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ギリシャ神話

我々日本人にとっての神話は、諸外国のそれが「自分が生き残るため」の神話であるのに対し、「みんなで協同して高い民度を保持する」ために形成され、育まれたものです。
民衆の民度が高ければ、余計な犯罪も起こりません。
そして我々日本人は、高い民度によって、歴史上どの国も実現し得なかった、豊かで安全で安心できるクニ作りを実現してきました。
日本人の自然との関係や社会における権力のあり方、民度のあり方は、いままさに世界の良心が求めているものです。

【お知らせ】
<東京・倭塾、百人一首塾他>
9月23日(日)13:30 第54回 倭塾・東京 第54回
東京の倭塾・百人一首塾は10月から会場がタワーホール船堀に変更になります。
10月8日(月)13:30 第55回 倭塾 研修室 1330-160
10月27日(土)18:00 第30回 百人一首塾 407会議室
11月13日(火)18:00 第31回 百人一首塾 307会議室
11月25日(日)18:00 第56回 倭塾 研修室
12月6日(木)18:00 第32回 百人一首塾 301会議室
12月24日(月)13:30 第57回 倭塾 研修室
<関西・倭塾>
8月10日(金)19:00 倭塾・関西 第一回 (IK歴史勉強会 十七条憲法と創生の神々)
9月9日(日)14:00 倭塾・関西 第二回 (IK歴史勉強会 イザナギ・イザナミと古代の朝鮮半島情勢)
10月19日(金)19:00 倭塾・関西 第三回 (IK歴史勉強会 大航海時代と大国主)
11月9日(金)19:00 倭塾・関西 第四回 (IK歴史勉強会 唐の皇帝と日本の天皇)
12月8日(土)14:00 倭塾・関西 第五回 (IK歴史勉強会 稲作の歴史と古墳のお話)
<国内研修>
12月16日(日)~17日(月) 一泊二日 神話を体感する会
11月の倭塾関西の日程が11月11日(日)から、11月9日(金)19時に変更になっていますのでご注意ください。

ギリシア神話は、紀元前15世紀頃に遡(さかのぼ)る物語、つまりいまから3500年ほどの過去にまで遡って、もともとは口承されてきた神々の物語です。
ホメロスの「イーリアス」、「オデッセイア」などを、紀元前8世紀の詩人のヘシオドスが体系化し、文字にしました。
世界が混沌としたカオスの時代からはじまり、オリンポス神々の逸話によって語られる世界は、子供のころ、童話などで読まれた記憶のある方も多いかと思います。
イメージ的には、とても甘美で美しく素敵な神々の美しい物語と思っておいでの方も多いのではないかと思います。
そこで、そのギリシャ神話に出てくる物語の一部を抜粋してみます。
「大地の母神ガイアは、
 子のウラノスと交合して
 三つ子のキプロスたちを産んだ。
 これらは一つ目の怪物であった」
「大地の母神ガイアは、
 父ウラノスの男根を切れとクロノスに命じた。
 母から鎌を渡されたクロノスは、
 母ガイアと父がまさに交合しようとするそのときに、
 母に命じられた通り父の男根を切って殺し、
 クロノスは王になった。」
「王者クロノスは、
 実の妹のレイアと結婚して5人の子をもうけた。
 クロノスは、
 自分が子に打ち負かされて
 王位を奪い取られる運命にあると
 予言されていたから、
 生まれてきた子を順番に
 食べてしまった。」
「このとき妻のレイアが隠しとおした子が
 ゼウスである。
 ゼウスは成長すると
 祖母のガイアに教えられた通りに
 父クロノスを騙して吐き薬を飲ませた。
 クロノスはゼウスに飲まされた石を吐きだし、
 続けてクロノスが食べたゼウスの兄や姉を吐き出した。
 吐き出された兄弟たちはゼウスの家来となってクロノスと戦った。
「クロノスの子のうちのひとり、
 女神のヘラは、
 実兄の妃となり、
 オリンポスの女王となった」

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まだいろいろありますが、要するにギリシャ神話は、親子兄弟の乱脈・乱倫と残虐、親殺し子殺しという、ある意味非常に不道徳性に満ちた物語です。
他にも、たとえばモンゴルの神話では、夫婦に子供がたくさんできたので、隣の家族の馬や羊を奪った。
このとき子供を殺すのがかわいそうだったので生かしておいた。
すると長じた子供に、自分の家族が皆殺しにされた。
だから殺すときは皆殺しにしないと危険だ、というものもあります。
有名な「開けゴマ」のアラジンも、盗賊から財宝を奪った盗賊アラジンの物語です。
要するに泥棒同士の戦いが物語になっているわけで、そこに「人の物を盗んではならない」という道徳はありません。
むしろ生き残りのために必要な知恵が詰まっている物語となっています。
要するに近親相姦や泥棒や強盗に違和感がないほどに、大陸の人々は厳しい自然環境の中で過ごしたであろうし、生き残るために必死であったということができます。
では、もともとそこは草木のない土地だったのでしょうか。
そもそも草木のない砂漠や岩棚では、人は生きていくのに必要な水も食料も得ることができません。
古代よりも以前の時代のことを祖代と言いますが、祖代の原始生活の営(いとな)みを考えれば、そこはどう考えても人が生活するのに適していないところです。
これが何を意味しているかといえば、人はもともと肥沃なところに住んでいたものを、自然環境を自らの手で破壊することで、新しい土地を求めて移動したということです。
なぜなら、そうでなければ人は食べ物を得ることができないからです。
ところが古い時代の古代文明が開けたところは、もともとは緑豊かな肥沃な大地であり、いまは砂漠化しています。
人は火を使います。
人が火を使うようになった歴史は100万年ほども遡るとも言われるくらいですから、3〜4千年の昔なら、当然、火が用いられます。
しかも種族ごとの闘争に勝ち残るためには、鉄などの金属加工が必要です。
その金属加工のためには、莫大な火力が必要です。
そのため森の木が伐採される。
苅られた木が再び生育するには、植林しても最短80年かかります。
自然放置で森が戻るには数千年を要するとも言われています。
燃やすのは一瞬です。
結果、かつての森は、瓦礫の山と砂漠になっています。
自然環境を破壊し、人口が養えなくなり、やむなく人々は移動していく。
ところが、移動せずに残る人もいる。
そうした人々は、乏しい食料を互いに奪い合わなければ生きていくことができないわけです。
そしてそれが神話になった。
ちなみに現代日本でも、かつて森や林や田畑だったところが、いまや住宅街です。
日本列島の航空写真を見ても、いわゆる都市部はきわめて緑が少ない。
これで現在の高齢者がお亡くなりなって、人口減少が進んだときに何が起こるか。
日本の人口は、いま年間20万人ずつ減少しています。
この人口減少の割合は、これからもっと大きくなり、平成30年代の前半では、毎年鳥取県がひとつなくなっていくくらいの人口(約59万人)が減少します。
平成30年代の後半ですと、毎年高知県がひとつなくなっていきます。
平成40年代の前半で、毎年山梨県(約86万人)がひとつ消えていく。
平成40年代の後半になると、毎年和歌山県(約102万人)が日本からなくなっていきます(*1)。
(*1)2017年3月25日に日本青年会議所主催で行われた河野太郎氏と神谷宗幣氏による「移民問題」の対談における河野太郎氏のお話から引用。
平成40年代の後半というと、いまから25〜30年後です。
おそらくいま80代の人の多くは、すでに旅立たれておいでのことと思います。
そしてそした方々がお住まいの、住居専用区域や、数十年前の高級マンションは、その大半が無人になります。
つまり宅地がゴーストタウンになります。
いったん田畑や森や林を宅地にしてしまえば、そこをあらためて再び森や林、あるいは田畑にするのはたいへんなことです。
それどころか、現時点ですでに日本は、農業も林業も、あと十年もしたらほぼ壊滅状態になります。
そのときどうやって、私達は、祖先から受け継いできた美しい日本を守るのでしょうか。
戦後世代というのは、日本を破壊してきた世代であったともいえるのかもしれません。
だいぶよくはなったとはいえ、いわゆる公害による河川や海岸の汚染は、いまだに尾を引いています。
私などが若い頃には、品川あたりの海浜地区の川は、川の水が真っ黒いというだけでなく、メタンガスの泡が下からポカポカと浮かんできては、臭気を撒き散らしていました。
その後の公害対策によって、いまではやっと魚が住める川に戻りましたが、1950年代には、そこは子供たちが夏には泳ぐことができたし、一年を通じて魚釣りも楽しめたところだったのです。
それが1960年代のわずか10年で真っ黒に汚染され、1970年代にそれが社会問題化されて、政府が対策に乗り出して、あれから50年経過して、やっと黒い水が、グレーくらいにまで復活しました。
けれど、子供たちが安心して泳いだり、飲んだりできる川になるには、まだあと100年はかかると言われています。
自然を破壊するのは容易です。
しかしそれは人の心の破戒が招く、我々を育んでくれている国土への、もっというなら地球への破壊行為です。
これに対し日本は、縄文時代の1万4千年という途方もなく長い期間、人が人を殺すという文化がありません。
また古事記に書かれた神話は、どの神話も、愛情あふれる神々の物語であって、いかにして民衆を大切にしていくのかが、重要なテーマになっています。
近代にいたっても日本は、日朝戦争も、日満戦争も、起こしていません。
もし、英米が植民地獲得に強欲を出さず、むしろ日本とともにChina・朝鮮・満洲の平和と安全、そして庶民の生活の向上のために力を貸してくれていたら、おそらく、いまごろ、東亜は大発展し、平和を愛する価値観は、世界に広がり、すくなくとも、戦後の歴史にあったようなChinaの大虐殺や韓国難民、ベトナム戦争、チベット虐殺、ウイグル問題など、まったく起こっていなかったであるといえます。
なぜそのようなことが起こるのかといえば、国家権力よりも上位に天皇という国家最高権威があり、その最高権威によって民衆が「おほみたから」とされてきたからです。
これによって権力者は、民衆を自分の所有物として勝手に支配し収奪し隷民化するのではなく、どこまでも自分よりも上位にある天皇の「たから」を預かっているという国の形が生まれています。
そしてこのことは、我々日本の民衆が、権力からの自由を、はるか古代から享受してきたことを表します。
そして我々日本人にとって、国土も神々のうちです。
つまり国土は神様の持ち物なのですから、大切にしなければならない。
森に入って木を伐れば、その分、ちゃんと植林してきたのは、そういう理由に基づきます。
つまり我々日本人にとっての神話は、諸外国のそれが「自分が生き残るため」の神話であるのに対し、「みんなで協同して高い民度を保持する」ために形成され、育まれたものです。
民衆の民度が高ければ、余計な犯罪も起こりません。
そして我々日本人は、高い民度によって、歴史上どの国も実現し得なかった、豊かで安全で安心できるクニ作りを実現してきました。
日本人の自然との関係や社会における権力のあり方、民度のあり方は、いままさに世界の良心が求めているものです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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