決める時はみんなで決める。
やるときはみんなでやる。
明るく楽しく、「よろこびあふれる楽しい国」をみんなで協力しあって築いていく。
それは単にいま生きている自分たちだけのためのものではなくて、祖先から受け継いできたたいせつな命が、自分たちが努力することで、後世にもっと楽しく、もっと豊かで、もっと明るい未来を築いていこうとしてきた私たちの祖先の行動であり活動です。
そうした祖先の活躍のもとに、いまの私たちの命があります。
その命を、「ただ仲良くしていさえすればすればよい」と、間違ったものをただ鵜呑みにさせられているのでは、たまったものではありません。

20201018 十七条憲法


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小名木善行です。
「和を以て貴しとなせ」とは、聖徳太子の十七条憲法の第一条のはじめにある有名な言葉です。
十七条憲法は西暦604年に制定されていますから、1400年以上にわたって、我が国の国柄を築いてきた憲法です。
ところがその意味たるや、現代ではほとんどの人が、「和を以て貴しとなせ」だから、とにもかくにも争わずに、ただ仲良くすることが大事と書かれた憲法であると思い込まされています。
けれどそれは誤解です。
以前にもお話しましたが、聖徳太子の十七条憲法は、ただ「仲良くしなさい」と書かれているのではありません。
あくまで議論を大切にし、その議論を行う術(すべ)を十七条にわたって記しているのです。
読んだら分かります。
十七条憲法 第17条
「17にいはく。
 それ事(こと)は独(ひと)りで断(さだ)むべからず。
 必ず衆(もろもろ)とともによろしく論(あげつら)ふべし。
 少事はこれ軽(かろ)し。必ずしも衆とすべからず。
 ただ大事を(あげつら)ふに逮(およ)びては、
 もし失(あやまち)あらむことを疑へ。
 故(ゆへ)に、衆(もろもろ)とともに相弁(あいわきま)ふるときは、
 辞(ことば)すなわち理(ことはり)を得ん」
(物事は独断で決めてはいけません。
 必ずみんなとよく討論して決めなさい。
 小さな事、自分の権限の範囲内のことなら、
 ひとりで決めても構いませんが、
 大事なこと、つまりより多くの人々に
 影響を及ぼすことを決めるときには、
 必ずどこかに間違いがあると疑い、
 かならずみんなとよく議論しなさい。
 その議論の言葉から、
 きっと正しい理が生まれます。)
この17条では、論(あげつらふ)という語が二度用いられています。
「あげつらふ(論)」というのは、顔(つら)を《あげ》て議論することを意味する大和言葉です。
そしてこの17条が、ぐるっとまわって第一条につながります。
「1にいはく。
 和を以(も)って貴(たつと)しとなし、
 忤(さから)うこと無きを宗(むね)とせよ。
 人みな党(たむら)あり、
 また達(さと)れるもの少なし。
 ここをもって、
 君父(きみやちち)に順(したが)わず、
 また隣里(となりのさと)に違(たが)ふ。
 しかれども上(かみ)和(やわら)ぎ
 下(しも)睦(むつ)びて
 事を論(あげつら)うに諧(かな)うとき、
 すなわち事理(ことはり)おのずから通ず。
 何事か成らざらん。」
事柄をちゃんと議論して意見をまとめれば、事理(ことはり)が自然と通じて、何事も可能になるのだと書いているわけです。


つまり十七条憲法は、議論に始まり(第一条)、議論に終わっている(第17条)いるのです。
ただやみくもに、仲良くしなさい(和をもって貴しと為す)といっているのではないのです。
そしてこの十七条憲法の精神は、五箇条の御誓文にもなっています。
「一 廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スベシ」
すべての事柄は、おおやけの議論で決めましょう、というわけです。
これが日本の精神です。
ですから、上に述べた神功皇后のご事績に学ぶときも、そこから設問をもうけてみんなで議論する。
そうすることで子らは、議論の大切さやおもしろさ、そして古典に学ぶことを教わったのです。
このように、戦後教育で教えられてきたことをただ鵜呑みにしていると、実はとんでもない誤解を植え込まれていた部分があるということに気付かされます。
そしてその植え込まれた思考は、本来あるべき日本人の姿からは、実は程遠い、きわめて軟弱でひ弱な日本人像になっています。
実は日本人は、巷間思われているよりもずっとアクティブですし、ポジティブな人たちなのです。
決める時はみんなで決める。
やるときはみんなでやる。
明るく楽しく、「よろこびあふれる楽しい国」をみんなで協力しあって築いていく。
それは単にいま生きている自分たちだけのためのものではなくて、祖先から受け継いできたたいせつな命が、自分たちが努力することで、後世にもっと楽しく、もっと豊かで、もっと明るい未来を築いていこうとしてきた私たちの祖先の行動であり活動です。
そうした祖先の活躍のもとに、いまの私たちの命があります。
その命を、「ただ仲良くしていさえすればすればよい」と、間違ったものをただ鵜呑みにさせられているのでは、たまったものではありません。
そんなことでは、後世に歪んだ未来を伝えてしまうことになってしまいます。
何が正しいということを言いたいのではありません。
もっと明るく、もっと楽しく、もっと素晴らしい現在と未来を築くには、何が必要なのかを、もういちど原点に帰って考えてみようということを申し上げています。
そこが一番大事なところです。
お読みいただき、ありがとうございました。
歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行でした。

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