20170403 影響の輪
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています)

スティーブン・R. コヴィー著『7つの習慣』の中で、昨日ご紹介しました4つの領域のことなどを習ったのですが、もうひとつ感銘を受けたことに、
「影響の輪、関心の輪」というものがありました。
そこで今日は、この「影響の輪、関心の輪」について述べてみたいと思います。
先に整理しますと、
「影響の輪」=自分で直接影響できること。
「関心の輪」=関心はあるが、自分では影響できないこと(天気や株価など)
ちなみに、関心の輪のさらに外側は、
「自分では影響することができず、関心もない世界」
となります。
私の場合ですと、古事記や百人一首などを通じて日本を学ぶことが「影響の輪」にある事柄です。
日々起こる政治問題は「関心の輪」にあることです。
そして芸能人のゴシップやテレビのお笑い番組などは、関心の輪のさらに外側にある「自分では影響することができず、関心もない世界」の話です。
つまり「あっしには関わりのねえことでござんす」です。
以下のお話は、
http://www.franklinplanner.co.jp/learning/monthly7habits/m7h_05.htmlから転載させていただきました。
まずはご一読されてみてください。
****
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わたしたちが日々直面する問題、課題やチャンスは、健康や子供、職場での問題、金利、株、国際情勢、天気など多岐に渡っています。
今挙げた例を見ると、まったくわたしたちの手に負えないものもあれば、どうにかなりそうなものもあるということがわかります。
ここでは「影響の輪」と「関心の輪」という2つの輪について学びます。
下のモデル図をご覧ください。
まず内側の輪が「影響の輪」と呼ばれる、あなたがコントロールできるものが入る輪です。
外側の輪が「関心の輪」と呼ばれる、あなたがコントロールできないものが入る輪です。

影響の輪関心の輪

自分でコントロールできないことばかりを心配してほとんどの時間を過ごしたら、ますますどうしようもない気分になります。
自分でコントロールできることに目を向けると、実際どうにかすることができるし、心も穏やかになります。
 
反応的な人は、ネガティブなエネルギーを発生させ、影響の及ぼすことのできる事柄をおろそかにするので、影響の輪は次第に小さくなります。
影響できることが減ってしまうと、他人の欠点や周りの環境などばかりが気になり、関心の輪が大きくなっていきます。
主体的な人は、努力と時間を影響の輪に向け、自らが影響できる事柄を集中して行おうとします。
影響の輪に集中すればするほど、自分が行ったことが回りに影響を与えるので、関心の輪が小さくなり、影響の輪が大きくなっていきます。
つまり、影響の輪にエネルギーを集中できる人こそが、主体性を高めることができるのです。
ここで関心の輪に集中するのをやめ、影響の輪に集中したことで全く違う結果を生み出したスティーブン・R・コヴィー博士のエピソードを紹介しましょう。
 *
数年間にわたり、私はとても強引な性格の社長が率いる組織のコンサルタントをしたことがあった。
その社長は業界動向を予測する能力が高かった。
彼には天才的な能力、知力、想像力があった。
そして社員の誰もがそれを認めていた。
しかし、彼の経営スタイルは非常に独裁的なもので、部下をまるで判断力のない使い走りのように扱っていた。
従業員に対する口調も「これをしろ、あれをしろ、あれを取って来い、俺が全部決めるから」という口調だった。
その結果、周りの経営幹部全員を敵に回すはめになった。
幹部らは廊下に集まると、彼の陰口を言うようになった。
その言い方はとても巧妙でまるで会社の状況を改善しようとしているかのような口ぶりだった。
しかし、結局のところは延々と悪口を言い続け、社長の弱点や欠点をあげつらい、自分たちの責任を回避しているだけに過ぎなかった。
しかしそうした経営幹部の中でひとりだけ主体的な人物がいた。
彼は感情ではなく価値観に基づいて行動していた。
彼は率先力を発揮し、言われる前から先を予見し、社長の気持ちを読もうとしていた。
社長の状況や立場を理解するように努めた。
彼は社長の弱点を認識してはいたが、それを批判するのではなく、それを補うようにしていた。
部下たちに社長の管理スタイルなどの影響を感じさせないように努めた。
そして社長の長所を生かすように努力した。
彼は自分の影響の輪に集中した。
彼も使い走りにされていたが、求められた以上のことをするようにしていた。
社長のニーズをうまく汲み取り、社長の考えを理解し、社長に報告を上げるときは、要求された情報だけでなく、社長のニーズにあった分析とその分析に基づく提案、あるいは意見もあわせて提出するようにした。
ある日私は、コンサルタントとして社長と話していた時、社長が次のように言い出した。
「先生、この人物はすごいんですよ。
 要求した情報を出すだけでなく、
 私がまさに必要としているほかの情報も提供してくれる。
 そのうえ、私の一番心配している事例の分析も行っている。
 そして提案もまとめているんですよ。
 それは実に分析とあっているし、
 その分析はデータと一致している。
 彼の担当部署については何の心配もしなくていい。
 これはなんとも楽な気持ちですよ」
次の会議で他の経営幹部に対する社長の口調は、「あれやれ、これやれ」といういつもの口調であった。
しかしこの人物に対してだけは、「君の意見はどうだね」という言い方に変わっていた。
つまり、彼の影響の輪が広がっていたのである。
社長のこの言葉が、会社の中にかなりの騒ぎを引き起こした。
反応的な経営幹部たちはまた廊下に集まると、今度はこの主体的な人物の悪口を言い始めた。
ところが、この人物は彼らに対しても主体的だった。
徐々に彼らに対しても、彼の影響の輪が広がり始めた。
やがてその組織の中で、この人物の賛成と参加を得なければ、社長も含めて誰も重要な決定を下せないほどに、彼の影響の輪が拡大した。
しかし社長はこのことを脅威に感じる必要は無かった。
なぜなら、この人物の強みは社長の弱点を補うものだったからである。
2人の強さを活かしあい、相互に補完しあうチームを形成したのだった。
この人物の成功は、周りの状況に依存するものではなかった。
他の経営幹部たちも全く同じ状況だった。
しかしその状況に対して、彼は違う反応を選択した。
影響の輪に集中することで違う結果を生み出したのである。
*****
「影響の輪」と「関心の輪」は、筋肉と脂肪の関係によく似ています。
「影響の輪」に集中すれることは、筋肉を鍛えることと同じです。
筋肉は鍛えれば鍛えるほど太く強くなります。
同様に、何かを変えたいと思うとき、あるいは自分の人生を少しでも価値あるものにしたいと思うとき、自分で影響できることに集中することで、自然と影響力は増していくものであると思います。
一方「関心の輪」は、皮下脂肪と同じです。
関心があっても影響できないことにばかり集中すれば、皮下脂肪ばかりが増え、筋肉は衰え細くなっていきます。
古事記の大国主神話では、蛇、ムカデ、蜂を通して、愛する者のために、愛するものとともに苦難や葛藤や心身の痛みに立ち向かえと私たちに教えてくれています。
自分で影響できることに集中するということは、自分が愛するもののために、愛するものと共に戦うことでもあります。
最近では、夢が大事であるかのように教えますが、昔は夢より「志」が大事にされました。
「夢」は、ただ「こうしたい、こうなりたい」と思うものです。
「志」は、それに「何かのために」が加わります。
母のために、妻のために、子のために、恋人のために、あるいは祖国のために。
その「〜のために」、「こうする」という決意が「志」です。
他界した義理の弟は、元、陸上の選手でした。
けれど社会人となってから、重度の糖尿から両足切断となりました。
さぞかし辛かったろうと思います。
けれど、弱音は聞いたことがありません。
足を切断したとき、弟には、二人の娘がいました。
その二人の娘が立派に成長し、高校を卒業する年齢になったとき、彼は安心したのでしょう。
他界しました。
一昨日も書きましたが、物理的な時間は一定でも、人の人生は、歳とともに時間が短くなっていくものです。
10歳の子供の1年は、70歳の人の7年に相当します。
逆に70歳の大人にとっての7年は、10歳の子供の1年に等しいといわれます。
精神的時間、もしくは命の時間は、歳を経るに従って年々短くなります。
年々短くなるその貴重な時間を何につかうのか。
ただ、関心の輪に追われるだけで終わるのか、
それとも志を立て、自分の影響できるものに集中してすごすのか。
「ローマは一日にして成らず」という言葉がありますが、一日や二日では答えなどでるものではありません。
しかしそれが影響の輪の内側のことであれば、それを1年で駄目なら3年、3年でだめなら10年、10年でだめなら20年、あきらめずに淡々と続けることなのだろうと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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「お詫びと訂正」
第一巻八十三ページに「これは千葉の常若神社の渡邊宮司から教えていただいた話なのですが、聖徳太子の十七条憲法の各条文は、それぞれ創成の神々の神名と関連付けて書かれているからこそ、十七条なのです」とありますが、私が教わったことは古事記と聖徳太子に関するお話であり、聖徳太子の十七条憲法と神々の神名との関連付けは教えていただいたことではなく、私の考えであると、渡邊宮司をはじめ、関係各位に深くお詫びして訂正いたします。

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