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学びを楽しく
十年ほど前の8月15日、私は靖国神社の境内で、一人の台湾の先輩と遊就館の喫茶室にいました。
その方は戦前の日本語教育を受けた世代でした。
流れるような日本語を話し、礼儀正しく背筋の伸びた姿が印象的な紳士でした。
その日、彼は台湾民政府の一員として、仲間たちと共に8月15日の参拝に訪れていました。
靖国神社での正式参拝を済ませたあと、炎天下でしたので、ご一緒に遊就館の1Fの喫茶室に行きました。
雑談をしている最中に、正午の黙祷のサイレンが鳴りました。
先輩は起立して不動の姿勢をとりました。
手には、先程買ったばかりのソフトクリームがあります。
下がコーンでしたから、置くわけにもいかない。
先輩は、ソフトクリームを手にしたままです。
黙祷の間に、そのアイスが溶けて、ズボンに垂れました。
慌ててフキンを!と動きかけたら、彼は私に制止の合図を送りました。
やむなく、そのまま黙祷を続けました。
わずか1分の黙祷でした。
けれど、アイスは、彼のズボンを真っ白に汚していました。
黙祷のあと、先輩は言いました。
「英霊たちは、戦場で、もっと過酷な状況を耐え抜いたのです。
アイスが溶けるくらいで動いてはいけません」
その言葉は今も私の胸に残っています。
彼が所属していたのが、台湾民政府です。
この団体は、戦後の台湾統治をめぐる法的地位や歴史的経緯を正そうとする団体で、現行の中華民国政府(国民党系)とは異なる立場から活動していました。
その主張は、台湾を戦後の「米国による委任統治領」と位置づけ、最終的には本省人による自治政府を樹立するというものです。
この理念のもと、台湾民政府は、武力ではなく国際法と歴史的正義に基づき、平和的に現状を変えることを目指していました。
林志昇秘書長(1950〜2019)は、その中心人物でした。
欲のない真面目な人柄で、外見も物腰も非常に穏やかな方です。
彼の周囲には、いわゆる戦前の日本のインテリのような、知識と品格を備えた人々が集まりました。
彼らが目指していたのは、正義の火を消さず、人々の心に静かに灯し続けること。
武力革命ではなく、理念を信じ、共感によって広げていく活動でした。
しかし、台湾の現実は厳しいものでした。
戦後、外省人(中国大陸から戦後に渡台した人々)が政治・経済の利権の多くを握り、本省人(台湾生まれの人々)が真面目に働いても報われにくい構造が固定化されました。
この構造を変えようとすることは、外省人の利権に直接触れることになり、強い反発や弾圧を招きます。
台湾民政府は、現政権から敵視され、「詐欺集団」とのレッテルを貼られました。
それでも林秘書長は、武力の道を拒み続けました。
ロシア革命のような暴力の連鎖に陥れば、台湾に平和が訪れることはない──その信念があったからです。
本稿で、台湾民政府という存在の是非を議論する気はまったくありません。
日本の保守系の方々の中にも、台湾民政府を危険団体視する方は大勢おいでになります。
ただ、私は、林志昇秘書長のもと、台湾の本省人(元日本人)の方々が、いまだに世界的に法的地位が確定せず、国とさえも認められていない台湾を、なんとかして日本とともに歩むことができる地域にしていきたいと行動していたこと。
そういう「思い」を持った人たちが集っていたこと。
その点こそが、大事なことであると思っています。
台湾をどうするのか。
いま台湾にある中華民国政権は、あくまでチャイナ本土を統括する政府です。
そしてチャイナにある中共政府は、台湾も中共の支配下にあるとしています。
両者の主張は真っ向から対立し、台湾有事さえも想定される状況にあります。
しかしそんな狭間にあって、本省人(日本統治時代に日本人であった台湾の人たち)の存在は、国際社会からも無視されている現状があります。
そして戦後80年の歳月は、本省人と外省人の血を混ぜ、いまでは、誰がどっちかさえも、わかりにくい状況になっています。
そうした中にあって、これからの台湾、かつて日本の同胞であった台湾の人たちが、本当に豊かに安全に安心して暮らせるようにしていくためには、どうしたら良いのか。
結局のところ、日本が影響力のある強い国にならなければ、台湾も日本も、この構造的な問題は解決することはありません。
しかし、その「強さ」とは軍事力だけを意味しません。
大切なことは、「共震共鳴響き合い」にあります。
支配を認めない人々の心が、国や民族を超えて共鳴し、互いを支え合うことこそが大事なことです。
アイスクリームを溶かしながら黙祷を捧げた台湾の老紳士。
炎天下、靖国神社で黙して立ち続けたその姿の中に、まさにその信念を見たように思えます。
静かで、しかし揺るぎない意思が、やがて世界を動かす力になる──私はそう信じています。
林秘書長は、2019年にお亡くなりになりました。
しかし彼が灯した火は、形を変えて、いまも残り続けています。
そしてその火を受け取った私たちは、日々の暮らしの中で、小さくても確かな「響き合い」を広げていかなければならないのだと思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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