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私たち日本人には、本来、善悪二元論はなじまないのではないでしょうか。
悪の中にも善があり、善の中にも悪があると考える。
ですから芥川龍之介の『蜘蛛の糸』に出てくるカンタダがいくら極悪人であっても、お釈迦様がこれを助けようとしたと聞けば、「ああ、なるほど」と素直にその物語に納得します。
ところが善悪二元論のもとでは、そうはならない。
悪はどこまで行っても悪です。
そこに情けはありません。

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◆【お知らせ】◆
9月17日(日)13:30 第43回 倭塾 公開講座(古事記)
9月21日(木)13:00 埼玉縣護國神社奉納揮毫
10月 1日(日)11:00 日心会『ねずさんと古事記』出版を祝う会(古事記)
10月15日(日)13:30 古事記に学ぶ25の経営学
10月26日(木)18:30 第19回 百人一首塾 公開講座(百人一首)
11月 3日(金・文化の日)第2回 名古屋倭塾 公開講座(古事記)
11月 5日(日)第45回 倭塾 公開講座
11月25日(土)第20回 百人一首塾
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月刊誌「玉響」は、毎月愛読させていただいている雑誌です。
その「玉響」の2017年10月号(今月号)に、日本弥栄の会の中矢代表と、オノマ・A・ソテリアさんという、ギリシャ生まれで、イタリア、インド、イスラエル、アラブ首長国連邦、アメリカ、スイス、フランス、そして日本で育った、まさに国際人そのものの人物との対談が掲載されています。
このオノマさんは、なんと日本語、英語、フランス語、ヘブライ語、ラテン語、ギリシャ語の読み書きに通じ、日本語では、何と古典まで読破されるという、いわば超人です。
対談の内容は、キリスト教から水戸学、古事記、日本書紀、お香など多岐に渡るのですが、そのなかで、ひとつ、なるほどと注目した視点が、
「善悪二元論か一元論か」という論考です。
ペルシャのゾロアスター教では、善と悪の二元論を用います。
そこから発展して、キリスト教もまた二元論となったわけで、その結果、現代においても彼らは常に善と悪とを区別しようとする傾向があります。
これについて中矢代表が次のように述べています。
「日本人の場合、どこか敵に対して憐憫の情を抱いたり、敵の立場を慮(おもんばか)ったり、二元論というより、一元論的に考えます。(中略)
すべてにおいて二元論的思考が西洋人の考え方にあって、例えば神の世界とこの地上界というのも、二元論的な感じで考える。
日本人は一元論的に見るから、自然と私たち人間の境があまりないというか、一体化しているところもあると思うのです。」
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と、ここから思うのですが、日本の国旗は日の丸です。
中央に描かれたひとつの丸は、まさに一体化すること、ひとつになることを示しています。
これに対し、西洋諸国の国旗は、直線で色分けがされています。
かつては、たとえば三色旗ならば、その中央に王の紋章が描かれていて、対立する三者をも統合していましたが、王権が倒されてからは、単に三色が直線で区分されるようになりました。
そして三つの色は、それぞれが自己主張をしているかのように見えます。
そういえば米国の国旗も、青と赤と白が直線で区分されています。
ちなみにChinaの国旗は、赤字に星が描かれていますが、これはすべての民衆を黄色の支配者が支配している姿であるかのようです。
あくまでも、そのようにも見えるという意味です。
良い悪いということではありません。
やはり国旗には、それぞれの国ごとの価値観の相違が象徴されているように思います。
大切なことは、私たち日本人には、本来、善悪二元論はなじまないのではないでしょうか。
悪の中にも善があり、善の中にも悪があると考える。
ですから芥川龍之介の『蜘蛛の糸』に出てくるカンタダがいくら極悪人であっても、お釈迦様がこれを助けようとしたと聞けば、「ああ、なるほど」と素直にその物語に納得します。
ところが善悪二元論のもとでは、そうはならない。
悪はどこまで行っても悪です。
そこに情けはありません。
先だってトランプ氏が、国連改革を提言しました。
前任の事務総長の時代に、国連は事務官僚が2倍になり、真実ではなく都合で国連から様々な通達が各国に出されるようになりました。
このままでは米国としては、国連経費(分担金)の2割もの負担をしているわけで、その改革が国連にできないのなら、米国は国連に経費を出すわけにいかないというわけです。
米国は善悪二元論の国です。
ですからその米国がこれを云い出したということは、国連は「悪」だと言われたに等しいわけです。
こういうところが善悪二元論国の怖いところです。
その問題を起こした側の国もまた、善悪二元論国です。
民族性かもしれません。
その国は「2%もの分担金を国連に収めている」と豪語しますが、毎年の支払いは滞りがちで、未払い状態が続いています。
払うものも払わずに、権利だけを主張し、世界中に害毒を撒き散らしているのですからたいしたものですが、それでいて自分たちは常に善だというのですから、これまた善悪二元論の怖さです。
一方、日本人は一元論ですから、こういう点についても実に曖昧です。
国連に米国に次いで世界第二位の分担金を毎年、一日の遅れもなくキチンと支払い続けています。
米国は、主張が通らないとすぐに支払いを滞らせるので、実質負担金は日本が一番になっていさえます。
それでいて日本は国連で敵国扱いされているし、常任理事国でもないし、職員採用国籍割合も少ないし、GDP比率でいえば、EU各国の合計やChinaの倍以上の分担金を、これまた遅れなく、キチンと支払い続けています。
そしてそのことについて、日本国政府も文句を言わないし、国民も文句を云いません。
善と悪の境目を明確に持たない日本人は、まずは自分たちがやるべきことをキチンとしようとするし、敵国とみなされていたとしても、そうでないと考えてくれる国もあるに違いないと考えます。
常任理事国に、誰がどう考えても第二次世界大戦のときには国家の片鱗さえもなかった国が就任して、あたかも United Nationsの戦勝国のような顔をしていても、そのことを特に問題にしようともしない。
馬鹿にされても、相手の中の誠意を信じようとするところがあったりするわけです。
そしてその日本は、これまた「玉響」からの受け売りですが、「最古の文明シュメールよりも古い日本の縄文」文明を持っています。
ほんとうの意味で、まさに世界最古の国であるわけです。
では、私たちはこれからの国際社会において、何をしていくことが必要なのでしょうか。
それは私たちが善悪二元論の国や民族に生まれ変わることなのでしょうか。
私は、それは無理だろうと思います。
どこの国も、どの民族も、その国や民族の歴史文化伝統の上に成り立っています。
いま、善悪二元論の国に、一元論の国に生まれ変わりなさいといったところで、そうなることはまずありえないし、日本が日本人が善悪二元論者になることも、およそ不可能なことです。
ただ、できることがひとつあります。
それは、日本が日本人が、世界最古の文明を持つ国として、世界に向けて堂々と、私たちの国の文化をわかりやすく説明していくことです。
説明のためには、私達自身が、私たちの国の成り立ちや、国の歴伝統文化を知ることが大事であると思います。
それは、他国や多民族に、日本の持つ一元論を振りかざしたり、ゴリ押ししたりすることではありません。
日本人は、こう考え、このように行動するということを、相手にわかるように説明していくことなのではないかと思います。
フジヤマ、ゲイシャ、スキヤキだけが日本の文化ではないのです。
お読みいただき、ありがとうございました。

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