| ◇最新刊『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』好評発売中 |
クニに住む人達みんなが、より豊かに安全に安心して暮らしていくことができるように、自分なりにできることを一生懸命になって生きていく。
そうすることで、より良い未来を、子供たちに、あるいは孫たちに遺していく。
その孫たちのためにも、決して悪いことはしない。
他人が見ていなくても、神様は、常に見ていらっしゃる。
ついこの前までの日本人は、誰もが普通にそういう心を共有してきました。
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◆【お知らせ】◆
<東京・倭塾、百人一首塾他>
6月30日(土)13:30 倭塾・東京 第52回
7月14日(土)18:00 倭塾・東京 第53回
7月28日(土)18:00 百人一首塾 第28回
8月15日(水)ねずさんと靖国昇殿参拝
<関西・倭塾>
8月10日(金)19:00 倭塾・関西 第一回 (IK歴史勉強会 十七条憲法と創生の神々)
9月9日(日)14:00 倭塾・関西 第二回 (IK歴史勉強会 イザナギ・イザナミと古代の朝鮮半島情勢)
10月19日(金)19:00 倭塾・関西 第三回 (IK歴史勉強会 大航海時代と大国主)
11月11日(日)14:00 倭塾・関西 第四回 (IK歴史勉強会 唐の皇帝と日本の天皇)
12月8日(土)14:00 倭塾・関西 第五回 (IK歴史勉強会 稲作の歴史と古墳のお話)
特亜国は別として、その他の外国からも毎年たくさんの外国人が日本にやってきます。
彼らがどうして日本にやってきたのかと問うと、一様に、
「日本人を観に来た」
と答えるのだそうです。
世界の大国を相手に戦って世界の植民地支配を終わらせたと思ったら、敗戦国で焼け野原になったはずなのに、みるみるうちに復興させ、終戦からわずか19年後には東京オリンピックを開催するほどの国になり、すごいなと思っていたら、今度は世界の経済大国にまで上り、あまりに経済力が強いので様々な制約を課して日本の力を削ぐように持っていったら、いつの間にか日本アニメなどのソフト分野で、世界中に大きな影響を与えている。
その日本人は、度重なる大震災でもまったく暴動を起こすことなく人々が整然と行動し、気がつけば日本の安倍総理は、世界の政治を牽引する偉大な指導者になっている。(安倍総理を嫌う人もいるかもしれませんが、現実の世界の評価はそういう評価であり、それはとても良いことです。)
いったい、日本は、どうなっているのか。
日本人というのは、どのような民族なのか。
本で読んでもわからない。
自国にやってくる日本人に聞いても、まったくわかっていない。
それなら、自分で日本に行って、自分の目と耳と肌で日本を見てくるしかない・・・というのが、来日の動機なのだそうです。
ねずさんの最新刊!

この中で、「自国にやってくる日本人に聞いても、まったくわかっていない」ということは、実は本当に恥ずかしいことで、自己肥大になって「オレたちの国はこんなに素晴らしいのだ」と、どこかの国の人のようにパクリまでして宣伝する必要はさらさらありませんが、ただ、日本とは、日本人とは、と聞かれたときに、ある程度は、話せるようにしておかないと、特に、一定の地位のある人や、元貴族だった家柄を持つような人たちとのお付き合いができません。
では、日本の力とは、いったい何でしょうか。
それはどこから来ているのでしょうか。
私は聞かれたときは、
「数学の最小公倍数と最大公約数です」
と、簡単に答えることにしています。
覚えておいでの方も多いと思いますが、
最小公倍数(L.C.M.=Least Common Multiple)は、たとえば6の倍数と9の倍数をそれぞれ書き出していって、どちらにも登場する一番小さい数(答え=18)のことです。
最大公約数(G.C.M. =Greatest Common Measure)は、18と24の最大公約数は6といったように、2つ以上の正の整数に共通な約数のうち最大のものをいいます。
世界中の多くの国や民族では、権力者が自分の脳みその範疇ですべての部下や民衆を支配しようとします。
そして権力者が部下や民衆の理解を得るためには、常に誰もが理解できる範囲、つまり最大公約数での支配しかできません。
つまり権力者の能力の範囲内までしか、集団が力を発揮することができません。
なぜなら、そこから逸脱した者は、上司に逆らう者として排除の対象となるからです。
仮に権力者であるボスに12の力があり、部下に18の力を持っている人や24の力を持っている人がいたとしても、組織としては、あるいは集団としては6の力しか発揮できなくなったりします。
つまり、最大公約数(G.C.M.)になってしまうのです。
ところが日本は、権力よりも上位の天皇という国家最高権威によって、民衆は「おほみたから」とされています。
このことによって権力者も民衆も、人として対等な関係になります。
そして権力者は、民衆の豊かで安心して安全に暮らすことができることについての責任を持つ立場となります。
社会の基本的な仕組みがそうであることによって、日本型組織は最小公倍数(L.C.M.)型組織となります。
ですから先程の例でいえば、12と18と24の最小公倍数は72です。
つまりみんなで力を合わせることによって、日本人は、ひとりの力は能力ではとても到達できない高みを実現しようとするのです。
もちろん、公約数型国家にも良い所はあります。
それは、権力者であるボスが富を独り占めできることです。
ボスは、ヒト・モノ・カネを自在に操り、自己の目的を達成しようとします。
中にはどこかの国のように、国中から若い美女を集めてきて、スパイになって相手国の政府高官の夜の相手をすればあらゆる贅沢を、しないというならその女性たちの目の前で処刑(死刑)にする姿を見せる、などということも、極端なケースでは起こってしまうわけです。
ただしそれによって、富を得るのは、ボスとその周辺にいる限られた人達だけです。
他の圧倒的多数の人々は、ただ収奪されるだけの存在になってしまいます。
一方、公倍数型国家では、富を誰かが独占できるということはありません。
みんなが必死で、自己の能力の限りをつくして、みんなのために働きます。
誰も遊んで暮らすことができない。
みんなが必死に努力を重ね、その努力を(多くの場合)助けてくれる人さえもいません。
何もかも、自分で努力して頑張らなければならない。
それはとってもたいへんなことだけれど、どんなに貧乏しても、自分で決めたこと、やりたいことをするのです。
昔、まだマンガが認知されていなかった頃、漫画家のちばてつやさんや石ノ森章太郎さん、藤子不二雄さんや松本零士さんなどが小さな下宿屋で貧乏な暮らしをしながら、必死でマンガを書いていました。
毎日インスタントラーメンしかすすれないような生活だったけれど、そこには夢がいっぱい詰まっていて、当時の彼らの夢が、いまや世界のマンガブーム、アニメブームとなって育っています。
全国に江戸時代のから続く日本の伝統工芸品があります。
広島の熊野筆、佐賀の伊万里焼、高知の土佐和紙、沖縄の紅型(びんがた)、鹿児島の薩摩切子、熊本の肥後象嵌(ひごぞうがん)、秋田の大館曲げわっぱ、茨木栃木の結城紬、宮城のこけし、岩手の南部鉄器、大阪の堺の刃物、石川の輪島塗など、それらは枚挙に暇がありません。
ところがこの伝統工芸品、おもしろいことに王侯貴族のために作られ続けたものが、ひとつもないのです。
どれもすべてが、庶民が作り、庶民が生活に使い、生活にうるおいを与え、日々を楽しく過ごすためのものとして作られ続け、伝わってきたものです。
日本の神話では、神々は、神々の国も、地上の人の世界も、それらすべては「よろこびあふれる楽しいクニ」にしたいという目的をもって作られたのだと書かれています。
それは、一部の王侯貴族だけが毎日を「よろこびあふれる楽しいクニ」にするのではなく、誰もがみんな「よろこびあふれる楽しい国クニ」となることです。
ここでいう「クニ」とは、いわゆる近代国家(Modern state)のことではありません。
我が国では、1万年以上も続いた縄文時代に、まず家族が暮らすイエがあり、イエの周りには親族が暮らすムラがあり、ムラの周りには食べ物をもたらしてくれるハラがあり、ハラの向こうにはヤマがあり、そのヤマの向こうには、姉が嫁いだ親戚のムラがある。
その血縁関係のあるムラとムラの集合体が、クニです。
国境の内側の国ではなくて、血縁で結ばれた同胞の住む社会全体がクニです。
これは英語の血縁国家(Relatives nation)とも少し違い、万年の単位でつながる血縁です。
一組のカップルから、およそ700年で1億2千万人の人口が誕生します。
万年の単位で考えるとき、おそらく世界中の人々は、みんな親戚です。
ですから私達日本人にとってのクニは、郷土(クニ)のことであり、国家(クニ)のことであり、地球(クニ)のことでもあるのです。
そのクニに住む人達みんなが、より豊かに安全に安心して暮らしていくことができるように、自分なりにできることを一生懸命になって生きていく。
そうすることで、より良い未来を、子供たちに、あるいは孫たちに遺していく。
その孫たちのためにも、決して悪いことはしない。
他人が見ていなくても、神様は、常に見ていらっしゃる。
それが日本人のものごとの考え方の基本です。
すくなくとも、ついこの前までの日本人は、誰もが普通にそういう心を共有してきました。
そしてそのことは、おそらく人類普遍の、たいせつなことのひとつなのではないかと思うのです。
お読みいただき、ありがとうございました。

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