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《最新動画》大人のための修身入門 第13回「信義とは何か?」
←いつも応援クリックをありがとうございます。禊は、はじめての体験でした。
言葉に尽くせない大きな何かを得ることができました。
それは理屈や頭で感じるものではなくて、たぶん魂で感じる何かなのだろうと思います。

(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)
神谷宗幣さん主催の「神話を体感する会」で、伊勢神宮の「修養団」での寒中水行(禊(みそぎ))を体感してまいりました。
「禊(みそぎ)」は、罪や穢れを落とし自らを清らかにするための水浴です。
冬で雪の降る水温0度以下でも行われます。
昔は子供から大人になる際の通過儀礼とされ、禊を済ませてはじめて一人前の大人の仲間入りとされたのだそうです。
その意味では還暦を2年も過ぎて、ようやく大人の仲間入りを果たしてきた(笑)次第です。
もともと何事も論理的に解釈できなければ納得できない性質ですので、禊の意味がよくわからずにいたのですが、今回、機会をいただきましたので、体験してきました。
そこで感じたことは、言葉では尽くせない、「やってみなければわからないことがある」ということを、あらためて再認識させられた次第です。
伊勢での禊は、滝に打たれるというものではなくて、伊勢神宮を流れる五十鈴川で沐浴をするというものです。
説明のあとに、男性は越中ふんどしを配られ、平服でみんな揃って五十鈴川の河原まで行きます。
次いで河原で服を脱ぎ、ふんどし一枚になります。
そこで「エイ!サア!」と掛け声をかけながら体操をします。
その後、いよいよ全員そろって川に入水します。
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足を入れた瞬間、あたりまえのことですが、12月の川です。
やはり水が冷たい。
そのままどしどしと川の中に進みます。
腰まで川に浸かったあと、両手を合わせて全員で和歌を三回朗唱します。
五十鈴川 いすずがわ
清き流れの きよきながれの
末汲みて すえくみて
心を洗へ こころをあらえ
秋津島人 あきつしまびと
この歌は明治天皇の御製なのだそうですが、水に入っている間、頭の中は真っ白で、ちゃんと覚えたはずのこの歌が全然、わからない。
でも、わからないからと、黙っているわけにもいかないので、みなさんと声を合わせてひとりで
「ワーワー」と節を付けて怒鳴っていたら、すっかり声がかすれてしまいました(笑)。
そのあと両手を天に突き出し、そのまま両手を顔の前まで下ろすと同時に、ザブンと肩まで川に浸かります。
そのまま黙想。
川の水が体をかすめて流れていることが感じられるのですが、同時にその感じているはずの自分の体が、何か遠くに有るような、不思議な感覚を覚えました。
列の真ん中あたりにいたのですが、前後左右に人がいることが感じられません。
不思議なことに、たぶん水の浮力があるからでしょう。体重が感じられない。
そこに自分がいることは認識できるのですが、まるで何もない静けさの虚空の真ん中に、自分ひとり浮かんでいるような、まさかとは思うのですが、そのとき魂が神界のどこかにぽっかり浮かんでいたような、そんな感じでした。
とにかく音も周囲の息遣いも何も聞こえないです。
これは不思議な体験でした。
「あれは何だったのだろう」と、終わってからもずっと考えていました。
そしてハッと気が付きました。
「あれは自分の魂が神様の胎内に行ったのだ」と。
古事記は「この世は神々の胎内にある」と書いています(隠身)。
あの瞬間、魂が肉体を抜け出して、その胎内に行っていたのかもしれない。
そう感じました。
人が聞いたら笑うかもしれませんが、これはやった者でないとわからない感じかもしれません。
黙想を終えて、川からあがりました。
不思議なことにまったく寒さを感じない。
河原にある自分の服のところに行き、タオルで体を拭くのですが、川からあがって間もないのに、体を拭いてもタオルが濡れません。
「もう体が乾いている?」
不思議に思いながら、河原でフルチンで着替えを済ませ、みなさんと一緒に帰路につきました。
帰る途中、思ったのは、風邪気味でいながら、冷たい川の水をものともしない自分の体を、
「よく丈夫な体に生んでくださった」と、両親への感謝の思いがふつふつと湧き上がってきました。
そしてもうひとつ、これも不思議な感覚なのですが、争い対立するのではなく、慈愛と徳を身につけていくことが大事、ということをつよく感じました。
これまで、たとえば百人一首や古事記の解釈を説明するにあたり、「これまでの解釈はこうだったけれど、ちゃんと読めばこうなる」といった切り口で説明をしていました。
それが間違いだと気付きました。
ほかは関係ないのです。
自分が「これが正しい」と思える感動を、みなさまにお伝えすれば良い。
それだけで良いのであって、他がどのように解釈しているかは、研究途上では関係あっても、人様にお話するときには、必要のないことなのだということを感じました。
要するにそれは、自説と他説を知らず知らずのうちに比べていたわけで、比べるということは、本来必要ない。
正しいことを正しくお伝えすることだけに集中すること。
それだけで良いのだ、ということに、あらためて気付きをいただきました。
実は、今年の春から、左膝に痛みがあり、曲げれば伸びなくなるし、膝を折れば痛むし、歩行中にも膝をひねられて、まるで関節技でもかけられたかのような痛みが続いていました。
百人一首に登場する右大将藤原道綱母は、右膝の痛みに苦しみ、石山寺に詣でて仏様にその痛みを取ってもらったという縁起話があります。
膝は曲げ伸ばしするものですので、なんらかの閉塞感が膝痛をもたらすのだそうです。
これは今回の伊勢の修養団の講師の先生から教わった話ですが、ひだりの「ひ」は「霊(ひ)」を意味し、みぎの「み」は「身」を意味するのだそうです。
我が国では古来、左が上座、右が下座とされてきましたが、それは何事につけ御魂が上、肉体が下という基本認識に裏付けられているからなのだそうです。
右大将藤原道綱母の場合は右膝の痛みでしたが、彼女は当時、なかなか妊娠しないことが悩みのタネとなっていて、その不安が右膝の「身の痛み」となって出ていたのだそうです。
彼女は石山寺参拝のあと、その痛みが消えるとともに、妊娠し、藤原道綱という偉大な子を成しています。
まさに、身の痛みです。私の場合は、
左膝の痛みでした。
左は「霊障」ですので、肉体的な原因による痛みではなくて、魂が何らかの間違いを正そうとしているときに、痛みが出るのだそうです。
その間違いが、ずっとなんだかわからずにいたのですが、今回の伊勢での研修を経て、比べるという姿勢、比べることは対立を意味しますから、和を大切にと研究を進めながら、結果として自分で対立をつくりだしていたわけです。
このことは、水行後すぐに気付いたわけではなくて、伊勢から帰宅し、家で二晩考えて、ようやくたどり着けた結論でした。
そして、不思議なことに、このことに気付いたときから、左膝の痛みがすっかりと消えてしまいました。
禊は、はじめての体験でした。
言葉に尽くせない大きな何かを得ることができました。
それは理屈や頭で感じるものではなくて、たぶん魂で感じる何かなのだろうと思います。
かつてサラリーマン時代を過ごさせていただいた会社は、社長がとても研修好きで、外部講師を招いたりして毎年のように宿泊付きで様々な研修を受けさせられました。
そのなかで、自分で本当に「ためになった」と思えて、かつ、その後の人生に大きな影響を与えてくれた研修は、ただひとつでした。
その研修が米国人のスキナーさんの「7つの習慣」で、二泊三日の研修でしたが、これは本当に自分の人生観を変えるほどのインパクトがありました。
ところが今回の伊勢での研修は、一泊二日で、正味24時間弱の研修ではありましたけれど、おそらく上の「7つの習慣」を含めて、自分がこれまで受けてきたどの研修よりも、内容の濃い、感じるものの多い、そしておそらく以後の自分の人生に多大な影響を及ぼす研修となりました。
もともと今回参加させていただいた、伊勢の修養団は、明治39年に創立された、現時点で我が国で最も古い研修施設です。
かつては文科省所管でしたが、公益法人認定によって、いまは内閣府の認定下にあります。
本部は東京・代々木にありますが、伊勢の研修施設では、これまでに1190回、水行を含む研修を行っています。
伊勢での千回目の研修の際には、天皇陛下の御行幸も賜り、また皇太子殿下のご来賓の栄にも授かったそうです。
要するにそれだけの実績のある研修だけに、その研修は回を重ねるごとに研ぎ澄まされて、無駄なく人に力を与える内容になっているのだと思います。
場所がお伊勢様の敷地内にあるということも、影響しているかもしれません。
とりわけ伊勢修養団で講師を務められている寺岡賢(てらおかまさる)講師の講義が、これがまた素晴らしい。
CDもありますが、何度聴いても、都度、新しい気付きがあります。
寺岡講師の講義は、是非一度ご受講をお薦めします。
▼公益財団法人修養団公式ホームページ
https://syd.or.jp/
▼伊勢青少年研修センターホームページ
https://syd.or.jp/facility/ise/
お読みいただき、ありがとうございました。

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