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2月18日、麻生総理は、サハリンIIプラント稼働式典への出席のためサハリンを訪問し、メドヴェージェフ・ロシア大統領と会談。
メドヴェージェフ大統領は、麻生総理が今回の式典の出席に応じたことを非常に喜び、会談は全体として非常に良い雰囲気の下で行われ、北方領土問題は解決に向けて大きく前進するはこびとなりました。
これに対し、民主党の鳩山由紀夫幹事長は、20日の記者会見で、麻生総理が北方領土問題で四島返還にこだわらない考えを示したことについて「四島の主権は日本にあるというのは決して譲ってはならない一線だ」と指摘。
問題解決に向けた「新たなアプローチ」について「四島の帰属は日本にあるという前提が抜けてしまうようでは大変危ない」と述べ、首相の対応に疑問を示したといいます。
関連記事=<鳩山幹事長>北方領土で首相批判
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/northern_territories/?1235127861
鳩山氏の主張はともかく、ではいったい麻生総理とロシア大統領との会談で、どのような話し合いが行われたのか、これを外務省のホームページで見てみます。
外務省:日露首脳会談(於:サハリン)概要
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_aso/russia_09/gaiyo.html
1 領土問題については、少人数で突っ込んだ議論が行われ、両首脳は、以下の点で一致をみた。
(i)この問題を我々の世代で解決する。
(ii)これまでに達成された諸合意及び諸文書に基づいて作業を行う。
(iii)メドヴェージェフ大統領が指示を出した、「新たな、独創的で、型にはまらないアプローチ」の下で作業を行う。
(iv)国境の画定の最終的な解決につながるよう作業を加速すべく追加的な指示を出すこと。
(ロ)我が方としては、(イ)(iii)のメドヴェージェフ大統領のアプローチについては、平和条約交渉に新たな方向性を与える可能性があるものと受け止めており、我が方として、今回、この新たなアプローチの下で共に作業を行っていくことに同意した上で、帰属の問題の解決に向けた取組を強化することで一致をみた。
2 領土問題に関する具体的なやりとりは以下のとおり。
(a)麻生総理からは、昨年11月の首脳会談後にメドヴェージェフ大統領が事務方に具体的な指示を出されたことは、この問題の解決に向けた大統領の強い意思の表れとして嬉しく思う旨述べた上で、これまでに達成された諸合意及び諸文書を基本としつつ、大統領が指示を出したような「新たな、独創的で、型にはまらないアプローチ」の下で、帰属の問題の最終的な解決を目指していきたい旨述べた。
(b)これに対し、メドヴェージェフ大統領は、この問題について双方に受け入れ可能な解決を見つける作業を継続する用意がある、この問題は世界にある他の問題と同じように解決可能と思っていると述べた。
(c)その上で、両首脳は、この問題を我々の世代で解決すべく、帰属の問題の最終的な解決につながるよう、具体的な作業を加速するよう事務方に追加的な指示を出すことで一致した。
以上です。
今回の話し合いの中では、4島の分割などの具体的な件にはまったく触れていない。
つまり、具体的にどういうカタチで問題の解決を図るかについては、今後の課題とされている。
麻生総理が会談後に記者団の質問に答えての「4島の分割割譲もあり得る」というのは、選択肢のひとつとしての可能性を示したもので、実際にそうなるかは、まだ結論が出ているわけでもない。
ただ、はっきりといえるのは、戦後60年、ずっとくすぶり続けてきた北方領土問題に関し、この世代で明確に解決するのだという日露両国の意思が固まったということに、外交上の大きな成果があったと評価すべきではないかと思います。
そもそも領土問題というのは、武力によるしか解決の道がないくらい、重たい事柄です。
実際、竹島や尖閣諸島など、明らかに日本の領土でありながら、そこに資源があるとみるやいなや、中国や韓国が不法に島を占拠。
軍事力を行使して、事実上、島を占拠し、自国の固有の領土であると身勝手な主張をしています。
これに対し、武力行使を行わない日本は、なんら解決の方途を持たない。
それが、北方領土に関し、日露の首脳が会談し、解決の道筋を相互の協力のもとで見出そうとすることができた。
しかもその方法は、野党やサヨクがいつも言う、まさに「話し合い」という我が国の最終兵器で、解決の糸口を見出すことができた。
これは、麻生外交の成果として高く評価すべきことなのではないでしょうか?
しかも北方領土に関しては、単に島の領有権をめぐる問題だけでなく、周辺海域の漁業権の問題もある。漁民の生命安全の問題もある。豊富な地下資源開発の問題もある。
加えて北方領土は、ロシアにとっては太平洋側に面した防衛上の重要な戦略拠点でもある。それを手放すというのは、ロシア国内の世論の猛烈な反発も予想される。
こうした種々の問題を踏まえて、いかなる形式であれ問題の解決向けて相互に協力し合い、この世代で「話し合い」で明確な解決をすると、両国の首脳が握手するというのは、戦争以外の方法で領土を定めるという意味でも、世界史上類例のない大成果であるということもできようかと思うのです。
外交というものは、互いに、ここは俺んとこの領土だ!と言い張れば済むという問題ではない。それでは問題はいつまでたっても解決しない。
領土という問題を、誰一人血を流すことなく、両国のWinWinの関係の中で解決を図るということは、両国にとっても、そして世界史上の「大成果である」と、ねずきちは思います。
昭和48年:いつ帰る北方領土


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