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修身書一巻二十

以下は、日心会メルマガで5月30日に配信した記事です。
原稿は、日心会Uさんからいただいたものです。
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【尋常小學修身書】


この度の大震災では、世界から、日本人は非常事態にもかかわらず規律を守る、相互に助け合う、苦難に耐えるなどの声が寄せられました。
戦後の日教組による反日教育・自虐教育にもかかわらず、わが国の歴史・伝統・文化で育まれた日本人としてのDNAが、残っていることが分かりました。
明治23年来日し、島根県松江中学に英語教師として赴任したラフカディオ・ハーンこと小泉八雲は、日記に記します。
「授業中の子供達の行儀作法は完璧というほかない。私語は全くない。」
しかし今、小学校では、子供達が教室を徘徊し、授業が成り立たない学級崩壊が話題になっています。
戦時中の昭和18年、元フランスの駐日大使で詩人のポール・クローデルは、
「世界の中で、滅んで欲しくない民族がある。それは日本人だ。なぜなら彼等は高貴だ」と述べました。
しかし昨年、自分を産み育ててくれた親の弔いもせず放置し、その年金を搾取していた事例が各地で発覚しました。石原東京都知事は嘆きます。
「多くの日本人の芯における堕落をこれほど象徴した事例を私は知らない。」
戦後の昭和23年、新しい教育基本法、学校教育法が施行されましたが、かって最も重んじられた「修身教育」がなくなりました。
GHQの指令によります。
続いて衆参両院で教育勅語の失効決議がなされ、明治維新以降、国力の源泉として重視してきた国民教育の理念は、完全に葬り去られました。
修身教育・道徳教育のない学校教育が、すでに60年以上続いているのです。
日本人の芯が崩壊したとはむべなるかなと言うべきです。
ここでどのような修身教育が行われてきたか、尋常小學修身書を振り返ってみたいと思います。
明治22年、大日本帝国憲法公布、23年、帝国議会開設、そして教育勅語が発布されました。引き続き小学校教則大綱において、修身教育が規定され、検定修身教科書が作られます。
明治37年には、国定修身教科書に引き継がれました。
その後、昭和20年まで、4回大幅な改定が行われ、時代に合わせて、ノウハウの蓄積が図られてきました。
明治37年の最初の修身教科書の編纂方針は次のようなものでした。
*~*~*~*~*~*~*
◆教育勅語の趣旨にもとづき、児童の徳性を涵養し、道徳の指導を実践し、健全なる国民として必須の道徳を授ける。
◆具体的な例話として、日本歴史上の人物だけではなく、外国人の例話も加える。
*~*~*~*~*~*~*
その内容は一言で言うと、「尊敬すべき人格とは何か」、「優れた人格とは何か」というものを具体的に示した「物語」の集大成です。
古今東西の偉人・賢人の具体的なエピソードをつづった「物語」の宝庫なのです。
子供達は、正直、努力、忍耐、勤勉、勇気などの徳目に関して、「~をせよ」とか、「~をするな」という抽象的なものではなく、具体的な人物像を通じて、血の通った形で、道徳を学びました。
そして共通の人物像を介することにより、親と子が、兄弟姉妹が、夫婦が、職場の同僚が、共通の理解を行い、国民としての共通の価値観を産んだのです。
大正7年の第3期改定では、国定教科書の画一化を避けるために、教材を広く国民から募集しています。
応募は219名から878件にも達しました。
このように国民の意見を求める手法もとられたのでした。
また、いつの時期でも常に議会の中で周到な議論を経て編纂されていました。
ここで具体的に徳目と例話の事例をいくつか見てみたいと思います。
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●素直な心を持つ(正直・誠実・良心・信義)
 ・ジョージワシントン(アメリカの初代大統領)
 ・加藤清正(戦国武将)
●自分を慎む(謙遜・質素・倹約・寛容・報恩)
 ・貝原益軒(江戸時代、医者)
 ・上杉鷹山(江戸時代、米沢藩主)
●礼儀正しく
 ・伊藤東涯(江戸時代、学者)
●自分の行いを律する(自己規律)
 ・渋沢栄一(明治時代、企業家)
●夢を持つ(志を立てる・進取の精神)
 ・野口英世(黄熱病の研究)
 ・ジェンナー(種痘法の発明)
●一生懸命に働く(勉学・仕事・勤勉・努力)
 ・二宮金次郎(幕末、農業改革者)
 ・リンカーン(奴隷解放した米国大統領)
●つらさを乗り越える(忍耐・辛抱・克己)
 ・コロンブス(アメリカ大陸発見者)
 ・前野良沢(江戸時代、医者)
●困難に立ち向かう(勇気)
 ・高田屋嘉兵衛(江戸時代、海運業者)
 ・木村重成(豊臣秀頼の家来)
●やるべき事を成し遂げる(責任・忠孝)
 ・広瀬武夫(日露戦争の軍神)
 ・佐久間勉(潜水艇の艇長)
●ルールを守る
 ・松平定信(江戸幕府の幕政改革者)
 ・ソクラテス(ギリシャの哲学者)
●家族を尊ぶ(夫婦・親子・兄弟・祖先)
 ・渡辺崋山(江戸時代、文人)
 ・吉田松陰(幕末、忠君愛国者)
●友達を大切にする(友情)
 ・新井白石(江戸時代、学者)
●思いやりの心を持つ(同情・博愛) 
 ・ナイチンゲール(白衣の天使)
 ・宮古島の人々(外国難破船の救助)
●力を合わせる(協力)
 ・毛利元就(戦国大名)
 ・筑後川の堰(江戸時代、水利工事)
●みんなのために(公益)
 ・中江藤樹(江戸時代、近江聖人)
 ・ベンジャミン・フランクリン(米国、避雷針の発明者)
日本人は規律正しいという海外からの評価がありました。規律に関する小学3年生向けの事例を示します。
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松平定信は、ばくふの重い役人でありました。
ある年、地方に見回りに出かけた時、ある関所を通りました。
その時、定信は何の気なしに、笠をかぶったまま通り抜けようとしました。
すると関所の役人が
「関所のきそくですから、笠をお取り下さい。」
と言って、ちゅういしました。
定信はそれを聞いて、
「なるほど、そうだった。」
と言って、すぐに笠をとって通りました。
その日やどに着いてから、定信は、その土地の上役の者に、
「きょう、笠をかぶったまま関所を通ろうとしたのは、まことに自分のふこころえであった。それをちゅういしてくれた役人に、あつくおれいを伝えてもらいたい。」
と言って、ていねいにあいさつしました。
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外国人の例話も多いのです。
昭和9年と言えば日米関係が良好とは言えなかった時期の第4期改定で、アメリカ合衆国の建国に大功をたてたベンジャミン・フランクリンの生涯を取りあげています。
戦前の修身が、決して戦後左翼が喧伝する軍国主義の道具ではなかったことが分かるというものです。
1960年代から70年代にかけて、アメリカでは自由放任や個性重視の教育が行われ。結果として学校は規律を失い、校内暴力、麻薬・アルコールの乱用、十代の妊娠などが蔓延しました。
「何とかしなければアメリカの将来はない。」
時のレーガン大統領は就任早々から、教育改革に取り組み、「日本に学べ」と教育視察団を日本に派遣します。
学んだもの、それは戦前の修身だったのです。
そして教育改革は成功しました。
時の教育庁長官ウィリアム・ベネットは後年、「道徳読本」を表し、ベストセラーになります。
その内容は、自己規律、思いやり、責任、友情、仕事、勉学、勇気、忍耐、正直などの徳目について、古今東西の偉人・賢人の逸話をまとめたものです。
アメリカ版「修身書」と言えます。
わが国は、子供達の道徳教育問題について、すでに解決策も方法論も持っているのです。
私達日本人は、一体何を恐れて修身・道徳教育への取り組みに逡巡しているのでしょうか。
(資料)宮坂宥洪監修「修身全資料集成」(四季社)
八木秀次監修「尋常小學修身書」(小学館文庫)
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