新型コロナウイルスの問題がクローズアップされていますが、なにがあっても、どんな苦労があったとしても、正しい道を信じて生きる。それが魂を持つ日本人の生き方なのだと思います。


20200221 孟子
画像出所=https://www.bizclip.jp/articles/bcl00006-005.html
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古事記では神武東征は神倭伊波礼毘古命(かむやまといはれひこのみこと)と呼ばれた神武天皇と、兄の五瀬命(いつせのみこと)のお二人で行われたことになっています。
ところが日本書紀では他に二人の兄がいたと書かれています。
つまり神武天皇は、男4人兄弟の末っ子で、神武東征は4人の兄弟で出発したと書かれているわけです。
長男が五瀬命(いつせのみこと)です。
日本書紀の五瀬命の死については、古事記とほぼ同じ記述です。
ナガスネヒコに襲われて、そのときの矢傷がもとでお亡くなりになります。
他の二人の兄はどうなったかというと、神武天皇がナガスネヒコとの戦いを避け、船で熊野の方に向かったところ、熊野灘(くまのなだ)で大しけにあい、そのときに海の神を鎮(しず)めるために、二人の兄は入水自殺されています。
兄弟4人で仲良く九州の宮崎を出発したのに、ここで神武天皇は兄3人を失ってしまうのです。
不幸はそれだけではありません。
シケに襲われて船が揉まれ、積んであった食料が全部海に流されてしまう。
さらに神武天皇も、船の乗組員たちも全員、病(やまい)に倒れてしまうのです。
兄弟を失い、食料も失い、さらに病気に襲われる。
つまり神武天皇は、何もかも失った挙げ句、追い打ちをかけるように、飢えと病に襲われるのです。

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ここまで追い詰められたとき、天の神は神武天皇に高倉下(たかくらじ)を遣(つか)わします。
高倉下というのは、高倉が穀倉のこと、その下にある人という意味ですから、要するに米蔵の管理人です。
つまりお米を持っている。
その高倉下は、神武天皇の一行に食べ物を与え、病を看護します。
さらに天の神は、その高倉下を通じて、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を神武天皇に授けました。
剣を授けるということは、神々の御意思は「悪には断じて戦え」ということにあることを示します。
また八咫烏(やたがらす)を派遣し、その後に付いていくようにと指示します。
そしてその後の神武天皇は、連戦連勝、悪を次々に滅ぼして、ついに日本を統一して国を開くのです。
このことは、私たちにひとつの大きな示唆(しさ)を与えてくれています。
何かというと、「天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ずその心志を苦しめ、その筋骨を労せしめ、その体膚を餓えしめ、その身を空乏にし、おこなうこと、そのなさんとする所に払乱せしむ。心を動かし、性を忍ばせ、その能くせざる所を曾益せしむる所以なり」という孟子(もうし)の言葉と同じです。
志(こころざし)に歪(ゆが)みがあれば何もかも失われていくだけです。
けれど正しい心でいるのなら、それは天の試練です。
必ず不幸と同時に、新たな可能性を与えてくれています。
つまり、最悪と最善は、実は同時にやってくる。
なにがあっても、どんな苦労があったとしても、正しい道を信じて生きていれば、必ず道はひらける。
「道(みち)極(きわ)まって尽(つ)きず」
苦難が大きいほど、そこに大きなチャンスがあります。
それが魂を持つ日本人の生き方だということを、日本書紀の神武天皇記は教えてくれています。
人は魂の乗り物だというのが、日本古来の考え方です。
魂のことを別名で霊(ひ)と言いますが、その霊(ひ)から身が生まれます。
だから「霊(ひ)生(ふ)身(み)」と言います。
その「ひふみ」は、数詞になっています。
霊(ひ)生(ふ)身(み)世(よ)齋(いつ)無(む)と進みます。
霊(ひ)から身(み)が生まれ、世(よ)を齋(いつ)《清浄な心》で、心を無(む)にして生きなさい、という、これは教えです。
この対極にあるのが「歪(ゆが)み」です。
心が歪むと、真っ直ぐなものが斜めに見えます。
「体斜めなら、影斜めなり」
とも言われます。
では歪みとは何かといえば「他人の名誉を奪うこと」です。
このことは自己の魂を磨(みが)くことの対局にあることです。
次々と災害が襲ってきている昨今の日本において、ウイルス対策、地震対策、昨年実害をもたらした台風は、今年はさらに大きな台風となって必ず日本を襲います。
ゲリラ豪雨のこともある。
必ず災害がやってくるのですから、いまは桜のお花見がどうしたこうしたなどと、言っている暇はありません。
コロナウイルスの問題も、単に厚生労働大臣の責任を追求すれば、ウイルスがいなくなるわけでもありません。
国政の場で行われていることは、単に安倍内閣の名誉を奪うことだけに費やされ、国政としてもっとも大切な
《民衆が豊かに安全に安心して暮らせる日本を護る》
という視点が、まったく欠落しています。
つまり魂《霊(ひ)》が入っていない。
これでは、日本が良くなるはずもありません。
最悪のときが最善になることもありません。
個人においても同じです。
正しい心で生きるということは、ではどういうことかといえば、その答えはありません。
それは人それぞれに自分で見つけていくことです。
いま自分が正しいと信じていることさえも、もしかしたら間違っているのかもしれない。
何が正しいのかは、神のみぞ知るです。
だからこそ、正しく生きようとする姿勢が大事なのではないかと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。

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