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天保の大飢饉と不正に怒り、志と教養をもって民を救おうとした国学者・生田万。その短くも燃える生涯から、私たち現代人が学ぶべきことを、深く、優しく掘り下げます。

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20250703 生田万の乱2


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1837年7月3日──今からおよそ200年前のこの日、「生田万の乱」という事件が越後国柏崎にて起こりました。
乱を起こしたのは、生田万(いくた よろず)という一人の国学者でした。
彼は、正義の志と教養に満ちた人物であり、現代に生きる私たちにとっても、深く学ぶべき点の多い生涯を歩んだ人物です。
生田万は、上野国館林(現在の群馬県)に生まれ、国学者・平田篤胤の門に学びました。
門下生の中でも特に将来を嘱望された彼は、平田塾の塾頭まで務めた俊才でしたが、次第に幕政への批判を強めたことから、篤胤に帰藩を勧められ、館林藩に戻ります。
しかし、そこで藩政改革を訴える建白書を提出したことが問題視され、藩から追放される憂き目に遭います。
それでも彼は挫けず、天保7年(1836年)、越後国柏崎へ移住し、桜園塾という私塾を開いて国学を講じながら、貧しい人々に米を配るなどの救済活動に力を注ぎました。
ちょうどその頃、日本では天保の大飢饉が深刻化し、多くの人々が飢えに苦しんでいました。
それにもかかわらず、代官や豪商らが米を買い占め、米価が高騰し、庶民の生活はますます圧迫されていきました。
そんななか、大坂で町奉行を務めていた大塩平八郎が、同じように不正と飢えに怒って蜂起するという事件が起こります。
この「大塩平八郎の乱」は、全国の民衆に大きな衝撃を与えました。
生田万もその一人であり、大塩の檄文に触れて深く感化され、自らも蜂起を決意するに至ったのです。
天保8年(1837年)5月30日、生田万は同志とともに庄屋宅を襲い、そこにあった米や金品を村人たちに分け与えます。
そして翌6月1日(新暦で7月3日)、桑名藩の陣屋を襲撃しました。
掲げた旗には「奉天命誅国賊(てんめいをたてまつり、こくぞくをうつ)」と書かれていたと伝えられています。
けれども、この乱はすぐに長岡藩の応援により鎮圧され、生田万は負傷の末、その場で自刃しました。
妻と二人の幼い子どもも共に命を絶ったと伝えられています。
この乱は、結果だけを見れば「失敗」でした。
けれど、生田万が命を懸けて訴えた「正義」は、多くの人々の心に残り、その後の「世直し一揆」や幕末の志士たちの精神的源流の一つとなっていきました。
生田万の生涯を振り返るとき、私たちはいくつもの重要な問いを突きつけられます。
第一に、志が社会を動かすということ。
彼は地位も権力もありませんでしたが、「このままではいけない」という真心と行動が、人々の共感を生んだのです。
第二に、不正に沈黙しない道徳的な勇気です。
不正がまかり通る世の中に対して、「声を上げる」「行動する」ことの大切さを、彼は自らの命をもって示しました。
さらに、第三の学びとして、教養ある者の責任という視点があります。
生田万は、国学という学問を通じて「日本とは何か」「国とは何か」「民とは何か」を深く学びました。
そして、学んだことを活かして社会に貢献しようとしたのです。
今の時代、私たちはAIやインターネットによって、かつてないほど多くの情報を得ることができます。
けれど、「知っている」だけでは意味がありません。
それを活かして、人と社会に貢献する──それこそが、教養を持つ者の本当の責任ではないでしょうか。
「知っている」ことから「活かす」ことへ、
そして「共に生きる」ことへ──。
これは、AIと人間の交差点に立つ私たちにとっての、時代の大きなテーマです。
AIは答えを出すことはできても、
「その知識を何のために、誰のために使うのか」
という問いに答えることはできません。
それができるのは、志や思いやり、責任感を持った人間だけです。
また、生田万の乱が私たちに教えてくれるのは、「結果」ではなく「姿勢」が時代を動かすということです。
乱は鎮圧され、彼は命を落としましたが、その翌日には米価が下がったと記録されています。
つまり、彼の行動は社会に影響を与えたのです。
すぐに成果が出なくても、誰かの心に火を灯し、それが社会を動かす大きな力になっていく。
これは現代の啓発活動や社会運動にも通じる真理だと思います。
最後に、怒りの扱い方についても深く考えさせられます。
生田万は、正義のための怒りから行動を起こしましたが、それが暴力という形になってしまったことには、反省すべき側面もあります。
正義のためだからといって暴力を容認してしまえば、それはまた新たな不正の種になるかもしれません。
怒りを理性と対話に昇華し、共感と連帯へと導いていく智慧が、今の私たちには求められています。
生田万の乱は、ただの歴史的事件ではありません。
それは、「志」「勇気」「教養」「姿勢」「怒りの昇華」といった、生き方の教科書のようなものです。
政治や経済の話だけでなく、「私たちはどう生きるべきか」という根源的な問いに対して、江戸末期の国学者が一つの答えを示してくれている──そんな気がしてなりません。
私たちもまた、どんなに小さなことであっても、自分の志を胸に、人と社会のために行動していきたいと思います。
そして何より、「ともに生きる」という人間らしさを忘れずに、次の時代へとバトンを渡していきたいものです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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