタが隠れている。
もっとも戦後日本の自衛隊の装備は、アメリカからの輸入ですから、明治の富国強兵政策とは内容も実態も、大きく異なります。
経済的には、自衛隊員の給料が実質国民所得のアップになっているだけで、イージス艦、戦車、一機120億円もするジェット戦闘機などへの支出は、富の海外流出以外の何ものでもない。
内需への寄与がない。
その意味では、軍事設備投資を外国からの輸入に頼っている戦後日本の特殊な姿に関してだけいえば、「軍事費を抑えたから経済が・・・」という論説は、アタリかもしれない。
しかし、世の中は、そういうカタチばかりではない、ということです。
すくなくっとも、明治日本という国家は、「強兵」による「富国」を実現していた。
政権与党となったどこぞの政党の党首が、財政緊縮、歳費削減、公務員カットなどと言っていますが、いまのような厳しい経済状況下で、そうした政策をとるのは、日本経済の活力を根こそぎ奪う暴挙です。
それどころか、子供手当26,000円を支給するという傍らで、CO2削減のために国民一人当たり36万円の負担金を、扶養控除、配偶者控除をなしにするなど、この人の政策は狂っているとしか思えない。
狂人をね、国家の総裁にいつまでも据えておくわけにはいかないのです。
たまたま選挙に勝ったからといって、日本人を甘く見るな!と思う方
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