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王朝が交替するたびに、すべてが徹底的に破壊されて、またいちからやりなおすことを余儀なくされてきた国と、万年の単位で文明文化を積み上げてきた国とでは、その思考の深さに違いがあるのが、むしろあたりまえです。
私達の祖先が、知恵の限りを尽くして後世に残してくれた日本の古代の知恵を、私達はもっと大切なものとして考えるべきなのではないでしょうか。


20200131 タイムパラドックス
画像出所=https://www.feelguide.com/2015/01/21/experts-baffled-source-one-mans-ongoing-8-year-groundhog-day-deja-vu-time-loop/
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)

今日のお話は、ちょっとおもしろいかも。
わかるひとにはわかるお話です。
早いもので、ついこのあいだ新年が明けたと思ったら、もう1月の最終日です。
年をとると年々月日の経つのが早くなるといいますが、そういえば10歳の子供にとっての1年は人生の10分の1だけれど、60歳なら60分の1,70歳なら70分の1です。
日月の経つのが早くなるわけです。
物理的には同じ時間なのに、感覚的な歳月の経過が長く感じられたり短く感じられたりするのは、科学的には身体の代謝(たいしゃ)の影響だと言われています。
代謝が良い状態で感じる歳月は長く、
歳を重ねて代謝が落ちた状態で感じる歳月は、身体の歳月を測る活動も落ちているために短く感じるのだそうです。
もっとも昨今の年齢は、長寿化の影響もあって、ひと昔前の実年齢の6掛けともいわれます。
これは現代人の代謝がひと昔前の人々よりも良くなっているためで、
ですから、いま60歳の人は(年齢×6割)ですから、ひと昔前の36歳。
いま70歳のひとは、ひと昔前の42歳くらいと同じ体力、外見であるというわけです。
同様に、いま40歳の方なら、昔の24歳くらい。
20歳の方なら、12歳!!
まあ、12歳はともかくとして、実年齢の6掛けというのは、なんだか当たっているような気もします。
しかしそうは言っても、逆に、楽しく過ごしている時間は代謝が良いはずなのに短く感じ、退屈な時間は代謝も落ちているはずなのに、やたらに長く感じたりもします。
そうなると、果たして時間というものは、本当に物理的に一定の速度でしか進まないものなのだろうか、などという疑問もわいてきます。

20191006 ねずラジ
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古事記では、たとえば神武天皇が皇位に就かれてから崩御するまで137歳であったと記述しています。
皇位に就かれたのが40歳代の半ばをすぎてからですから、それから137歳というと、寿命が180年ほどもあったことになります。
「それはないだろう」ということになって、このことが記紀の信頼性を疑わせるひとつの根拠にされていたりします。
けれど「歳」という字は、漢字の成り立ちから、昔は「月(=month)」を意味したので、これはおよそ11年ということですと、拙著には書かせていただいたのですが、仮にもし、この世が光に向かって進んでいるとするならば、実は本当に物理的時間の137年間の御在位だったのかもしれないのです。
これが日本書紀になるともっと極端で、神武天皇が東征のために宮崎を出発された歳は、ニニギノミコトが天孫降臨されてから、179万2470歳と書いてある。
179万年前なら、まだ人類誕生以前です。
けれど第一に「歳」は月(month)のことであるとするならば、整数なら15万年前、指数なら380年前です。
どういうことかというと、光速で進む宇宙船と、地球上の時間の違いの話です。
お聞きになられたことがあると思います。
時間は光速に近づくほどゆっくりになるから、光速に近い速度で旅行する宇宙船内にいる人は、その分、年齢の進み方がゆっくりになるという理論上の話です。
このため、光速に近い速度で進む宇宙船で10年を過ごしてきた人が地球に帰ると、地球上では100年、あるいは千年が経っていた・・・などとSF映画などでよくテーマにされます。
これは特殊相対性理論で、光の速度は一定ですので、光に近づくほど、時間の進み具合が遅くなる。
理論上は、光速と同じ速度で宇宙船が飛ぶと、船内時間はゼロになります。つまり時間が静止します。
ところが地球上では時間はそのまま進んでいますから、地球上で何億年経とうが、宇宙船内の時間は止まったままになるというわけです。
昔の人が神々のことを「光の存在」と考えていたとするならば、なるほど神々の世界での時間は静止するのです。
ですから何千年(もしかしたら何万年)前に、人として実在されていた神様であっても、神様となって光の世界《神界》に行かれると、そこでは時間の経過がない。
だから何千年も前の神様が、いまでも神社においでになりますし、未来にもおいでになります。
これは神々の世界と、我々の世界とでは、時間の進み方が違うということを前提としなければ説明できないことです。
そうであるとするならば、神界に近づくほど時間の経過はゆっくりになるわけですから、これは放物線を描く指数のようなものです。
そして大昔が、地上界と神々の世界がとても近かった(これも日本書紀に書かれています)のなら、昔に行くほど、時間の経過がゆっくりになります。光に近いからです。
実際、日本書紀は、その冒頭で、
「清浄な光の世界が固まって神々の世界になった」
と書いています。
このことは裏を返せば、神々の世界は清浄な光の世界であるということです。
そうであるなら、神々の世界の時間は静止していることになります。
そして古い時代は神々の世界に近かったのなら、時間の速度は非常にゆっくりになります。
わかりにくいかもしれないので、図示すると次のようになります。
《光の速さは一定である》・・・・・特殊相対性理論
《神々の世界は光の世界である》・・古事記、日本書紀
 神々の世界(高天原)=時間は静止
 神々に近かった時代 =時間の進む速度はゆっくり
 現代        =時間は定刻で進む
すると現代の我々の世界における時間軸を基準に考えたら、地上に降臨された瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の時代に近づくほど時間の進み具合がゆっくりになります。
高天原まで行ってしまうと、ついに時間は静止する。
つまりニニギノミコトから神武天皇出発までの期間が179万歳(およそ15万年)という記述も、我々の世界のいまの時間に置き換えればそうなるということであって、それが対数年なら380年(あるいはもっと短い期間)にしかならないということになります。
このことは、実際体感的にも、幼い頃は時間の進み具合がゆっくりなのに、歳を重ねるに従って、だんだん体感時間が短くなり、1年があっという間に過ぎ去ってしまうという経験は、誰もが感じることです。
そしてもしかすると、時間は本当に、そのような形をしているのかもしれないのだし、そうであれば、我々のご先祖が過ごした時間と、いま我々が過ごしている時間は、同じ50年でも、その長さが全然違うのかもしれない。
いやむしろ、そのように考えたほうが、時間の概念はより正確なものといえるのかもしれないのです。
要するに記紀は、アインシュタインの特殊相対性理論がまだなかった時代に、特殊相対性理論と同じ考え方を、記紀は示しているのかもしれません。
そういえば、現代物理学の最先端といわれる「超ひも理論」も、我が国では、神話において「高御産巣日(結びの)神、神産巣日(結びの)神」と表現しています。
ひもだから結べるわけです。
表現の仕方が違っているだけで、両者は同じことを述べています。
日本人の歴史は、磨製石器の時代にまでさかのぼれば、3〜4万年前にまでさかのぼります。
そして現代に至るまで、天変地異や疫病の流行によって多くの人命が失われることはあっても、戦争によって人々を皆殺しにして、文明文化をまた0から始めるという出来事が一度もなかった歴史を持ちます。
つまり祖代から知識や経験や思索を積み上げてきたという、稀有な歴史を持つのが日本です。
王朝が交替するたびに、すべてが徹底的に破壊されて、またいちからやりなおすことを余儀なくされてきた国と、万年の単位で文明文化を積み上げてきた国とでは、その思考の深さには、違いがあってむしろ当然です。
私達の祖先が、知恵の限りを尽くして後世に残してくれた日本の古代の知恵を、私達はもっと大切なものとして考えるべきなのではないでしょうか。
お読みいただき、ありがとうございました。

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