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「修理固成」という言葉があります。
「しゅりこせい」または「つくりかためなせ」と読みます。
この言葉は、技術大国日本を象徴する、たいへん重要な言葉です。
古事記に出て来ます。
「修理固成」は、国生み、天孫降臨などと並んで古事記の初めの方に出てくる言葉です。
もろもろの天の神様たちが、イザナキノミコト(伊耶那岐命)とイザナミノミコト(伊耶那美命)に、このただよっている国土を有るべき姿に整え(修理)し、固め(固成)なさい」と命じ、天の沼矛(アメノヌボコ)をお授けになり、お二柱の神が天の浮き橋にお立ちになられて、その沼矛で、下界をかき回し、沼矛を引き揚げたときに、沼矛の先から滴った潮が、島になり、その島がオノコロ島で、お二柱の神様は、そこに降り立たれ、日本列島をはじめとした国を生む。
このときに、天の神様たちの詔(みことにり)が、「修理固成」だったわけです。
原文ですと、
======
修理固成
是多陀用幣流之國
賜天沼矛而
======
となっています。
いまでは「修理」という単語は、壊れたモノを直すときに使いますが、ここでは「修理」は、大地を造りだし、国土を創成し、人々の生活の場を築くというたいへん壮大な意味に使われています。
そして読みは「修理」と書いて、「つくり」です。
ですから「修理」は、「モノ作り」です。
「固成」は、「かためなせ」と読みます。
ただモノ作りをするだけではなく、それを「かためなす」、つまり「しっかりしたもの」を「つくり」、それをきちんと「成し遂げる(=完成させる)」のが「固成(かためなせ)」です。
要するに、大地も、人々の生活空間も、あるいは人々が生活するうえで必要な様々なモノも、そのひとつひとつをしっかりとつくり、完成させて行く。
それが日本の原点、しかも国が生まれる以前からの日本人の原点であり、神々からの詔(みことのり)となっているわけです。
ですから日本人は、古来「ものつくり」をとてもたいせつにします。
不思議なもので、たとえば日本の企業が、支那にロボット採用の超近代的工場をつくっても、どこまでいっても、日本で日本人が作ったモノにかないません。
たとえば電子機器などで、接点にハンダ付けするような簡単なものであっても、日本人は何も言われなくても、中心点にきちんとハンダ付けをします。
ところが諸外国では、なかなかそうはいかない。
いまや。中小零細の企業から、大手企業まで、日本のモノ作りの確かさは、いまや世界の常識です。
製品を出荷する際に入れる段ボールにしても、日本の企業は、あたりまえのように、四隅がピッタリと整い、また積み上げても崩れないしっかりした段ボールに製品を入れて出荷します。
ところが、私が以前、ある国から入庫した製品部品は、なるほど段ボールに入れて梱包してあったのだけれど、段ボールはもろく、積み上げると段ボール自体がふにゃりと変形して崩れてしまうし、開封すると中に製品は、たしかにはいってはいるけれど、バラバラです。段ボールの寸法も合っていない。
要するに、ただ作れば良いという観念があたりまえの国と、「つくりかためなせ」で、しっかりとつくり、しっかりと梱包し、しっかりと積み上げることができ、キチンと整頓して梱包する国では、ものつくりへの気構えがまるで違うということです。
ものつくりだけではありません。
その道具も大切にします。
なぜなら、修理固成のための道具(天の沼矛)は、天上の神々からの預かりものなのです。
ですから、大工さんにせよ、工場の職人さんにせよ、自分たちが使う道具は、命そのものといってもよいくらい大事にします。
「つくりかためなせ(修理固成)」そして、天の沼矛を授かったという神事は、技術大国日本の根幹を形成した、実はとてもたいせつな言葉です。
その「つくりかためなせ」の文化を、私たちの先祖は、最短で見積もっても2700年以上もの昔から、大切に育んできたのです。
というよりも・・・・
実は、日本人におけるこの修理固成の歴史は、もっとずっと古いものといえるかもしれない・・・・。
相澤忠洋が発見した磨製石器は、いまから3万年前の世界最古のものでした。
磨製石器というのは、人が石を加工して造った道具です。
そしてこの石器は、どうやら大木を伐り出したりするのにも使われていました。
どうやったかというと、大木の根本を火であぶって焦がし、そこをこの石器で削る。また焦がして削る。また焦がす。これを繰り返して、巨木を伐るのです。
枝も同じようにして払いました。
そしてすごいのは、この磨製石器と、世界最古の木造建築物である法隆寺五重塔を築いた道具である「槍カンナ」と、なんと形状が同じなのです。
つまり、法隆寺五重塔を建設した槍カンナという道具の使い方、つまり木を扱う技術に、日本はすくなくとも3万年の歴史がある、ということなのです。
支那や韓国など、日本の法隆寺五重塔よりも、自国の仏舎利塔建築物の方が歴史が古いなどとのたまうけれど、その証拠となる建築物は現存しません。紙にあったと書かれているだけです。
なぜ無くなったか。戦乱で、自分たちで燃やしてしまったのです。だから、無い。
そして、ここからが大事なところですが、彼らの塔建築と、日本の五重塔建築では、その構造がまるで違うのです。
支那や韓国の塔建築は、ただマッチ箱を積み重ねただけの構造です。
単に箱を積み重ねただけだから、強度もない。いわゆる耐震耐火構造にはなっていない。
ところが日本の五重塔建築は、木造軸組で、釘さえ使わない。
地震が来ても倒れず、火災が起こっても庇(ひさし)に仕込んである土が落下して、自動消火できる仕組みになっています。
さらにいうと、東京スカイツリーの建築様式・免震技術は、実はこの法隆寺五重塔の建築技法の応用です。
それだけの技術を、日本は古くから養っていたのです。
そして技術というものは、何百年、何千年という単位で蓄積されて育成される。
だからこそ、日本だけが種子島(鉄砲)が渡来したときに、あっという間に、その種子島を国内生産し、普及させてしまったのです。
技術大国日本は、ダテじゃないのです。
そしてそのことを、修理固成(つくりかためなせ)の神話は、私たちにこれを国のはじまり、国土のはじまりとして大切にせよと教えてくれている。
その大切な文化を、これからの千年、二千年、そして未来永劫、守り、語り、伝えて行くのは、いまを生きる私たちの使命といえるのではないか。
そんなふうに思うのです。

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