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ナポレオンがイギリス・スウェーデンを除くヨーロッパ全土を制圧したのは、19世紀の始め頃のことです。
そのナポ レオンに支配されたベルリンで、ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ(Johann Gottlieb Fichte)が1807年12月から1808年3月にかけて行った演説が「ドイツ国民に告ぐ」で、その演説でフィヒテはドイツ国民の愛国心と独立を訴え、ドイツ国民をおおいに奮い立たせました。
このときの演説「ドイツ国民に告ぐ」は、14回にわたって行われた連続講演で、その中で彼は次のようなことも述べています。
「占領軍の支配を受けはじめると、まるでその時を待ち兼ねていたかのように、誰も彼もが、われ遅れじと外国人の機嫌を取ろうとした。
かつてはドイツの政府や政治家たちに対して媚びへつらい、ぶざまに這いつくばっていた人たちが、今度は国を極めて誹謗し、ドイツのものといえば何でもかんでも悪しざまにののしるようになった」
なんだかまるで日本の戦後をみるかのようです。
戦後といえば、ベストセラーの「日本人の誇り」を書いたお茶の水大名誉教授の藤原正彦さんが、文芸春秋の2010年7月号に書いた記事があります。
引用します。
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「文藝春秋」六月号の梯久美子氏の記事によると、八十六歳になる建築家の池田武邦氏は、海軍兵学校を出て海軍士官となってからずっと軽巡洋艦「矢矧(やはぎ)」に乗っていたが、昭和二十年四月の沖縄戦で戦艦「大和」とともに海上特攻に出撃し撃沈され九死に一生を得た。
彼は昭和三十年代に小学生の息子さんに「お父さんはなんで戦争になんか行ったの」と詰問され、それ以降、戦争のことを一切話さなくなったそうだ。
「どんな思いで戦ったのか。戦友はどんなふうに死んでいったのか。艦全体が家族のようだった矢矧のこと。言ってもわかってもらえるはずがないと心を閉ざしてしまった。戦争の話をするようになったのは八十歳を過ぎてからです」と今語る。
四年ほど前に見たあるテレビ番組は、五十歳前後の俳優が八十九歳の父親とベトナム沖の島を訪れるものであった。
陸軍大尉だったこの父親がB級戦犯として五年間収監されていた島である。
ここで俳優が老いた父親を高圧的に非難するのだった。
「戦争は人殺しだよね。悪いことだよね」と、父親の反論に耳を貸さず幼稚な言い分をがなり立てる様にいささか驚いた。
軍人だった父親のいる多くの家庭で見られた風景に違いない。
「日本がすべて悪かった。日本軍人は国民を欺いて戦争に導いた極悪人だ。自衛戦争も含めすべての戦争は悪だ」という洗脳教育から大多数の国民がまだ解き放たれていないのだ。
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実際、私などが子供の頃にも、近所で戦時中の帝国軍人の話をする年寄りとかがいると、「あの人は戦争ボケだ」とレッテルを貼られたりしていました。
当時は、過去の戦争よりも、いまの復興が大事、ある程度やむを得なかった点があったかもしれません。
戦争で、たくさんの人が亡くなりました。
もうあんな悲惨は嫌だ、平和な日本で暮らしたい。
そう願う人々がたくさんいたのも事実であったろうと思いますし、それは正しい判断であったろうと思います。
けれど何事につけ、「行き過ぎ」は「足りない」よりも悪い結果をもたらします。
さらに戦後の風潮に乗じて、事実をねじ曲げ、捏造までして日本を貶めることに精を出すことがまるで正義のように勘違いする馬鹿者達まであらわれました。
ところが先の東日本大震災は、そうした私達戦後世代が正義と考えていたものが、実はただの虚構にすぎず、むしろ基から日本にあったものの方が、私達の暮らしにとってはるかに大切なものであったということを思い出させてくれました。
そして3年3ヶ月の民主党政権は、東日本大震災という未曾有の厄災に対しても、また景気対策に対しても、そしてまた国民を守るうえにおいても、いわゆる戦後世代的価値観が、ただの絵空事にすぎないことを、ものの見事に証明してくれました。
そして国家観を明確に持った安倍内閣が発足すると、それだけでみるみるうちに円安は進み、株価は急上昇をはじめてきています。
このことは、日本国民にとって、何が大切なのかを如実に証明してみせてくれた出来事だといえます。
さて、ろくに物事を考えようともしないで、やみくもに外国におもねり、国益を損ね、国民生活を危険に陥れる民主党内閣のような、とんでもないものが日本に登場したのは、戦後の日本が、日本人としてたいせつなものを見失ってきたからといえようかと思います。
フィヒテが面白いことを述べています。
「我々は即座にドイツ人になればよい。本来あるべき姿に戻れば良いのだ。我々は精神を他人の支配にまかせてはならない。そのためにはまず堅確な精神を養わなければならない。」
「自らドイツ国民たるを信じ、ドイツ国民が偉大かつ高尚な国民たることを疑わず、ドイツ国民に望みを託し、ドイツ国民のために生命を賭け、艱難(かんなん)に耐え、苦痛を忍び、今日限り動揺を止め、信念を強固にしなければならない。」
この言葉、ドイツを日本におきかえたら、まるっきりそのままいまの日本にあてはまります。
私達は、日本人として、本来あるべき日本人の姿に戻れば良い。
そのための方法は3つあります。
いちに教育、二に教育、三に教育です。
吉田松陰は、最後の最後まで、天壌無窮の神勅を疑わず、日本を信じぬいてその生涯を閉じました。
わたしたちも、いま、わたしたちが日本人であることを疑わず、日本を信じぬくこと。
そこからはじめることが大事かと思います。
フィヒテのあと、ドイツにはナチスが起こり、そして一時は英国とスイス以外のヨーロッパ諸国はことごとくドイツの傘下になるまでの勢いを持ちました。
ところがそのドイツも、第二次世界大戦で破れた後、経済は復活するのですが、左傾化による国家観の喪失に加え、政策的に招かれた移民がドイツ内に猛烈に増殖し、おおきな混乱を招いています。
私は、私達日本人が日本人としてのアイデンティティをきちんと身につける日本人の道義教育、国史教育を取り戻すこともさりながら、外国人、日本人を問わず、すくなくとも一時的には反日に対する取締ができる社会が必要であろうと思います。

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