日本は、台風のみならず、地震大国でもあり、大雪の国でもあります。そしてそうした災害が起こることを前提に、さまざまな取組が歴史を通じて行われてきた実績を持つ国でもあります。
天災は起こります。けれど、身を守るのは、人の力でできることです。
私達は、そうした点からも、日本の政治体制を根底から見直すべきときにきています。


台風19号によって堤防の上ギリギリまで増水した利根川(2019/10/13)
20200917 増水した利根川


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小名木善行です。
昭和の三大台風といえば、室戸台風、枕崎台風、伊勢湾台風です。
昭和9年の室戸台風は、最低気圧が991.6hPa、最大風速60m/sで、およそ3千人の死者行方不明者を出しました。
昭和20年の枕崎台風は、最低気圧が865hPa、最大風速75.5m/sで、3,756人の死者行方不明者を出しました。
昭和34年の伊勢湾台風は、最低気圧が895hPa、最大風速85m/sで、5,098人の死者行方不明者を出しました。
このうち、特に昭和20年の枕崎台風は、まさに戦後の焼け野原、しかもその復興もままならない日本を直撃した台風でした。
一方、昨年甚大な被害を出した台風19号は、最低気圧が9115hPa、最大風速55m/sでした。
台風の規模としては、中程度のもので、決して大型台風とはいえない規模のものであったわけです。
にも関わらず、終戦直後の日本を襲った枕崎台風並の被害を出したのは、戦後日本の防災体制の甘さにあります。
つまりもっというなら、令和の日本の台風に対する防災体制は、終戦直後の焼け野原と化した日本と、同程度だということです。
災害、なかでも台風というのは、我が国では「必ず」、「毎年」やってきます。
つまり年中行事のひとつだということです。
そして被害にあって困るのは、私達自身です。
そうであれば、国や県や市町村をあげて、日頃から、いつ台風がやってきても大丈夫なように、防災対策に取り組む必要があります。
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特に氾濫を起こしやすい一級河川は、国の所轄となっていますが、ひとたび堤防が決壊して大水が出れば、取り返しがつかないほどの甚大な被害が発生します。
そうであれば、日頃から、絶対に決壊しないように、最大限の努力を重ねる。
その意味では、水害がもし発生したのなら、それは人災だということです。
人災であれば、人間の力で抑え込むことができます。
だから、国土交通省の河川の管理事務所は、夏のうだるような猛暑の日も、凍えるような冬の寒さの中でも、毎日、堤防の点検を怠りません。
それは、機械で管理するというだけのものではなく、徒歩や自転車で、だいたいひとりが40キロ程度の堤防区間を担当します。
そして毎日欠かさず、プロの目で、堤防にひび割れや亀裂がないか、陥没がないか、植物生体は崩れていないかなどをチェックしています。
また、堤防に生える雑草は、夏から秋にかけて、放置をすればバッタやイナゴの大発生を招きます。
ですから、雑草が一定規模になったら、その刈取りも行います。
刈り取りは業者さんにお願いしますが、こうして雑草が刈られて倒れていると、バッタの卵や幼虫などを、カラスなどの鳥が、きれいに食べてお掃除してくれる。
おかげで日本では飛蝗(ひこう)と呼ばれるバッタの大群による被害が、まったく発生しません。
しかしこうした現場の努力とは別に、政府や国会は、もっぱら予算の削減ばかりを言う。
いま、この瞬間に堤防が崩れて水害が起きているわけではないのだから、予算をカットしても構わないだろうというわけです。
要するに、すべての政治的意思決定が、常に平時にあることを前提に、効率性ばかりが求められてきたのが、戦後の日本の政治です。
しかしコロナ問題で、あらためて明らかになったように、ひとたび災害が起きれば、あらゆる都市機能が麻痺し、その経済さえも、落ち込むことになるのです。
その意味でコロナは、私達日本人に、あらためて、
「安全と安心は効率に優先する」
ということを明らかにしてくれたものということができます。
日本は、台風のみならず、地震大国でもあり、大雪の国でもあります。
そしてそうした災害が起こることを前提に、さまざまな取組が歴史を通じて行われてきた実績を持つ国でもあります。
天災は起こります。
けれど、身を守るのは、人の力でできることです。
私達は、そうした点からも、日本の政治体制を根底から見直すべきときにきています。
お読みいただき、ありがとうございました。

歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行でした。

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