【最新動画】大人のための修身入門 第十二回 「進取の気象とは何か?」


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日本的な意味での「徳のある人」というのは、ただ学問ができるだけの青白きインテリではダメで、武芸に通じ、文武両道に秀で、真っ直ぐな心で人として圧倒的な迫力と勢いを持つ人を意味します。
China式儒教に言う尊大ぶっただけのものは、我が国では徳のある人とは言いません。

林羅山
20181201 林羅山
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「仁」は、五常における最高の徳目で、人と人との間に通う親しみやいつくしみ、あるいは思いやりの心です。
そして訓読みが「ひとし」です。つまり人と人が対等な関係にあることが、日本的儒教における仁です。
「義」は、羊に我と書きます。
古代において羊は神への捧げ物で、羊の代わりに我が身を捧げることが義です。
訓読みは「ことわり」です。
誰かのために身を犠牲にして働くことこそが、人に課せられた「ことわり=条理」であるということが、日本的儒教の特徴です。
「礼」は、旧字が「禮」で、相手を尊重する心を相手にはっきりとわかるように豊かに示す態度です。
訓読みは「ゐや=うや」で、相手を敬うことを意味します。
その相手を敬う態度を、相手にわかるようにはっきりと豊かに態度で示すのが礼です。
「智」は、「知」が神々に降りていただく神棚で、その下に「日」があります。つまり神々の知恵を意味します。
訓読みは「さとり」で、神々の知恵を我がものにして人々の生活に役立てることが智です。
「信」は、「言」という字が口に刃が当てられている象形で、嘘を言ったら刑罰を受けることを意味します。それに人偏が付いていますから、嘘を言わないことです。
訓読みは「まこと」で、嘘を言わないことが、まことです。
この5つの徳目を総称して、徳、または「五常(ごじょう)の徳」と言いました。
「徳」というのは旧字が「彳+悳」で、真っ直ぐな心で進むことを意味します。
日本書紀は、この「徳」の字を「いきほひ」と読んでいます。
つまり仁義礼智信の五常を備える者にこそ、「いきほひ(=勢い)」があると捉えています。
原文では、たとえば海幸山幸のところに次のように出てきます。
(原文)於是、兄知弟有神德、遂以伏事其弟
(読み下し文)
ここにおいて、兄、弟(おとのみこ)の
神の徳(いきほひ)有(います)ことを知りて、
遂(つい)にその弟(おとのみこ)に
伏事(したが)ふ。
(現代語訳)
ここにおいて兄の海幸彦は、弟の山幸彦が神の徳(いきおい)を持つことを知り、
ついに弟に従うことにしました。
実際に行われたことは、「徳」という字に「いきおい」という訓読みを与えたのではなくて、あらかじめ大和言葉に「いきほひ」という言葉があり、その言葉の意味するものに最も近い漢字として「徳」の字を選んで用いているわけです。
ここは非常に面白いところです。
Chinaでは儒者の士大夫は、常に口元に薄笑みを浮かべて、動作も鷹揚で物腰は尊大です。
要するに人の上に立つものは、鷹揚で尊大であることが徳のある士大夫の在り方であるとされてきました。
ところが日本では、勢いがあることに「徳」を見出しているのです。
日本でも、Chinaの儒教をただありがたがる人の中には、Chinaの士大夫のような尊大さをもって「徳」とする人もあったようですが、家康に見出され、徳川家の学問を総預かりした林羅山は、そのようなChina的儒者ではなく、むしろ五常を備えることによって、人しての勢いが生まれるとしました。
それこそが林羅山の説く「神儒合一論」であり、だからこそまだ弱冠23歳の林羅山に、わざわざ老齢の家康は面会し、その羅山をして幕府の正式顧問として、旗本たちの教育の一切を委ね、また、その学問が江戸時代の日本の学問(儒学)の主流にもなったのです。
日本的な意味での「徳のある人」というのは、ただ学問ができるだけの青白きインテリではダメで、武芸に通じ、文武両道に秀で、真っ直ぐな心で人として圧倒的な迫力と勢いを持つ人を意味します。
China式儒教に言う尊大ぶっただけのものは、我が国では徳のある人とは言いません。
普通に常識で考えても、二心(ふたごころ)なく前に突き進む人というのは、それだけで人間的な迫力を持つものです。
その迫力というのは、どこかのアマチュアボクシング界の終身会長さんのような、尊大で威張っている態度とはまったく異なります。
むしろ、話せば腰も低いし、親しみやすいけれど、それだけでなくて、学問も出来、武芸にも秀(ひい)で、仕事も出来て、なおかつ全身から黄金色(こがねいろ)のオーラを発散しているような神々しさと行動力をあわせ持つ人。
それが日本的「徳のある人」です。
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