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昨日のことですが、中国船が2隻、日本の領海を9時間以上にわたり、侵犯し続けたというニュースが流れました。
場所は、尖閣諸島・魚釣島の南東約6キロの日本領海内。
発見時間は、昨日の朝8時10分。
発見したのは、第11管区海上保安本部所属の巡視船「くにがみ」です。
中国船2隻は“国家海洋局”所属の「海監46号」(約1100トン、全長70メートル)と「海監51号」(約1900トン、全長約90メートル)。
2隻は発見後、午前9時40分ごろから漂泊。
観測機を海に落とすなど海洋調査を行っている様子は確認されていない。
海保巡視船「くにがみ」は、無線を通して領海外への退去を要求。
日本の同意を得ていない海洋調査は認められないと警告。
2隻は、一時は魚釣島の約3.2キロまで接近。
午後5時22分と同35分、それぞれ領海外に出て北寄りの方角に進んだ。 
日本側巡視船が領海外への退去を求め、2隻は午後5時半ごろ領海外に出た。
この問題に関し、麻生首相は8日夜、首相官邸で記者団の質問に答え「はなはだ遺憾だ。明らかに領海侵犯だから」と不快感を示した。
また、河村建夫官房長官は同日午後の記者会見で「尖閣諸島は歴史的、国際的にもわが国固有の領土で、中国艦船のこのような活動は極めて遺憾だ」と述べた。
調査船の領海侵犯が13日に福岡県で開かれる日中韓首脳会議に与える影響については、「そういうこと(があると)は特に考えてない」と否定した。
これに関し、藪中三十二外務事務次官は8日、崔天凱駐日中国大使に対し、調査船の領海侵犯に抗議、領海外への即時退去を求めた。北京に滞在中の斎木昭隆外務省アジア大洋州局長も武大偉中国外務次官に抗議した。 
一方、香港のテレビ局、鳳凰電視台は、「中国人民解放軍が魚釣島(尖閣諸島の中国語名)に進攻すれば、日本に完全勝利できる」などとする記事をウェブサイトに掲載し、中国解放軍の海軍陸戦隊と陸軍機械化師団が共同作戦を実施すれば、日本の自衛隊よりはるかに強力な戦闘力を発揮し、尖閣諸島を「回収」できるという報道をしています。
このような領海侵犯については、国連海洋法条約で取締が認められています。
もちろん日本もこの条約を批准しているのですが、国内法でこのような事態を取り締まる法律がありませんでした。
しかし今年の7月「外国船舶の航行に関する法律」を施行し、日本も国内法で、このような事態に関しては、海保が停船命令を出し、立ち入り調査もできると、定められました。
これにより海保は、領海侵犯した外国船舶を阻止できるようになったはずでした。
にもかかわらず、今回は発見してから7時間近くも傍観。無線で注意しただけ。総理も官房長官も、「遺憾である」と述べただけでした。
このことを、中国側から見ると、ひとつの筋書きを見出すことができます。
第一に、領海侵犯に対し、それが発見されるまでの時間です。領海侵犯後、発見までに2時間。このことは、領海侵犯し、軍事行動を起こすのに十分な時間的余裕があることを示します。
第二に、領海を侵犯された日本が、どのような行動をとるか。
日本が侵犯をけん制するのに用いたのは、海上保安庁(海の警察)の船舶だけでした。海上自衛隊は行動を起こしていません。また沖縄米軍基地にほどちかい場所でありながら、米軍からの偵察行動もありません。
つまり、中国人民解放軍は、安心して、軍の上陸部隊を日本に向けて進行させることができる。
第三に、日本に発見されてから、国際法に基づいた取締行動をするかどうか。
発見後、7時間という長い時間の海上待機に対して、日本はまったくけん制行動をとっていない。海保による海上警察行動もなければ、海自によるイージス艦出動もない。近隣基地からのミサイル発射のためのレーダー捕捉行動もない。
第四に、日本政府がどう対応するか。
日中韓首脳会議を目前に控えたこの時期の領海侵犯に対し、明確に異議を唱えるのか、黙殺するのか。つまり明らかに中国側に非のある行動に対し、日本がどこまで異を唱えるか。
中国の人民解放軍と日本の海上自衛隊、ならびに日米安保に基づく米軍兵力を比べた場合、中国軍は、兵員数では圧倒的ながら、装備という面では、日米に著しく劣っています。
上陸し、いわゆる肉弾戦になれば、圧倒的兵員数を誇る中国軍に有利になりますが、海を渡る相手(日本・台湾)に対しては、上陸部隊を海上輸送しなければならない。つまり、制海権、制空権をどう握るかが、問題となります。
逆にいえば、日米が「なにもしない」あいだに、大量の兵員を送り込めば、軍事的に日本を占領することができる。
こういうことを書くと、すぐに軍事行動に結びつけること自体に抵抗感を持たれる方がいるかもしれませんが、万一、中国軍が日本に上陸部隊を送り込むといった事態が起これば、いま手に持っている円は、紙屑になる。正常な貿易活動や商業活動が制限されれば、たちまち、日本人は飢えてしまう。
そこまでいかなくても、莫大な地下資源が眠るとされる尖閣諸島海域が中国軍によって制圧(彼らの言葉なら解放)されれば、日本はその埋蔵資源に対する利権を完全に失う。日本は、日本の領海から産出される資源を、中国から買わなければならないというバカげた事態を作ることになる。
戦争には反対ですが、戦争を起こさないようにするためには、それなりの備えが必要であることを日本人は、ちゃんとわからなければいけないと思います。
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おい、こいつら足下みてるぜ!いーのかよ?


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