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| 鎌倉幕府を倒した力のひとつは、児島高徳のような知恵と知識のある人達が、たとえ寡兵であっても、天皇を中心とする日本を護ろうと立ち上がったことです。 いまの日本を変える力も同様に、知性に彩られた教養の力でありたいものだと思います。 |

画像出所=https://ameblo.jp/horikinu/entry-12361375681.html
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)
戦前までは学校の教科書で紹介され、大楠公と並び称される忠臣として、誰もが知る日本の常識でありながら、戦後はまったくその存在自体をかき消されてしまった人に、児島高徳(こじまたかのり)がいます。
児島高徳は、鎌倉時代後期にあたる、正和元(1312)年、備前の国(いまの岡山県東南部)の児島郡の人です。
元弘二(1332)年3月、児島高徳は隠岐島に流罪となって護送される後醍醐天皇をなんとかして奪回しようと、わずか二百の手勢で護送団を追いました。
けれど護送団がどうしても見つからない。
そこで児島高徳は、せめて志だけでも伝えようと、杉坂峠の天皇の宿所の庭の桜樹の幹を削って、十字の詩を書き残しました。
それが、
「天莫空勾践
時非無范蠡」
という漢詩です。
意味は、
「天が古代中国の越王・勾践(こうせん)を見捨てなかったように、
このたびのことでも范蠡(はんれい)の如き忠臣が現れて、
必ずや帝をお助けする事でしょう」
というものです。
この話は忠臣児島高徳の故事として、戦前は学校の教科書でも紹介され、日本人なら誰もが知る「日本の常識」となっていました。
| 『ねずさんのひとりごとメールマガジン』 |

文部省唱歌もあります。
尋常小学唱歌第六学年用に掲載されているものです。
♪ 船坂山や杉坂と、
御あと慕ひて院の庄
微衷をいかで聞えんと、
桜の幹に十字の詩
天勾践を空しうする莫れ。
時范蠡無きにしも非ず
難しい漢字がいっぱい使われている歌詞ですが、こうした歌が唱歌として歌われ、小学生でさえ、その意味をちゃんとわかっていたというのは、戦前の教育の凄みを感じさせます。
戦後教育は知識の取得を目的としているというけれど、本当は、子供達が大人になったときに、立派に社会や家庭を担えるように、その精神性を養うことにあります。
児島高徳の漢詩にある越王勾践(こうせん)と范 蠡(はんれい)のことにも触れておこうと思います。
勾践は、Chinaの春秋戦国時代にあっった「越の国」の王です。
勾践は隣国の呉の王「闔閭(こうりょ)」を破(やぶ)り、破れた呉王闔閭の子の「夫差(ふさ)」は、お家再興を誓って、毎日寝苦しい薪(たきぎ)の上に寝て、悔しさを忘れないようにしました。
そして再起した夫差は、呉王となり、見事、越王「勾践」を会稽山(かいけいざん)で破り、国を再興します。
ところがこのとき、敗れた側の「勾践」は、愛する妻を「夫差」に妾(めかけ)として差し出すという屈辱を受けてしまいます。
この悔しさを忘れないようにと勾践は、日々の野良仕事の毎日に、苦い「胆」を常にそばにおき、都度、これを噛んでは「会稽山の恥辱を決して忘れない」と心に誓い続けます。
そして努力を重ね、ついには夫差を滅ぼします。
この故事(こじ)が有名な「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」です。
そして、敗戦の屈辱浴び、何もかもを失った勾践に、常に寄り添い、変らぬ忠義をで勾践を守り続け、ついに決起のときには見事、夫差を倒したのが、忠臣の范蠡(はんれい)です。
この逸話が、「会稽(かいけい)の恥をすすぐ」という物語です。
児島高徳は、自分をその范蠡(はんれい)になぞらえて、自分の気持ちを後醍醐天皇に伝えようとしたのです。
後醍醐天皇の護送団は、児島高徳が去ったあとに、その漢詩が書かれた場所に到着します。
ところが誰ひとり、詩の意味がわからない。
このあたり非常におもしろいところなのですが、このとき流された後醍醐天皇は、後に再起して鎌倉幕府を滅ぼし天皇親政を実現しています。
まさに明治維新ならぬ、鎌倉維新が行われたわけですが、このとき後醍醐天皇を支えた忠臣たちである児島高徳や、楠正成たちなど、いずれもたいへん教養が高い人物たちでした。
要するに教養があって和漢の知識に通じているから、政治権力も軍事力も鎌倉幕府とくらべたらはるかに劣る後醍醐天皇に味方しているのです。
そういえば先日ある方が、
「最近、学歴コンプレックスがまったくなくなりました」
と仰っていました。
どうしてかというと、
「大学教育の程度があまりにも低いために、
大学で優秀な人(そのなかの最たる優秀者が教授たち)であればあるほど、
思考力にとぼしく、歴史を曲解している。
そんなことなら市井の自分の方が、
はるかにまともな知恵を得ることができている」
ということでした。
おもわず「なるほど」と納得してしまいました。
さらに別な方は、娘さんが小学校で教鞭をとっておいでなのだそうですが、あるとき採点した算数のテストの答案を配ったときに、ある児童が言ったそうです。
「先生、ボクの答案のココは、どうして間違っているのですか?」
そこでその先生は、丁寧にどこが間違っているのか説明してあげたそうです。
するとその生徒、
「でも先生、それは先生の考えでしょ?
ボクの考えは違うんです」
みなさんなら、その児童に何と言って指導するでしょうか。
鎌倉幕府を倒した力のひとつは、児島高徳のような知恵と知識のある人達が、たとえ寡兵であっても、天皇を中心とする日本を護ろうと立ち上がったことです。
いまの日本を変える力も同様に、知性に彩られた教養の力でありたいものだと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。

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