*****************
6月以降の倭塾の開催日時です。
第121回 倭塾 6/22(日)時間 13:00〜16:30 富岡八幡宮 婚儀殿2F
第122回 倭塾 7/19(土)時間 13:00〜16:30 富岡八幡宮 婚儀殿2F
第123回 倭塾 9/07(日)時間 13:00〜16:30 富岡八幡宮 婚儀殿2F
第124回 倭塾 10/11(土)時間 13:00〜16:30 富岡八幡宮 婚儀殿2F
11月以降は、再び「タワーホール船堀」会場になります。
*****************

新貨条例によって誕生した「円」と十進法の導入、
本位貨幣から不換紙幣への移行、そして日銀の会計処理に至るまで、
明治以降の通貨制度の変遷を解説します。

-{^∀^}--{^∀^}--{^∀^}--{^∀^}-
◆◆メンバー募集中◆◆
『倭塾LINE』 無料で参加できる倭塾の気楽なコミュニティ。
『倭塾サロン』 安全安心の学びの場
-{^∀^}--{^∀^}--{^∀^}--{^∀^}-

20250627
(画像はクリックすると、動画に飛ぶようにしています。)


人気ブログランキング
応援クリックこちらから。いつもありがとうございます。
ありがとう、日本!!
今日6月27日は、今からちょうど150年以上前の1871年(明治4年5月10日)、
日本において「新貨条例」が公布された記念すべき日です。
この法律によって、日本は江戸時代以来続いていた
「両」「匁」「文」による貨幣制度を抜本的に改め、
「円」「銭」「厘」という十進法に基づいた新たな通貨単位が採用されました。
この通貨改革は、単なる制度の変更ではなく、日本が欧米に倣って近代国家としての形を整えていくうえでの、大きな一歩だったといえるでしょう。
🔹 なぜ「円」だったのか──名前の由来と国際基準への対応
「円」という名称が採用された理由は、通貨の形状が「円形」であることから来ています。
この点は、もともと漢字文化圏では丸い貨幣を「圓(円)」と呼んでいたこととも一致します。
つまり、西洋諸国で丸いコインが通貨として流通していたのと同様に、
日本でも「視覚的・形状的に分かりやすい名前」が選ばれたわけです。
しかしその背後には、実はもっと大きな意図がありました。
それは、当時すでに世界では金本位制に基づく通貨制度が主流となりつつあり、
日本もそれに倣って国際的に通用する通貨制度を構築する必要に迫られていたという事実です。
🔹 三貨制度から十進法へ──近代化を求めた通貨制度
江戸時代の貨幣制度では、「金(両)」「銀(匁)」「銅(文)」の三貨が併存していました。
さらに、金貨は計数貨幣、銀貨は秤量貨幣であり、
地域によっても流通する通貨が異なるという複雑な仕組みになっていました。
東日本は金中心、西日本は銀中心という地域性があり、
加えて藩ごとに藩札も発行されていたのです。
これらを一元化し、中央集権国家としての経済基盤を整備する必要があったのが、明治政府でした。
そのため、「十進法による通貨単位の統一」は、単なる制度変更にとどまらず、
国家の根幹に関わる構造改革でもあったのです。
🔹 もともとは硬貨が主役、紙幣は補助だった
新貨条例が定められた当初、主役だったのはあくまで「金貨」や「銀貨」といった現物通貨です。
1円金貨の含有金は、アメリカの1ドル金貨と等価となるよう調整され、金の純分は23.15グレイン(約1.5グラム)とされました。
この金貨を「本位貨幣」とし、銀貨や銅貨はその補助として位置づけられました。
紙幣はこの金貨の兌換を前提とした補助的な手段に過ぎなかったのです。
🔹 逆転する通貨の主従──紙幣が主役になるまで
ところが、現実の経済は理想通りには進みませんでした。
西南戦争などにともなう財政支出の増加、銀準備の枯渇などにより、
政府は次第に「不換紙幣」(兌換性を持たない紙幣)の発行に頼るようになっていきます。
とくに明治9年(1876年)の国立銀行条例改正では、
金銀の保有を伴わない紙幣の発行が可能となり、
事実上の不換紙幣制度がスタートします。
以後、紙幣は単なる補助ではなく、主要な通貨としての地位を確立していきました。
この動きが頂点に達するのが、
1882年(明治15年)の日本銀行設立と、
1885年(明治18年)の日本銀行券発行です。
ここにおいて、紙幣はもはや補助通貨ではなく、「通貨そのもの」として完全に定着しました。
🔹 帳簿だけが残す古き制度──日銀の経理処理
興味深いのは、このように制度や実態が大きく変わったにもかかわらず、
日本銀行の経理処理だけは、金銀本位制時代の構造をそのまま引きずっていることです。
かつて紙幣の発行には、必ず金貨や銀貨という「正貨(本位貨幣)」の裏付けが必要でした。
したがって、紙幣を発行するという行為は、金貨・銀貨を「借りて」紙幣を「貸す」=貸方に紙幣、借方に金銀という帳簿構造が出来上がっていました。
しかし、現代においてはこの「借りるべき金貨・銀貨」が存在しません。ではどうするか?
実は、その「借方」に記されるのが「国債」なのです。
つまり、現代の通貨発行は、「国債を借りて紙幣を貸す」という会計構造で成り立っているわけです。
🔹  「貨幣」の本質とは何か──信用と仕組みの変遷
もともと貨幣とは、「信用」に基づくものであり、
それが「金貨」や「銀貨」といった物質によって担保されていた時代から、
「国家の信用」によって支えられる紙幣へと進化してきたといえます。
ところがその「信用」自体が、実際には政府の発行する「国債」によって担保されているという構造には、深く考えさせられるものがあります。
つまり私たちが手にするお金は、将来の税収による政府の支払い能力に依存しているのです。
🔹 おわりに──150年前の決断が、いまを映し出す
新貨条例によって「円」が誕生した1871年から、すでに150年以上が経ちました。
しかし、その時代に形づくられた通貨制度の骨格は、いまなお日本の経済の根底に流れ続けています。
私たちが日々使う「円」は、ただの単位ではありません。
それは、明治という激動の時代に、日本人がいかにして世界の中で自立しようとしたのか
──その努力と構想の結晶なのです。
今を生きる私たちもまた、「お金」という身近な存在を通じて、この国のあり方を、あらためて考え直してみてもよいのではないでしょうか。
お読みいただき、ありがとうございました。
-{^∀^}--{^∀^}--{^∀^}--{^∀^}-
◆◆メンバー募集中◆◆
『倭塾LINE』 無料で参加できる倭塾の気楽なコミュニティ。
『倭塾サロン』 安全安心の学びの場
-{^∀^}--{^∀^}--{^∀^}--{^∀^}-
◆倭塾ホームページ https://hjrc.jp/
◆倭塾サロン https://salon.hjrc.jp/
◆YOUTUBE倭塾 https://www.youtube.com/@nippon-kibou
◆YOUTUBE日心会公式チャンネル https://www.youtube.com/@user-kz8dn8xp9w

人気ブログランキング
↑ ↑
いつも応援クリックありがとうございます。
講演のご依頼、動画、記事の有償活用の際はメールでご連絡ください。
nezu3344@gmail.com
*****************
6月以降の倭塾の開催日時です。
第121回 倭塾 6/22(日)時間 13:00〜16:30 富岡八幡宮 婚儀殿2F
第122回 倭塾 7/19(土)時間 13:00〜16:30 富岡八幡宮 婚儀殿2F
第123回 倭塾 9/07(日)時間 13:00〜16:30 富岡八幡宮 婚儀殿2F
第124回 倭塾 10/11(土)時間 13:00〜16:30 富岡八幡宮 婚儀殿2F
11月以降は、再び「タワーホール船堀」会場になります。
*****************
出版書籍一覧(新しい順)
27 縄文の神様ー日本人のルーツは 古代から伝わる神話にある
26 日本をつくったのは誰か
25 ねずさんが描く女性の日本史
24 希望ある日本の再生
23 縄文文明の謎を解く
22 家康の築いた江戸社会
21 ねずさんの今こそ知っておくべき徳川家康
20 奇蹟の日本史
19 後世へ語り継ぎたい 美しく猛き昭和の軍人たち
18 日本武人史
17 縄文文明
16 子供たちに伝えたい 美しき日本人たち
15 金融経済の裏側
14 庶民の日本史
13 日本建国史
12 ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密
11 [復刻版]初等科国語 [高学年版]
10 ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀
9 ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集
8 誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国
7 ねずさんと語る古事記・参
6 ねずさんと語る古事記・弐
5 ねずさんと語る古事記
4 ねずさんの日本の心で読み解く百人一首
3 ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人! 第三巻
2 ねずさんの 昔も今も すごいぞ日本人! 第二巻
1 ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!

コメントは受け付けていません。