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世界の進運(しんうん)に後(おく)れないこと。
これらは昭和天皇の終戦の詔で出てくるご遺命です。
新しい時代を開いて行こうではありませんか。

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いま、戦後教育を受けてきた日本人で、日本建国の詔(みことのり)を学校で教わったご記憶を持つ方は、いるのでしょうか。
世界中、どこの国においても、自分たちの住む国の建国の歴史や建国宣言の内容を教えていない国は、皆無です。
ChinaやSouth Koreaのように、たとえそれがあまりにも荒唐無稽な絵空事であっても、彼らは彼らなりに、自国の建国の歴史と、最低限、建国宣言の言葉とその意義は、義務教育課程で必ず教えることです。
米国でも独立宣言を、なるほど諳(そら)んじるまでできる人は少ないかもしれませんが、独立宣言があったこと、およびその精神は、必ず誰もが学校で習うことです。
世界の中で、日本だけがそれをしていません。
日本には、教育は憲法で義務化され、国家機関としての文部科学省もあります。
あたりまえのことながら、日本という国があるから、憲法があり、文部科学省もあります。
ところが、憲法で義務敎育化した小中学校で、我が国の建国の経緯も建国宣言の内容もまったく教られていないし、文科省もそれを教育指導要項に加えていません。
いったい、文科省というのは、どこの国の教育監督官庁なのでしょうか。
文科省が日本国の教育を所轄する行政機関だというなら、日本の建国宣言(建国の詔)や建国の経緯を義務教育で教えるのは、あまりにもあたりまえなことです。
建国宣言があること、建国の経緯さえ義務教育化されず、まったく教えられさえもいないということは、国際標準に照らしても、あきらかに「おかしい」といえることです。
不思議なことに、国際化を提唱する人たちでさえ、誰もそのことに触れようとしません。
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ちなみに、敎育関係者や文科省の職員の中には、日本は戦後に、大日本帝国から日本国という別な国になったのだと勘違いしている人もいるという話を聞くことがあります。
馬鹿な話です。
それならなぜ日本には建国記念日があるのでしょうか。
建国記念日は2月11日です。
日本が先の大戦を自主的に終わらせたのが昭和20年8月15日。
降伏文書に調印したのが同年9月2日。
日本国憲法が公布されたのが昭和21年11月3日。
施行されたのが昭和22年5月3日。
日本がサンフランシスコ講和条約に署名したのが昭和26年9月8日。
発効となったのが昭和27年4月28日です。
そのいずれも、建国記念日(2月11日)とは異なる日です。
では、どうして建国記念日が2月11日なのかといえば、神武天皇の即位日が新暦で2月11日だからです。
ということは、日本人の常識として、あるいは公知の事実として、日本は神武創業以来ずっと続いている国であるという自覚が、戦後の日本国にも、間違いなく「ある」ということです。
江戸時代の日本は、徳川幕藩体制にありました。
それが明治という国家になりました。
では、日本はその時点で、違う国になったのでしょうか。
そんなことはありません。
現実には、天皇を頂点とする日本の国の政権が、徳川家から明治新政府に移行しただけです。
これは要するに政権交代だったというだけのことで、国自体が別の国になったわけではありません。
憲法についてはどうでしょうか。
明治に入ってから大日本帝国憲法ができましたが、それは別な国になったということなのでしょうか。
そうではありますまい。
天皇のもとにあったいわば徳川政府が、同じく天皇のもとでの薩長政府へと政権交代が行われ、そこで生まれた憲法は、天皇の御名御璽で公布せられたものです。
要するに、江戸時代の日本も日本なら、明治新政府の日本も日本だということです。
戦後に日本国憲法が公布されましたが、これもまた天皇によって公布された憲法です。
つまり、日本は日本のままであって、日本の主権がどこか別の国に移ったわけではないのです。
それなら、どうして建国記念日があって、建国の詔を教えないのでしょうか。
これこそ敎育の「不備」といえるものなのではないでしょうか。
実は、神武天皇の建国の詔を読みますと、その建国の詔に内容と、そこに至るまでの神武天皇の事績は、すべてイザナキ、イザナミ来所の神々の御意向を、そのまま実践されてこられたものとわかります。
有名な言葉に「八紘一宇」がありますが、これもまた「豈国(あにくに)」を築こうとされたイザナキ大神、イザナミ大神の御意思を受け継いでなされたものであるということがわかります。
そして日本は長い歴史の中で、度々政権交代はありましたが、常に混乱のあとには、「神武創業に還れ」が合言葉になっていました。
その神武天皇は、さらにまた淤能碁呂島創業、つまりイザナキ大神、イザナミ大神の精神に還ることを、我が国建国の原点とされているわけです。
つまり日本は、はるか神々の時代から、ずっと続く国の原点を持つ国なのです。
建国宣言を教えるということは、その国の原点を教えること、もっというなら日本人の原点となるアイデンティティを教えることを意味します。
それを、どうして義務教育で教えようとしないのか。
逆にいえば、我が国が国民の幼年敎育の過程において、建国宣言を明瞭明確に教えることができるようになったときこそ、日本が日本を取り戻したとき、つまり本当の意味での独立国となったときといえるのではないでしょうか。
しかし同時にこのことは、いわゆる保守層の側にも問題があったといえるのではないかと思うところがあります。
我が国の建国の経緯や、建国宣言について、それがあたかも神話であるかのような切り口でしか、これまで語ってこなかったからです。
日本の文化というのは、あらゆる日本文化がそうですが、子供にも親しみやすくできています。
たとえば茶道でお茶を飲むことは、離乳が始まったばかりの赤ちゃんにだってできることです。
しかし茶道を極めようとすれば、一生かかっても追いつきません。
むつかしいとされるお能にしても、能面の美しさは、小学生の子供にもわかることです。
しかし能を極めようとすれば、一生かかってさえ、極めることができるのは、限られたごく一部の人だけです。
神話も同じです。
たとえば大国主神話なら、大国主神話がウサギと話したというお話が出てきます。
子供向けにはそれで良いのです。
けれど古事記の原文は、そのどこにもウサギは出てきません。
書いてあるのは「菟(と)」であって、これは行商や物流・流通を担う人、いまでいうなら陸運業者や通販業者のことです。
まして初代天皇である神武天皇は、古事記で言えば中つ巻、つまり神話ではなく、具体的な伝承が残る時代の巻に掲載されています。
つまり神武天皇による建国宣言や、建国の経緯などは、神話ではなく現実だとして分類し、描いているわけです。
にも関わらず、三本足のカラスが飛んだだとか、和歌山県人会には昔、尻尾があっただとか、そのような子供向けの読み方を、よい歳をした大人がしている。
あるいは、神武天皇は137歳まで生きたとは、ご長寿はありがたいことですが、常識的にありえないことです。
古事記には大人の読み方があるのです。
八咫烏(やたがらす)の「咫」は、いまの「尺」という字です。
1尺はおよそ30cmです。
「八」は、多いという意味ですから、要するにかなり大柄な人であり、あだ名が「カラス」ですから、色黒の人という意味です。
生尾人は、尾が生えたように見える人という意味で、要するに大切な食料を奪われ、ガリガリに痩せ細った人のことを言います。
神武天皇は、天皇御年137歳であったというのは、寿命のことではなくて、天皇としての御在位が137歳であったという意味です。
そしてこの時代の「歳」は、いまでいう「月」のことをいいますから、神武天皇はおよそ11年、御在位されて崩御されたのだということを古事記は書いているわけです。
そのように、現実に即して読まなければ、いつまでも子供のような読み方しかしていないのでは、これを説く側が子供扱いされてしまうのは当然のことです。
まして、ウサギなら上つ巻の神様ごととして書かれていますから、まだゆるせるとしても、神武天皇の物語は我が国建国の経緯であり、建国宣言なのですから、もうすこし現実に即して物語を紹介しなければ、子供達向けにはそれで良いとしても、大人向けには、あまりよろしくないのではないかと思います。
確(かた)く神州(しんしゅう)の不滅を信じること。
任(にん)重くして道(みち)遠きを念(おも)って、
総力を将来の建設に傾けること。
世界の進運(しんうん)に後(おく)れないこと。
これらは昭和天皇の終戦の詔で出てくるご遺命です。
新しい時代を開いて行こうではありませんか。
お読みいただき、ありがとうございました。

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