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第115回倭塾 2024年12月7日(土)16:30-20:30 タワーホール船堀2F蓬莱
12月の倭塾は「知っておきたい神武東征」をテーマに、日本建国の壮大な物語を紐解きます!英国のアーサー王伝説のように語り継がれる建国の歴史が、日本ではなぜ共有されていないのか?その背景を探りながら、現代日本人の精神の基盤に迫ります。歴史を知ることで、日本人としての誇りと未来への希望が見えてくるはずです。今回は【タワーホール船堀】にて【16時開始】で開催!日本のルーツを一緒に探求しましょう。ご来場をお待ちしています!
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| 明治の日本を写し出す貴重な写真と、当時を訪れた外国人エドワード・モースが語る「子供たちの天国」とは? 清らかな熊本城、明るい笑顔の子供たち、鍵のない文化──その全てが日本の美しい心を映し出しています。 現代にこそ再認識したい、日本の本当の豊かさを一緒に探しましょう。 |
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子供たちが笑顔で暮らす「子供の天国」と評される日本、その背景にある共生の心や秩序ある社会、自然を活かした生活の知恵。
明治期の写真とエドワード・モースの詳細な記述から、現代に失われつつある日本の価値観を再発見し、その意義を考えます。
さて、上の写真は明治10年ごろに撮られた写真です。
「子守りをする少女」という標題がついていますが、撮った人が誰なのかは、ちょっとわかりません。
とてもしっかりもののお嬢さんという感じがします。
次の写真は、明治半ば頃の「子供たち」という題の着色写真です。

誰もが素晴らしい笑顔でいます。
下にあるのは、明治3年の熊本城の写真です。
もちろんこの時代のものですから、舗装なんてしてありません。むき出しの地面です。
しかし、チリひとつ落ちていません。

いまから107年前、大正6(1917)年のことです。ボストンの大富豪家ビゲローが、エドワード・モースに手紙を書きました。
そこには次のように書かれていました。
「君と僕が40年前に接した
日本人という生き物は
絶滅しかかっている種族なんだ。
その大半は、
もう完全に地上から
姿を消してしまっているよ」
エドワード・モース(Edward Sylvester Morse)は、明治10(1878)年から明治15(1882)年にかけて、3度にわたって来日したアメリカの教授です。
日本の大塚貝塚の発見や、日本にダーウィンの進化論を伝えた人でもあります。他にも、江ノ島に東洋初の臨界実験所を設け、東京大学動物学教室の初代教授として多くの人材を育て、日本の民具や工藝品を収集し、住宅建築の研究もしています。

モースは、自身の体験をもとに、40年前の彼の日記や、733枚にのぼるスケッチ画から、一冊の本を著しています。
それが、「日本その日その日(JAPAN DAY BY DAY)」です。

40年前・・・つまり彼にとっての40年前である、明治10年ごろの日本の姿を、紀行文として著したのです。
この本の中で、モースは、次のように語っています。
明治10年頃の様子です。
すこし引用してみます。
「世界中で日本ほど、子供が親切に取扱われ、
そして子供のために深い注意が払われる国はない。
ニコニコしている所から判断すると、
子供達は朝から晩まで幸福であるらしい。」
「外国人の筆者が一人残らず一致することがある。
それは日本が子どもたちの天国だということである。」
「この国の子どもたちは
親切に取り扱われるばかりではなく、
他のいずれの国の子どもたちよりも
多くの自由を持ち、
その自由を乱用することはより少なく、
気持ちのよい経験の、
より多くの変化を持っている。」
「世界中で両親を敬愛し、
老年者を尊敬すること、
日本の子どもに如くものはない。
汝の父と母とを敬愛せよ
・・・これは日本人に深くしみ込んだ特性である。」
「日本人のきれい好きなことは、
常に外国人が口にしている。
日本人は、家に入るのに、
足袋以外は履いていない。
木製の履物なり、わらの草履なりを、
文字通り踏み外してから入る。
最下級の子どもたちは家の前で遊ぶが、
それにしても地面でじかに遊ぶことはせず、
大人がむしろを敷いてやる。」
「日本その日その日」は、彼を乗せた汽船が横浜の港に着いたところからはじまります。
汽船から小舟に乗り移り、上陸するまでの僅かな間に、伝馬船の櫓の形をスケッチし、船頭たちの掛け声をメモし、みんなと近くのホテルで一夜を過ごし、その翌朝には、ホテル近くを散策し、はじめて見る下駄や草履、工事現場の様子、商店や店員たち、人力車や車夫のいでたちや走り方等々、目にするものすべてのものを観察し、これらの特徴を的確に描写しています。
東京では、相撲や歌舞伎を見たり、落語や浪曲を聴き、茶の湯に接しました。
火事を知らせる半鐘を聞いて、時刻をかまわず飛び出し、消火活動のようすを初めから終わりまで詳しく記して、スケッチしたりもしています。
旅行中は、各地の民家の屋根の形や建て方の違いを観察し、農作業の方法や農機具までも事細かに描いています。
そして彼は、日本人が日常使っている品々の素朴な美しさ、住まいの内外に見られる洗練されたセンス、自然をたくみに取り入れた日本人の生活の知恵や人々のこまやかな人情などに魅せられていきます。
明治初期にあって、大正期には消失しようとしていた美しいもの。
心の優しさ、高い道徳性、自然を生かす知恵、子供たちの笑顔、義理人情、思いやり、みんながこの国という共同体の一員だった時代の日本・・・
こうしたものは、江戸期に完成していたものということができるかもしれません。
モースが明治19年に書いた本「日本の住まいとその周辺(Japanese Homes and their Surroundings)」には、次の記述があります。
「レインをはじめ文筆家たちは
『日本の住居にはプライバシーが欠けている』
と述べている。
しかし彼らは、
プライバシーは野蛮で不作法な人々の
間でのみ必要なことを忘れている。
日本人はこういった野蛮な人々の
非常に少ない国民である。
これに対し、
いわゆる文明化された民族、
とりわけイギリス人やアメリカ人の社会の大半は、
このような野蛮な人々の集まりなのである。」
考えてみると、国宝を保存した正倉院には、鍵がありません。あるのは、紙でできたお札です。
それで、泥棒がなかったのが日本です。
いっぱんの民家でも、一昔前には、家に鍵などなかったし、玄関の戸は開け放たれたままだったことは、一定の年代以上の方なら、みなさん記憶していることです。
そしてその頃は、醤油が足りなくなると、ちょいと隣りのおばちゃん家に行ってもらってきたりしていました。
向こう三軒両隣が、共同体でした。
だから各家庭で余分な備蓄は持たず、それぞれが互いに扶けあって暮らしているのが普通でした。
実は今日、近所にある神社の宮司とお話する機会があったのです。
宮司は、こんなことをおっしゃってました。
「日本という国は、
陛下のもとに
みんなが共同体として
生活していたのです。」
日本は、もういちど、日本の心を取り戻すための勉強を、しなおさないといけないのかもしれませんね。
冒頭にあるような、子供たちの明るい笑顔のある日本になるために。
※この記事は2009年12月の記事の再掲です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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