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20180409 ファントム時間仮説
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【お知らせ】
4月15日(日)13:30 チャンネルAJER「古事記に学ぶ日本型経営学」
4月22日(日)13:30 第50回記念 倭塾公開講座
5月5日(土)18:30〜 第26回百人一首塾(公開講座)
5月19日(土)18:30 第51回倭塾(公開講座)
6月9日(土)18:30〜 第27回 百人一首塾 公開講座
6月30日(土)13:30〜 第52回 倭塾 公開講座

昨年、ドイツの歴史学者ヘリベルト・イリグ氏は、
「中世ヨーロッパ史の297年間は捏造されたものである」
と発表し、西洋史に一大センセーショナルを巻き起こしました。
イリグ氏の主張の要点をあげると、次のようになります。
▼年代の改ざんは、神聖ローマ皇帝オットー3世が西暦996年ではなく、西暦1,000年に統治を開始したと見せるために行われた。
▼年代改ざんを指示したのは、
 コンスタンティノス7世、
 オットー3世、
 シルウェステル7世、の3人である。
▼シャルルマーニュの聖騎士やカール大帝(742-814 フランク王国の王で後の西ローマ帝国皇帝)などは、年代改ざんのつじつま合わせのために、当時存在していた史書を改ざんして創作された人物群である。
▼このため西暦614年から911年までの297年間には、文献史料がほとんど存在しない。
それ以前や以後については、数多くの文献があるにもかかわらず、である。
▼また、西ヨーロッパで10世紀(西暦900年代)に建築されたとされる建築物の多くは、千年以上前に建築されたとは到底考えられない。

これらの主張をイリグ氏は、具体的な事実をもとに検証して、297年間の水増しを指摘したわけです。
ということは、今年は西暦2018年ではなく、実は1721年(?)ということになります。
なんだか文科省の文書改ざんのようなことが、過去の歴史にも起きていたわけですが、要するに「書いてあることが真実であるとは限らない」ということです。
歴史を知る手がかりは、大きく分けると3つあります。
考古学と文献史学と、歴史学です。
考古学は遺跡から発掘された遺物(持ち運びできるもの)や遺構(住居跡のように持ち運びできないもの)という証拠そのものを検証する学問です。
このため、たったひとつの考古学的発見によって、それまでの歴史認識が、根底からひっくり返るようなことが起こったりします。
文献史学はこれと異なり、文書や記録、あるいは典籍と呼ばれる古史古伝(史記や宋書のようなもの)から、史実を知る手がかりを得ようとする学問です。
歴史学は、考古学的検証や文献史学等に基いて、過去にあった出来事を再現する学問分野です。
つまり、これこれの事実や事情があったからこのような出来事が生まれ、それが後世にこのように影響したということをストーリー化して再現したり、その再現の妥当性を検証するのが歴史学です。
広義の歴史学には文献史学も含まれますが、狭義の歴史学はその再現そのもののことを言います。
歴史学は、幹となる史書があったとしても、これをただ鵜呑みにするのではなく、他国の史書や当時の日記、手紙や財産の壌渡書類などの文献史学上の研究や考古学的発見等を傍証として、史書に語られた歴史が真実であるかどうかを検証しながら、歴史を再構築してくわけです。
つまり「書いてあるから正しい歴史(真実の歴史)」とは限らない。
真実を知るには、思考力・洞察力が必要だということです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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20180326 イシキカイカク大学

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