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第115回倭塾 2024年12月7日(土)16:30-20:30 タワーホール船堀2F蓬莱
12月の倭塾は「知っておきたい神武東征」をテーマに、日本建国の壮大な物語を紐解きます!英国のアーサー王伝説のように語り継がれる建国の歴史が、日本ではなぜ共有されていないのか?その背景を探りながら、現代日本人の精神の基盤に迫ります。歴史を知ることで、日本人としての誇りと未来への希望が見えてくるはずです。今回は【タワーホール船堀】にて【16時開始】で開催!日本のルーツを一緒に探求しましょう。ご来場をお待ちしています!
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明暦の大火の発端となった「振袖火事」の物語には、日本人の歴史観や価値観が深く刻まれています。若き娘たちの悲劇から生まれた因縁話は、単なる怪談ではなく、私たちが過去と未来をつなぎ、歴史を共有する重要性を示しています。大火後、徳川幕府が民生を優先し江戸城天守閣の再建を断念した姿勢は、日本独自の政治哲学の象徴でもあります。この物語を通じて、今こそ日本人の誇りと伝統文化の意義を再考してみませんか?

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20211115 明暦の大火
画像出所=https://hanaha09.exblog.jp/26691893/
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因縁話「振袖火事」は、江戸時代に起きた明暦の大火の背景として、若い娘さんたちを不幸にした振袖にまつわる因縁が火災を引き起こし、江戸の町を焼き尽くしたとされる物語です。
この物語は、日本人が歴史を共有し、過去・現在・未来をつなぐ大切さを象徴しています。
また明暦の大火で消失した江戸城天守閣を、徳川幕府が再建を断念し、民衆の復興を優先した事実は、日本の政治文化の独自性を表します。
日本人が受け継ぐべき価値観と誇りの根幹がここにあります。
振袖火事の物語
「因縁話」とは、前世からの因縁や運命をテーマにした物語です。
かつては人々に親しまれていましたが、今ではその多くが忘れ去られつつあります。
しかし、因縁話は単なる怪談話ではなく、日本人が過去と現在、未来を結びつける重要な手段でもありました。
今回ご紹介するのは、その中でも有名な「振袖火事」にまつわる物語です。
江戸の麻布に、質屋の娘さんで梅乃(うめの)さんというたいそう美しい娘さんがいました。
梅乃さんが、ある日、本妙寺の墓参りに行って、用事を済ませて、さて帰ろうとしたとき、たまたま出会ったお寺のお小姓(こしょう)さんに一目惚れします。
女性から告白なんて、考えられなかった時代のことです。
しかも相手はお坊さん。
梅乃さんは、そのお小姓が着ていた服と同じ模様の振袖を作らせ、これを愛用しました。
ところが梅乃さんは、ふとしたことで、わずか17歳で亡くなってしまうのです。
ご両親の悲しみはいかばかりだったことでしょう。
梅乃さんの棺に、ご両親はその振袖を着せてあげました。
その頃、こうして棺に掛けられた服や、仏が身につけているカンザシなどは、棺が持ち込まれたお寺の湯灌場で働く者たちが、もらっていいことになっていました。
この振袖もそういう男たちの手に渡りました。
振袖は売却され、回り回って紀乃(きの)さんという、これまた17歳の娘さんの手に渡りました。
ところがなんとこの紀乃さんも、あくる年の同じ日に亡くなってしまったのです。
振袖は、再び墓守たちの手を経て、今度は、幾乃(いくの)さんという娘さんのもとに渡りました。
その幾乃さんも、翌年、17歳で同じ日に亡くなってしまいます。
三度、棺にかけられて寺に持ち込まれた振袖を見て、寺の湯灌場の男たちは、びっくりしてお寺の住職に相談しました。
住職は、亡くなった娘さんたちの親御さんを呼び出しました。
みんなで相談の結果、この振袖にはなにかあるかも知れないということで、お寺でご供養をすることになりました。
それが明暦3(1657)年1月18日午前10時頃のことです。
住職は、読経しながら火中に振袖を投じました。
そのとき、突然、強い風が吹きました。
火がついたままの振袖が、空に舞い上がりました。
まるで何者かが振袖を着ているかのようでした。
舞い上がった振袖は、寺の本堂に飛び込みました。
そして本堂の内部のあちこちに火をつけたのです。
おりしも江戸の町は、80日も雨が降っていませんでした。
本堂に燃え移った火は、消し止めるまもなく次々と延焼しました。
火は、まる三日間燃え続け、湯島から神田明神、駿河台の武家屋敷、八丁堀から霊岸寺、鉄砲州から石川島と燃え広がり、日本橋・伝馬町まで焼き尽くし、さらに翌日には北の丸の大名屋敷を焼き、ついには江戸城の天守閣まで焼失しました。
これが明暦3年(1657)に起きた「明暦の大火」です。
火事で亡くなった人は10万人以上にのぼったといわれています。
火災としては、東京大空襲、関東大震災などの戦禍・震災を除けば、日本史上最大の大火災でした。
ロンドン大火、ローマ大火と並ぶ世界三大大火の一つに数える人もいます。
また、この大火災で焼失した江戸城天守閣は、今日になっても、まだ再建されていません。
明暦の大火の因縁話
さて、この話には後日談があります。
事件の発端になったお寺の小姓は、天正18(1590)年、徳川に攻め落とされた土岐氏の子孫だというのです。
そして実は、滅ぼされた土岐氏の恨みを、振袖に託して復讐を遂げたのだというのです。
燃え上がる梅乃の慕情と、土岐氏の恨みが重なり、慕情と恨みが紅蓮の炎となって江戸の町を焼いたという話で、江戸中の噂話になりました。
この手の因縁話は、ひとむかし前までは、ほんとうにごく普通に、一般的に、テレビドラマや映画などでも、よく語られたり演じられたりしたものです。
たとえば横溝正史の「八つ墓村」は、映画が3本、テレビドラマが6本、漫画が5作品、舞台が1作品ありますが、そのなかの映画ひとつとっても、昭和26年の松田定次監督で片岡千恵蔵が金田一耕助を演じた映画、昭和51年に野村芳太郎監督が渥美清、萩原健一で撮った映画まで、全部が田治見家の因縁話が、話の主題になっていました。
ところが平成18年に豊川悦司さんが主演した「八つ墓村」は、監督が市川崑でありながら、因縁話がなりをひそめて、事件の残酷性や事件当時者たちの愛憎が主題の映画へと変化しました。
ひとつの大きな事件に際して、因縁がほんとうにその事件のきっかけだったかどうかは別として、かつての日本に、そうした因縁が多くの人々の共感や納得を得る心があったということは、人々の間に「共有する歴史があった」ということを意味します。
逆にいえば、因縁話が理解できない社会は、「歴史が共有されていない社会」です。
このことは、因縁話は非科学的だとか、因縁を信じる信じないは個人の勝手とか、そういう議論ではなくて、我々が自分たちの存在を、歴史の中に感じ取ることができるかどうかです。
因縁話を受け入れられなくなっているということは、日本人が歴史を失ってしまっている、あるいは物事に歴史を考えない、もっといえば、起きた現象にだけ注目し、それがなぜ起きたかを考えなくなっていることを意味します。
このことはもしかすると、明暦の大火よりもおそろしい出来事、かもしれません。
徳川幕府の決断:民生を優先する姿勢
明暦の大火に関連して、もうひとつたいせつなことを書いておきます。
この大火の延焼で、江戸城にあった五層建てのたいそう立派な天守閣が、燃えてなくなりました。
ところが徳川幕府は、明暦の大火で家屋を失った民衆のために、惜しみなく資金を提供し、町の復興のために予算を用いました。
そしてそのために、わが国最大にして最高の江戸城天守閣の再建をあきらめたのです。
天守閣を再建して虚勢をはることよりも、焼け出された人々への民生が第一。
これが西洋やChinaの歴史にない、我が国の政治権力の姿です。
徳川幕府が天守閣を後回しにし、さらには以後200年以上も天守閣を再建しなかった理由に、当時の武士たちの立ち位置が現れています。
武士はもともと新田の開墾百姓たちです。
そして武士は、平安の昔も、鎌倉時代も、戦国の昔も江戸時代も、領主として、天皇のたからを預かったのであって、領土領民はあくまで「天子様の大御宝」と認識されたのです。
西洋やChinaでは、領主は領土と領民を支配します。
けれど日本では、領主はあくまで、天皇のたからである領土領民に知らす統治を行なう「知行」をしていたのであって、領土領民を支配したのではありません。
いまの会社内で、部長や課長が部下を「支配」しているのではなく、部下はどこまでも「会社」の社員であり、「役席者が私的に支配しているのではないことと同じです。
そしてそういうことがなぜ実現できたかといえば、歴史的を大切にしてきたからなのです。
因縁話は、そうした歴史的背景と日本の常識の中から生まれた物語であるといえるのです。
明暦の大火のあと、幕府は民間への援助を優先し江戸城天守閣の再建をしなかった。
こういうことこそが、我が国施政の誇りといえるのではないでしょうか。
因縁話が示すもの
因縁話は、単なる怪奇談ではありません。それは人々が歴史を共有し、自分たちの存在を過去と未来に結びつけるための物語です。縄文・弥生時代の集落には、村の中心に祖先の墓が置かれ、生者と死者が共存していました。これは、歴史と一体となって生きる日本人の姿そのものです。
集落の形が示すように、昔といまが共存しているということは、いまと未来も共存していることを意味します。
人々が、地理的な水平方向だけに行きているのではなく、「未来現在過去」という「時間の縦軸」を大切にしていた、もしくはそうした時間軸の中に生きていたことを表しているのです。
一生懸命学んで大人になって、
大人になったら、一生懸命働いて、
子や、孫の未来を築く。
それが日本人の、1万7000年続いた縄文時代以来の、DNAに蓄積された日本人の原型です。
ここに因縁話が生まれる背景があります。
因縁話というのは、時間軸に基づく原因と経過の物語だからです。
ということは、「因縁話が理解されない社会」というのは、その民族が「民族としての歴史を失っている」、もしくは「失わせたい力が働いている」ことを意味します。
収奪の歴史と植民地時代
西洋やChinaでは、領主は領土と領民を支配します。
けれど日本では、領主はあくまで、天皇のたからである領土領民に知らす統治を行なう「知行」をしていたのであって、領土領民を支配したのではありません。
いまの会社内で、部長や課長が部下を「支配」しているのではなく、部下はどこまでも「会社」の社員であり、「役席者が私的に支配しているのではないことと同じです。
そしてそういうことがなぜ実現できたかといえば、歴史的を大切にしてきたからなのです。
因縁話は、そうした歴史的背景と日本の常識の中から生まれた物語であるといえるのです。
明暦の大火のあと、幕府は民間への援助を優先し江戸城天守閣の再建をしなかった。
こういうことこそ「日本の誇り」であり、「日本人の誇り」なのです。
昨今、江戸城天守閣を再建しようという動きがあります。
観光客を呼べるから、外国人観光客が喜ぶから、建設業者が儲かって、賛同する業者の票が入るから、といったことが、その理由なのだそうです。
儲かれば何をやっても良い、あるいは儲けるためなら何でもあり、といった目先の利益を優先する発想は、人々の心を狭くし、カネのある者がない者を支配するという社会構造を招きます。
世界は大航海時代以来、およそ600年それでやってきて、極端な貧富の差を生んできました。
西欧社会は、庶民までがリッチであるかのように思う人が多いですが、それは違います。
西洋社会は、大航海時代まで、異民族王朝が地元民族を支配し、極端な貧富の差を持つ収奪社会でした。
その体制が、大航海時代以降、世界の有色人種国を支配下に収めることで、西洋にあった支配と収奪の支配構造を、世界中の有色人種国を支配するという構造に拡大したのが、500年続いた、いわゆる植民地時代です。
これにより世界の有色人種国は、ことごとく歴史と文化を失い、いまや世界に残された唯一の植民地支配されていない有色人種国は、最早、日本だけ、という状況に至ったときに起きたのが先の大戦です。
この大戦の結果、世界中の有色人種国が独立を果たし、いまや自国の文化や伝統を必死になって取り戻そうとしています。
日本の誇りを未来へ
ところがそのきっかけを作った日本は、戦後は事実上の植民地となり、いまや世界に残る植民地は、ロシアが支配するシベリアと、米国が支配する日本だけという情況になっています。
そして日本は、西欧社会が行ってきた支配や収奪が行われる欲得社会をありがたがるという国となり、少し前までは日本は「エコノミック・アニマル」と世界中から誹(そし)られる国となりました。
けれど、国の形がいかに変わっても、日本の民衆の間には、古くからの伝統と文化がしっかりと根づいています。
そしてその根付いている日本の庶民文化にこそ、いまや世界中の関心が集まっているのです。
そしてその関心の先にある日本文化こそが、対立ではなく結びを貴重とする、新たな世界を、いま啓(ひら)こうとしています。
因縁話というだけで、カビ臭い、古臭い、ダサいものと決めつけるのではなく、なぜ、そのような因縁話が大切にされてきたのか。
そういうことをしっかりと考えることで、日本は、江戸城天守閣再建などといった目先の欲得ではない、先達が築き目指した素晴らしい日本を再建できるのだと思います。
※この記事は2013年6月のねずブロ記事をリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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