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ご神木1126_10_2hon

11月26日 17時55分に、NHKニュースが配信した記事です。
まず記事をまるごとご紹介します。
実にとんでもないことです。
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【ねらわれる各地の「ご神木」】
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/1126.html
神社の境内に立つ、「ご神木」。地域の信仰の対象として大切にされ、中には樹齢数百年というものも珍しくありませんが、今、そのご神木が各地で不自然な枯れ方をするケースが、四国を中心に相次いでいます。
ご神木に何が起きているのか、松山放送局の大西由夏記者と田畑佑典記者が取材しました。
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“ご神木が枯れた”
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ことし7月に愛媛県東温市で、ご神木が枯れているのが見つかりました。
約1300年の歴史を持つ神社「総河内大明神社」の境内で2本のヒノキだけが枯れていたのです。
いずれも樹齢500年を超え、幹周りは4メートル前後の大木で、地元では当初、老木なので寿命で枯れてしまったのではないかと考えられていました。


ご神木1126_03_toon
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ところが約1か月後、神社の管理を任されている地域住民のもとに、ある木材業者が訪ねてきました。
業者は「枯れた木は危ないから早く切ったほうがいい。自分たちが伐採して買い取ろう」と話したといいます。
ご神木を見守ってきた地域の人たちは慌てました。
“ご神木が倒れるかも”という懸念や“何とかしてあげたい”という思いに加えて、“自分たちには木を切リ倒す費用を出せるのだろうか”という不安もあったそうです。
地域で話し合った末に、2本のご神木を550万円で業者に売却する契約を結びました。
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問題発覚“木に複数の穴”
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しかし木の伐採直前に大きな問題が発覚しました。
木の根元に、直径5ミリほどの穴が複数見つかったのです。
ご神木1126_05_ana
不審に思った神社側が警察に相談すると、穴は人がドリルのようなもので開けたものだと分かりました。
さらに警察の捜査で、穴の中から除草剤に含まれる成分の一種、「グリホサート」が検出されたのです。
総河内大明神社の綿崎祥子宮司は、「そんな事をする人がいるとは、ことばにならなかった」と話します。
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誰が?何のために?
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ご神木は、誰が何のために枯らしたのか。
現場を独自に調査した愛媛県林業研究センターの豊田信行さんは、木材に詳しい人物が関わっていると推測しました。
根拠は木に彫られた穴の深さが4センチほどだったことです。
ご神木1126_06_CG
木は表面から4センチほどの部分に、根が吸った水分を運ぶ管が通っています。
穴はその管まで的確に掘られ、そこから入れられた除草剤が枝へと行き渡り、枯れたとみています。
このような方法をとると、枯れるのは葉や枝だけで幹の中心部に影響はなく、木材としての質は下がらないといいます。
県林業研究センターの豊田信行さんは、「効率的に薬を入れようとすれば、4センチ前後入れる。木を扱っている人々には常識的に知っている話です」と指摘しています。
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広がるご神木被害
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取材を進めていくと、ご神木が枯らされる被害は愛媛県内の別の神社でも起きていたことが分かりました。
ご神木1126_07_guuj
この神社には以前からご神木を売ってほしいと複数の業者が訪ね、去年はご神木4本が枯れて2つの業者に売却されました。
これらの木でも同じような穴が見つかっていたということです。
さらにこうした被害は愛媛県だけにとどまらないことも分かってきました。
NHKの取材では、不自然な枯れ方をしたご神木は四国を中心にここ10年で、少なくとも25本に上っています。
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業界の内幕“かつては九州でも”
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相次ぐご神木の被害。
木材業界の事情に詳しい人物に話を聞くことができました。
この人物によると薬剤で木を枯らす手法は持ち主に木を手放させるためのもので、かつては九州などでも見られたということです。
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大木は高値で取り引き
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ご神木にいったいどれほどの価値があるのでしょうか。
取材班は、奈良県にある大木を専門に扱う木材市場を訪ねました。
国内では木材価格が低迷していますが、直径1メートルを超えるような大木はほとんど出回らず、高値での取り引きが続いていました。
奈良県銘木協同組合の林秀樹課長は「去年売れた中には一本単価で600万、700万という木もあった。もっと太いものになればさらに価値がある」と話しています。
質のいい大木は、歴史的建造物の再建や文化財の修復などで常に一定の需要があります。しかし国産の大木はすでに多くが伐採され、もはや神社や寺の境内にしか残っていないといいます。
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難航する捜査
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警察の捜査は難航しています。
枯れた木から検出された成分を含む除草剤は市販のもので誰でも手に入れられることから、枯らした人物の特定は容易ではないとしています。
また目撃証言などもありません。
私たち取材班も多くの関係者に重ねて取材しましたが、最初にご神木の伐採と買い取りを持ちかけた木材業者を含め、いずれも不正への関与を明確に否定しました。
何者かの手によって枯らされた愛媛県東温市のご神木。
契約では年内に伐採されることになっていますが、神社側は一連の経緯が不透明だとして、伐採に「待った」をかけています。
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足りない木材・どう守る日本建築
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一方で、社寺仏閣の大修理や再建に使う大木が国内にはほとんど残っていないという悩ましい問題もあります。
国宝の阿修羅像で知られる奈良県の興福寺では現在、江戸時代に焼失した「中金堂」という建物の再建工事が進められていますが、国産ではなくカメルーン産の木材を輸入して使っています。
今回のご神木を巡る騒動は、世界に誇る日本の木造建築を今後も守っていくことができるのかという、大きな問題も投げかけています。
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ご神木(しんぼく)というのは、日本神道における神籬(ひもろぎ)です。
漢字で、「籬(り)」というのは、竹や石などでつくられた垣根のことを指しますが、日本語でいう「ひもろぎ」は、「ひ」は神霊、「もろ」は「あもる」が転移したもので、天下るという意味の言葉です。そして「き」は木を意味します。
ですから「ひもろぎ」は「ひが あまくだる 木」で、神霊が天下る木です。
要するに簡単にいえば「神の依り代」です。
ですからたとえば「檜(ひのき)」といえば、神霊の木、「榁(むろのき)」は、天下る木を意味します。
日本人は、万物に神が宿ると考えます。
樹齢何百年の木となれば、そこには老熟した神が宿る。
霊感の強い人などの場合、神社などにある大樹を前にしたときに、なにやらそこに浄化のエネルギーのような不思議な感じを得ることもあるのだそうです。
私には、宗教とか、そういうことは正直よくわからない。
ただ、自分で、何かを感じる、その感じは自分のものだから、なんとなくわかる気がします。
ご神木と呼ばれる大樹を前に、やはり神聖なものは、私のような霊感のカケラもないような者でもわかる。
Chinaの気功術士のような術士も、ある程度巧妙な人になると、日本にきて、駅を降りた瞬間に、「あの山(樹)には気が立っているのがわかる」などと言い出すのだそうです。
実際にそこに行ってみると、そこには古い神社が必ず立っている。
そんなものだそうです。
見えない世界だから、よくわからないけれど、やはり感じる以上、そこに何かある。
その何かを大切にしていこうという気持ちは、特に信仰云々ではなく、日本人ならあたりまえに持っている感情ではないかと思います。
昔、相当、高位の霊能力者になると、ご神木にお住まいになられている神様(たいていはお爺さんの姿をしている)にお会いして、昔話などをすることもできる、などという話も聞いたことがあります。
そんなことが本当にできるのか、ほんとうにご神木には神様がお住まいになられているのかまでは、わたしにはよくわかりませんが、けれど、そういうことがあってもおかしくない、と思うだけの神聖さは、やはり感じることはできる。
ところが、そういうご神木に、あろうことか穴をうがち、除草剤を注入して枯らす。
しかもテクニカルに葉や枝だけを枯らし、幹の中心部に影響がでないようにして、枯れ木だからと買いたたく。
どういう神経をしているのだろうかと、思います。
ちなみに、ある神社の宮司から伺った話ですが、大きな神社に行きますと、本殿だけでなく、その周囲に、小さな祠がいくつか建っています。
それぞれ、天照大神とか大国主命などが祀られている。
そういう祠は、何十年かごとに、それこそご神木を使って新しく祠を建て、お祀りしている御霊を、その新しい祠にお移しになるのだそうです。
すると古い方の祠が、ものの一週間と経たないうちに、崩れてしまうのだそうです。
これは不思議なことだと、その宮司はおっしゃっていました。
それまで元気よく立派に建っていた祠が、見る影もなく崩れてしまう。
やはり、何かがある、もしくは何かがいる、としか言いようがありません。
日本人は、見えないもの、神聖なものに対する自然の畏怖心を普通に持っています。
ご神木に枯れ葉剤を注入するなどという行為は、欲にかまけ、見えないものを畏敬する心を持たない者の仕業だと思うけれど、そうであるならば、その犯人は日本人ではない。
古来、日本は鎖国と開国をくり返してきたけれど、開国すれば交易がはじまり、国が豊かになる。
にも関わらず、日本が何度も鎖国をしているのは、要するに自然に対して普通に畏敬の念を持ち、人の和を大切にしながら日本人は平和してきた。そういう日本人の中に、日本人とはまったく異なる感性の馬鹿者達という異質な集団が紛れ込んだことによります。
つまり経済的利益よりも、重大犯罪が野放しになる日本を警戒したのです。
私達現代日本人は、そのことをもう一度、思い出す必要があるのではないかと思います。
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