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日本国内で通用している貨幣(お金・通貨)には、
「日本銀行が発行するお札(銀行券)」と、
「日本国政府が発行するコイン(硬貨)」の二種類があります。
なぜでしょうか。

20161226 神功皇后

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昨年12月にこのブログに書いたことですが、我が国に一万円札や千円札のような「お札(紙幣)」と、10円玉や100円玉のような「コイン(硬貨)」の二種類があることは、みなさま御存知の通りです。
そのお札をよく見ると、そこには、
「日本銀行券」
と書いてあります。
一方、コイン(硬貨)には
「日本国」
と刻印してあります。
つまり日本国内で通用している貨幣(お金・通貨)には、
「日本銀行が発行するお札(銀行券)」と、
「日本国政府が発行するコイン(硬貨)」の二種類があるのです。
ではどうしてその両方のお金を政府が発行しないのでしょうか。
実は明治のはじめには、実は明治政府がお札を発行していたのです。
それが冒頭の写真です。
中央に一円紙幣に「大日本帝国政府紙幣」と大きく書かれています。
発行者の名前も、画面左側に「大蔵卿」と赤く書かれています。
ところがこうした政府発行紙幣は実は信用がないのです。
これは世界中どこでもそうです。
なぜなら、政治は色物で、色はコロコロと変わるからです。
政治の都合で、紙幣をガンガン印刷されても困ります。
なにせただの紙ですから、原価はしれています。
A5版にも満たない小さな紙切れ一枚で、何万円もの価値を創造できてしまうのです。
ある意味、危険極まりないわけです。
ですから徳川幕府は、そうした貨幣の信用のなさを、金(gold)で裏付けていました。
金(Gold)を使った大判小判を用いることで、幕府の信用だけでなく、金(Gold)の持つ信用をそこに重ねることで、安定した通貨の供給をしていたのです。


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古事記3の一部


ところが幕末に、日米和親条約の細則によって、日本から金(Gold)が大量に米国に流出しました。
持ったこともないような大金を持つことは、個人にとっても集団にとっても不幸なことです。
大量の金(Gold)を日本から得た米政府は、結局その金(Gold)で南北戦争という大内乱を起こし、なんと90万人という途方もない死傷者を国内に出したのです。
一方、持ち出された側の幕府は、金の含有量の少ない万延小判を発行することで、なんとかして金(Gold)の流出に歯止めをかけようとしました。
するとこんどは米国は、英仏を経由して敗れた米国南軍の装備を幕府側と薩長軍に巧妙に売りつけて、日本に内戦を起こさせます。
この作戦で日本は、もしかすると米国の南北戦争なみの大乱となり、ドロドロの泥仕合を繰り広げ、それこそ「ケツの毛まで」むしられるほど、装備を買わされるところでした。
ところがなんと日本では、勝海舟と西郷隆盛が面談して、あっさりと江戸は開城、戊辰戦争が話し合いで終わってしまったのです。
もちろんご存知のように、その後も上野の彰義隊の戦いや、会津戦争、函館五稜郭の戦いなど、戦いは尾をひきましたが、将軍職を廃して天皇中心の明治新体制をつくるという目的は、江戸開城の時点で、いわゆるケリが付く、という状態となっていますから、あとは残敵掃討作戦のようなものであったわけです。
ドロドロの戦いは回避されてしまったのです。
このように申し上げてわかりにくければ、経済的には、新たな軍用品の国際売買は、江戸開城の時点で打ち止めになってしまったということです。
日本に底なしに戦争道具を売りつけようと目論んでいた米英仏の目論見は大外れになってしまったのです。
ところがここでまた日本の側には新たな問題が起こります。
その戊辰戦争までの間に、通貨の裏付けとなる金(Gold)がすでに大量に国外に流出していたのですから、明治新政府にはお金(Gold)がないのです。
そこで明治新政府が行ったことが、紙の紙幣の発行です。
これが征韓論が湧いて西南戦争があった翌年の明治11年で、冒頭の写真は、このとき発行された紙幣です。
絵柄が三韓征伐を行った神功皇后であるということは、我が国の紙幣の発行と、征韓論が結構ダブっていたりします。
要するに時の明治政府は、征韓論に湧く国内世論に、神功皇后を描いたお札を発行することで答え、そのことで紙幣の信用のなさを乗り越えようとしたのです。
ちなみにその征韓論、あたかも朝鮮半島侵略攻撃論であるかのように、間違って教えられていますが、
第一に、朝鮮半島は大陸から日本に突きつけられた匕首(あいくち)のような地勢にあります。
この時代、清国はボロボロで、英仏が事実上領土化していましたし、ロシアも南下を目論んでいました。
そうなると、当然、朝鮮半島も無事では済まない。
だから、まるで中世のような体勢にあった李氏朝鮮に、あらためて近代化を促進してもらえるように、彼らを説得しなければならない。
ところが、李氏朝鮮は儒教国であって、大勢を引き連れた大行列の交渉人でなければ、信用しないのです。
これは彼らの社会体制です。
一方、変に近代化した明治政府は、西洋的ルールで、外交担当者を李氏朝鮮に交渉に赴かせれば良いと、軽い考えでした。
そのため、バカにされたと怒った李氏朝鮮は、日本を「無礼の国」と断じています。
無理もないことです。彼の国はいまだに古代のままなのですから。
西洋かぶれした明治政府の対応に対して「朝鮮半島に正しきを行う」ために、ちゃんとした古式作法に則った大行列の使節団を送らなければならないとしたのが征韓論です。
征韓論の「征」の字は、「正しきを行う」という意味を持ちます。
学校教育でも、漢字を、その成り立ちとか意味から漢字を教えようとしないで、単に画数が多いか少ないかだけで漢字教育をしようとするから、ちゃんとした意味を読み取れなくなっているのです。
子供は、小学校低学年でも、漢字の持つ意味や成り立ち、その象形性をちゃんと教えれば、画数に関係なくちゃんと漢字を覚えるものです。
話が脱線しましたが、明治政府は、国防のために軍事費はかさむし、公務員の給料も負担です。
是が非でもお金がいる。
ところが肝心のGOLDがない。
そのため、市中の両替屋さんたち(いまでいう銀行)も、政府発行紙幣を額面で受け取ってくれませんでした。
今風にいうなら、銀行に1万円札を両替に持っていくと、4千円しかもらえないようなものです。
そこで、政府に信用がないのなら、今風に言うなら
「では、両替屋を新たに作って、そこで両替をやらせよう」ということでできたのが、明治14年の日本銀行の創設です。
日銀は、翌明治15年に開業し、明治16年には政府や、それぞれの銀行が独自に発行していた通貨を全部額面で回収しました。
また、明治17年には、その時点でまだ日本に残った「銀」を用いて、日本銀行兌換紙幣を発行しました。
要するに金(Gold)がないけど、銀(Silver)なら手元にあるから、その銀を裏付けにして紙幣を発行したのです。
そしてこれによって、日本の通貨はようやく安定を迎えました。
ちなみに、この「明治政府発行通貨に信用がなくて額面の半値以下でしか両替商が扱ってくれない」という時代に、せっせと政府発行紙幣を安値で集めていた男がいます。
それが岩崎弥太郎で、日銀がその明治政府の紙幣を額面で買ってくれることになったことで、彼は大儲けして、時の財閥となりました。こうしてできたのが三菱財閥です。
誰もがこれを、「岩崎弥太郎は先見の明があった」といいます。
違います。
弥太郎は、金(Gold)やシステムのもたらす信用より、「約束を守るという日本という国と日本人」を信じたのです。
そしてそのことが、三菱の大財閥を生んだのです。
昨今、三菱グループは、何かと叩かれていますけれど、三菱の根幹には、国を信じ、民族を信じるという創業精神がいまもしっかりと息づいています。
頑張っていただきたいと思います。
というわけで、いまも日本では、日銀が紙幣を発行し、政府は補助通貨としてコインを発行するという住み分けが行われています。
お手元のお札や、コインを見たときに、そんなお話をお子様やお孫さんたちにお正月、してあげたらいかがでしょう。
「先輩たちに、いろいろな苦労があったんだね」
その苦労の上に、いまの日本があるのだということを知っていただく、良いきっかけになるかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。
※この記事は2016年12月の記事のリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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