↓↓↓↓
https://www.ishikikaikaku.jp/nezuraji/

ご登録は↑のバナーをクリック↑

人気ブログランキング
応援クリックは←こちらから。いつもありがとうございます。

画像出所=http://apoco.xsrv.jp/ikiru_hint/archives/3025/
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)
昨日に続き、尋常小学読本四から、「松の木の話」をご紹介したいと思います。
これもまた、たいへん示唆に富んだお話です。
原文は漢字とカタカナ文ですので、いつものようにねず式で現代語訳します。
***
尋常小学読本四
第12 松の話
松の木は、青い針のような葉を持っています。
その葉は、たいてい2つづつ一緒になって付いています。
松の葉は、他の木の葉のように、色が変わったり、落ちたりするようなことはありません。
ですから人が「松はめでたい木だ」と言って、門松(かどまつ)などにします。
あるとき、林の中に小さな松の木がありました。
たいそう自分の葉を嫌って、いつも
「金の葉を持ってみたいものだ」
と言っていました。
| 『ねずさんのひとりごとメールマガジン』 |

ある朝、目を覚まして見ますと、葉がすっかり立派な金の葉に変わっていました。
松の木はたいそうよろこびました。
ところがまもなく人が来ました。
そしてその金の葉を、ひとつも残さず、取っていってしまいました。
松の木はたいそう悲しがりました。
そしてそれからは、
「カラスの葉を持ってみたいものだ」
と言っていました。
ある朝、松の木が目を覚ますと、どの枝にもガラスの葉が付いていました。
それは陽が映えて、たいそうきれいでした。
松の木は、またたいそう喜びました。
ところが間もなく、風が強く吹いてきました。
そしてそのガラスの葉を、ひとつ残らず吹き落として壊(こわ)してしまいました。
松の木は、またたいそう悲しがりました。
そしてそれからは、
「金の葉や、ガラスの葉には、
もう懲(こ)りてしまった。
草のような葉を持ってみたいものだ」
と言っていました。
ある朝、目を覚ましてみますと、どの枝にも、草のような葉が付いていました。
松の木は、たいそう喜びました。
ところが間もなく、牛が来ました。
そしてその葉をすっかり食べてしまいました。
松の木は、声をたてて泣き出しました。
そしてそれからは、
「金の葉や、ガラスの葉や
草のような葉には
もう懲りてしまった。
やっぱり元の、
青い針のような葉が
一番よい。
どうかして早く元の通りになりたいものだ」
と言っていました。
ある朝、目を覚ましてみますと、すっかり元の通りになっていました。
松の木は、たいそう喜びました。
そしてそれからは、もう
「他の葉を持ってみたい」
と言ったことはありませんでした。
****
みなさまは、何をお感じになりましたか?
松は、どんなに土の栄養のとぼしい、岩場や断崖絶壁、あるいは砂地でも風雪に耐えて雄々しく茂ることから、古来、源氏の象徴としされてきた木です。
それこそが、どんな難事にあっても、不退転の武士の心だということで、武士の象徴ともされ、ですからお城といえば、庭に松の木が定番ともなりました。
またお能は源氏の棟梁の足利氏が引き立てた芸能ですが、そうした次第から、全国どこの能楽堂でも、壁には松の木が描かれています。
その松の木が、金やガラスや草をうらやましがって、実際に枝をそのようにしたら、結果は残念なことになったというのが、この物語です。
けれど考えてみれば、戦後の日本は、たとえば住宅行政において、欧米式の核家族住宅をよろこび、そのような家を手に入れることが、サラリーマンの夢とされ、気がつけば、国土から緑が失われ、災害に弱い都市をつくってしまいました。
住宅用の木材も、国産材を使わず、舶来品ばかりをありがたがって、法制度もそのように変えたのですが、外材は、たとえば年間の平均湿度が20%に満たないような土地で生えた木材を用いるわけです。
日本は高温多湿の国ですから、そのような木材を住宅用に使えば、木材は大喜びで空気中の湿気を吸う。
結果、壁紙の裏側はカビだらけといった事態を呼んだりしています。
個人の生活においても、他人の生活をうらやんだり、手に入らないとわかれば悪口を言ったりと、これまた読本の松の木のように、ないものねだりをしては、結果、民度を下げています。
分をわきまえて生きる。
自分の分の中で、雄々しく、しっかりと人生をすごしていく。
そうしたことのたいせつさを、戦前は、子供たちにしっかりと教えていたわけですね。
昭和天皇が終戦の翌年に詠まれた御製です。
降り積もる
深雪に耐えて
色変えぬ
松そ雄々しき
人もかくあれ
大切な「お示し」だと思います。
※この記事は2019年10月の記事の再掲です。
お読みいただき、ありがとうございました。

人気ブログランキング
↑ ↑
応援クリックありがとうございます。
講演や動画、記事などで有償で活用される場合は、
メールでお申し出ください。
nezu3344@gmail.com
https://www.facebook.com/events/1345677085590621/
2019/11/2(土)第42回 百人一首塾 江東区文化センター 第三研修室 18:30〜20:30
https://www.facebook.com/events/602655457328350/
2019/11/24(日)第66回 倭塾 江東区文化センター 第三研修室 18:30〜20:30
https://www.facebook.com/events/1200935093439011/
2019/12/14(土)第67回 倭塾 江東区文化センター 第1研修室 18:30〜20:30
https://www.facebook.com/events/544111256338411/
2019/12/22(日) 第43回 百人一首塾 江東区文化センター 第三研修室 18:30〜20:30
https://www.facebook.com/events/887694471605173/
2020/2/22(土)第69回 倭塾 富岡八幡宮 婚儀殿二階大広間 13:30~16:30
https://www.facebook.com/events/2179999205630540/

