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帰ってきた蛍

あの感動の舞台「帰って来た蛍」が二年ぶりに上演されます。
私は2年前、この舞台を観に行き、もう、涙はでるわ洟はでるわで、とっても泣けました。
物語は、昭和20年5月の終わり頃です。
鹿児島にある陸軍知覧特攻隊基地のすぐそばに、鳥濱トメさんが営業する食堂がありました。
名を「富屋食堂」といいます。


そこは、これから特攻隊として飛び立つ若者達の、いつも集まる場所だったのです。
トメさんは、彼らの母親がわりとなって、若い特攻隊員たちの面倒をみていました。
そんななかに、新潟県北魚沼郡城川村のご出身で長岡工業学校を卒業された、宮川三郎という軍曹がいました。
色白で、とてもハンサムな方だったそうです。
宮川三郎軍曹は、一度特攻のために万世飛行場から出撃しました。
けれどこのときは、機体の故障で引き返してきました。
彼ひとりだけが生き残ったのです。
彼はそのことをとても気にしていました。
知覧に着任した宮川軍曹は、当時の率直な気持ちを、鳥濱トメさんへの手紙にしたためています。
~~~~~~~~~
先輩、同期生がつぎつぎと散華し、自分たちばかり残るというのは、心苦しいことです。
この心は、わかっていただけると思います。
だが、決して死を早まらんつもりです。
任務を完遂するまでは、断じてやります。
ご安心ください。
~~~~~~~~~
宮川軍曹が、ようやく代わりの飛行機をもらえたのが、6月5日でした。
その日彼は、一緒に隊を組む仲よしの滝本恵之助曹長と二人で、トメさんの食堂に来ています。
その日、宮川さんは「あした出撃だ」と、とってもごきげんだったそうです。
そして帰りがけに、
「おばさん、オレ、あしたも帰ってくるよ。ホタルになってさ。滝本と二匹でね。追っ払ったらだめだよ」と冗談のようにいわれました。
トメさんは、そのときは、食堂にくる途中でどこかでホタルでも見かけたのだろうと、あまり気にもとめなかったそうです。
翌6日、どんよりと曇った空の下で、朝から特攻機が次々と出撃して行きました。
そして夜になって、出撃したはずの滝本曹長が、一人でひょっこり食堂にやってきました。
「宮川はね、開聞岳の向こうに飛んで行ったよ」
彼はそう言って、涙をぽろぽろとこぼしたそうです。
空の上で、視界が悪いために、宮川機に何度も「引き返そう」と、彼は翼で合図を送ったのだそうです。
けれど宮川軍曹は、
「お前だけ帰れ」と言って、そのまま沖縄の空に向かって飛んで行かれたのです。
その日の夜9時ごろ、食堂には、トメさんの娘さん二人と滝本曹長の三人、奥の広間にトメさんと遺書を書いている隊員が七、八人いたそうです。
すると食堂の方で、娘さんが、
「あっ宮川さんよ。ホタルになって帰ってきた!」と叫んだのです。
たった一匹のホタルが、開けていた食堂の玄関から、すーっと入ってきたのです。
食堂の中は大騒ぎになりました。
滝本曹長も、驚いてかたまってしまった。
トメさんが
「みなさん、宮川さんが帰っていらっしゃいましたよ」といいました。
そしてその場にいたみんなで、「同期の桜」を歌いました。
その間、ずっとホタルは食堂の天井のはりに止まっていたそうです。
そして、すっといなくなった。
そんな実話をもとに、カートプロモーションで、これを演劇にしたのが、この「帰ってきた蛍~慟哭の詩」です。
この舞台は、2008年、2010年と上演され、今回は鳥濱トメさん役にさとう珠緒さん、その他多数の若手俳優を起用。
お稽古のはじめには、スタッフ全員で靖国神社へのお参りもされたのだそうです。
一昨年、私が観劇に伺ったときは、たいへんお若い女性の方々が多数観劇に来ておられました。
みんなハンカチを濡らしておいででした。
ああ、こうした若い方々にも、同じ日本人の血が流れているのだなあと、そのことにもとっても感動した記憶があります。
もちろん、おじさん、おばさんもたくさん、おいでです。
今回の上演は、特攻の母”鳥濱トメさんの生誕110周年・没後20周年という節目の年でもあり、新たなエピソードをくわえた再演となります。
また、上演は東京/吉祥寺の劇場で行なわれますが、そのあと、作品に登場する宮川三郎軍曹(没後特進して少尉)の母校である新潟県立長岡工業高等学校の創立110周年も記念して、新潟県長岡市でも行なわれます。
みなさまも、どうぞ観劇にいらしてみられたらいかが。
上演時間は、約2時間です。


1 タイトル 帰ってきた蛍~慟哭の詩~
2 公演期間 平成24年6月8日~7月4日
3 公演会場
  (1) 東京会場
    前進座劇場
    〒180-8570
    東京都武蔵野市吉祥寺南町3-13-2
  (2) 新潟会場
    長岡市立劇場大ホール
    新潟県長岡市幸町2-1-2
4 入場料金
  (1) 東京公演
    前売り 4,500円
    当日  4,800円(全席指定・税込)
  (2) 新潟公演
    前売り 3,000円
    当日  3,500円(全席指定・税込)
5 チケット発売日
  平成24年4月23日
6 チケット発売窓口
  (1) チケットぴあ
    0570-02-9999
    Pコード:420-110
  (2) ローソンチケット
    0570-000-777
    Lコード:32536
  (3) 当日券 開演1時間前より劇場にて販売
7 日程詳細
  【東京公演】
   6/8(金) 19:00~
   6/9(土) 14:00~/19:00~
   6/10(日) 13:00~
   6/11(月) 19:00~
   6/12(火) 19:00~
   6/13(水) 14:00~/19:00~
   6/14(木) 19:00~
   6/15(金) 19:00~
   6/16(土) 15:00~
  【新潟公演】
   7/4(水) 19:00~
8 その他詳細は、次のURLをクリックしてご覧下さい。
  http://www.theaterguide.co.jp/search_result/paid/detail.php?id=25004
~~~~~~~~~
冗談抜き、前回、観に行って、私はとっても感動しました。
左翼系の愚にもつかない演劇が幅を利かせる中、こうした戦争を真っ向から扱った演劇というのは、関係者の皆様方には、ものすごい圧力が多方面からかかります。
けれど、そういうありとあらゆる障害を跳ね返して、前回興行も、この演劇は大成功を治めています。
みなさん、感動をいただきに、ご一緒に観劇に行きましょう!
こういう演劇が、どんどん増えて行くことが、私はとても大事なことだと思います。
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