何もかも失ってしまっても、それでも実現したいもの。
けっしてあきらめることができないもの。
どうしても心惹かれるもの。
それが「ドリーム(希望)」です。

20200506 パンドラの箱
画像出所=https://www.motivation-up.com/know/pandora.html
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有名な「パンドラの箱」。
この箱は、ギリシャ神話に登場します。
ゼウスが初の人間の女性であるパンドラを造り、そのパンドラに「絶対に開けてはならない」と言って、パンドラの箱を手渡し、パンドラを男ばかりだった地上に下ろします。
パンドラは地上においてエピメテウスと結婚して幸せな日々を送るのですが、ある日、ゼウスからもらったその箱がどうしても気になって仕方がない。
そこで禁を破って、その箱を開けてしまうのです。
すると箱から、いっきに混乱、戦乱、嘘、憎しみ、病気、破滅などが飛び出し、高笑いをしながら、空に広がっていきます。
人類社会の、それらの災いは、すべてこのときから生まれた・・・というのがギリシャ神話の物語です。
そして、パンドラの箱に、最後に底に残っていたのが「希望」の笑顔だったとされています。
つまり、あらゆる混乱や、病気や破滅があっても、最後に残る「希望」によって、世界は変わるのです。
その「希望」のことを、「ドリーム(Dream)」と言います。

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20191006 ねずラジ
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ドリームは日本語の「夢」とは異なります。
何もかも失っても、最後に残るもの、それが「ドリーム」であり「希望」です。
ですから、アメリカン・ドリームといえば、アメリカ人の希望です。
それはアメリカ人にとって最後まで失くしてはならないものです。
個人なら、人生において実現したい、人生の希望です。
日本では、ドリームが「夢」と訳されますが、日本語の「ゆめ」は、はかなく消えるものという語彙(ごい)を持ちます。
大和言葉でいえば、「ゆめ」は「湯芽」で、湧き上がる萌芽ですが、それはあくまで蒸気のようなもので霧散してしまうもののことをいいます。
ですから学校などで、子らに「君の夢はなんだい?」と問うのは、間違いです。
夢はあくまで「消えてなくなるもの」ですから、最初から「人生で失うもの」を聞いているようなものです。
「ドリーム」の使い方が違うのです。
聞くなら「君の将来の夢」ではなく、「君にとって、君が何もかも失っても果たしていきたいものってなんだい?」と聞くべきです。
「何もかも失っても果たしていきたいもの」は、その人にとっての究極のアイデンティティです。
あるいは、アイデンティティによって構築されるものです。
個人のみならず、国や会社や組織においても同じです。
何もかも失ってしまっても、それでも実現したいもの。
けっしてあきらめることができないもの。
どうしても心惹かれるもの。
それが「ドリーム(希望)」です。
我が国は、天皇を国家最高権威とし、民衆を「おほみたから」とするという形によって成り立っている国です。
権力は、天皇の「たから」である民衆が、常に安全に安心して豊かに暮らしていけるように、最大限の配慮をすることが仕事です。
これを「知らす」といいます。
ですから、いかなる国難が襲ったとしても、日本に天皇がある限り、日本は不滅なのです。
つまり天皇は、我が国の臣民にとっての究極の「希望」です。
そしてそこから、では民衆が安全に安心して豊かに暮らせるようにするためには、どのようにしたら良いかという、様々な創意工夫が生まれます。
そして民衆の間においても、自分が世間の人々に安全に安心して誰もが豊かに暮らせるようにするために、自分なりに貢献できることを大事に思う文化が育まれています。
これが我が国臣民の「希望」です。
その根幹にあるのが神話(我が国ではもともとは神語(かむかたり)と言った)です。
そして歴代天皇のご事績です。
これをを公式に、教科書として1200年以上にわたって語り継がれてきたものが『日本書紀』です。
ですから『日本書紀』には、日本人のアイデンティティのすべてがあるし、「希望」があります。
日本人にとっての「ジャパン・ドリーム」、すなわち何もかも失ったとしても、決してあきらめない最後に残る希望とは、天皇であり、みんなが安全に安心して豊かに暮らせるために自分なりにできること、貢献することのことです。
コロナ問題で、何もかもが停滞しているこんにちにおいて、いま私たちがなすべきことは、いまいちど、自分のいるポジションや仕事を見直して、自分なりに「みんな」に豊かさを与え、安心を与え、安全を与えうるものが何かを考え行動することです。
なぜなら大和言葉の「みんな=みな」とは、重要な(な)真の実態(み)のことをいうからです(「ん」は強調です)。
つまり「たいせつなこと、たいせつな人のために自分なりに、あるいは組織や会社といった団体として貢献すること。
それが日本人にとっての、パンドラの箱の最後の「希望」です。
こうしている間にも、一日一日は光陰矢の如く過ぎていきます。
その毎日を無駄にしないためにも、いま、あらためて自分にとって、あるいは会社にとっての真の果実を、見極め、行動していくことが大切といえるのではないでしょうか。
お読みいただき、ありがとうございました。

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