飛蝗(ひこう)と新型コロナウイルスがチャイナに与える影響は、世界の人口と経済、物流に多大な、というより壊滅的な影響をもたらすことでしょう。
そしてこの二つがおさまったとき、世界の形はいまとはまったく別な形になることでしょう。


20200220 飛蝗
画像出所=https://www.jiji.com/jc/d4?p=bbl999&d=d4_sce
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日本では「イナゴの大群」の名前で知られるトノサマバッタの「飛蝗(ひこう)」。
トノサマバッタは、普段はなんてことのない昆虫なのだけれど、一定の条件のもとに置かれると、身体が大きくなり、黒く変色して、まさに仮面ライダーみたいにダイミョウバッタに変身します。
これを相転移(そうてんい)と言いますが、仮面ライダーと違うのは、その数で、いまアフリカで発生してインド西部に猛烈な被害をもたらしている飛蝗(ひこう)は、その数、なんと4000億匹に達します。
飛蝗(ひこう)は1870年代に米国のネブラスカ州で観測された事例によると、その群れの大きさは、幅160km、長さ500kmで、日本の本州面積の3分の1ほどの面積で、その群れの高さは場所によっては1600メートルにのぼったと記録されています。
飛蝗(ひこう)がやってくると、あたりいったいの穀類をすべて食べつくします。
つまり人は、食べ物がなくなってしまう。
またその死骸が、道路を埋め尽くし、車はスリップするため走行できない。
飛行機も、エンジンがバッタにまみれて墜落してしまう。
そして、飛蝗(ひこう)が去ったあとには、食料難が襲います。
飛蝗(ひこう)は『旧約聖書』の「出エジプト記」にも「十の災い」のひとつとして登場します。
これは古代エジプトで奴隷状態にあったイスラエル人を救出するため、神がエジプトにもたらしたとさ災害で、ナイル川の水を血に変え、カエルやブヨや蚊を大量発生させ、家畜に疫病を流行らせ、人に腫れ物を生じさせ、雹を降らせ、暗闇にし、長子を皆殺しにし、そして飛蝗(ひこう)を放つ、というものです。
つまり飛蝗(ひこう)は、神が与える人間への災いであるともいわれています。

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トノサマバッタの産卵期は、年2回の春と秋です。
春に産卵した卵は、夏に孵化して、秋に成虫となり、秋に産卵した卵は、卵のまま冬越えをして春に孵化しして夏に成虫になります。
数が増えるのは、春の産卵による孵化ですから、いまインド西部で被害をもたらしている飛蝗(ひこう)は、これからの季節にさらに数を倍増させながら、東へと向かうことになります。
現時点での飛蝗(ひこう)は、およそ4000億匹ですが、これがさらに倍増する危険がいま生じているわけです。
ちなみにこれだけ大きな規模の飛蝗(ひこう)は、過去の歴史においても、まれなできごとです。
ただし飛蝗(ひこう)は、熱帯などの高温多湿の場所では、カビが繁殖するために、早期に終息していきます。
日本でも飛蝗(ひこう)は度々観測され、明治13年に発生した北海道の飛蝗(ひこう)では、陸軍がバッタの大群に大砲を撃ち込んだりして駆除に勤めたのだけれど間に合わず、障子まで食い尽くしました。
ただ日本では、飛蝗(ひこう)による被害は、一部の村落には壊滅的被害をもたらしながら、それ以上には飛蝗(ひこう)が発達しなかったのは、日本が高温多湿の国であること、およびバッタの生育に適した草原が少ないことが大きな理由です。
一方大陸の場合、広大な草原地帯が、まさに牧草地として遊牧民達の生活の拠点となっており、このためそもそもバッタの繁殖に適した環境が整っています。
こうしたことから、いまインド北部にいる飛蝗(ひこう)が、今後どのようなルートをたどるかというと、ヒマラヤ山脈の南部の熱帯雨林方向には進まず、そのままインダス川を北上して中央アジアに至り、そこから新疆ウイグル地区を経由して北京方面に進むと考えられています。
チャイナは、いま南部が武漢のコロナウイルスで壊滅的打撃を被っていますが、これから秋にかけて、今度は西安などの奥地から北京に至る北部が、飛蝗(ひこう)被害によって壊滅的な打撃を被っていく可能性があります。
さらに飛蝗(ひこう)は、そのままのルートで進めば、北朝鮮、韓国にまで達する危険もあるといえます。
その被害は、日本にまで達する危険もあります。
ただし、日本は湿気が多すぎるため、バッタの天敵のカビの影響で早期に終息するものと思われます。
もっとも被災地では、道路などがバッタの死骸で脂まみれになるため、トラックなどの通行が不能となるため、一時的に物流が停止してしまう危険があります。
それ以上に、飛蝗(ひこう)と新型コロナウイルスがチャイナに与える影響は、世界の人口と経済、物流に多大な、というより壊滅的な影響をもたらすことでしょう。
そしてこの二つがおさまったとき、世界の形はいまとはまったく別な形になることでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。

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