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先般、安倍総理とプーチンさんとの会談については、さまざまな論評があります。
一点、総理の記者会見のなかにあった次の言葉には注目が必要だと思いました。
それは次の言葉です。
「戦後71年を経てもなお、
日露間には平和条約がない。
この異常な状態に、
私たちの世代、私たちの手で
終止符を打たなければならない」
戦後70年を経過してなお、実はロシアと日本はいまだ戦争中です。
昭和20年は、あくまで戦闘を止めた年です。
戦争の終結には、当事国同士の平和条約の締結が必要です。
それがなされない間は、両国は交戦中です。
日露平和条約がいまだ締結されていないという現実は、日露はいまだ第二次日露戦争の最中だということです。
米英その他の国とは、昭和27年のサンフランシスコ平和条約の発効によって戦争が終結しています。
ただ、これもまた実は「形式上」です。
実態上は、いまだ日本は占領統治下にあります。
なぜなら、日本に米軍基地があるからです。
それが不要と言っているのではありません。
現下の特亜三国の横暴を考えれば、むしろいま日本に米軍基地がなければ困ります。
ただし、日米安保があるといっても、米国は核を保有する国とは決して戦争はしません。
その核を、中共もロシアも北朝鮮も保有しています。
つまりもし日本に中共、ロシア、北朝鮮の三国が仮に攻めてきたとしたとき、米軍は情報提供以外は、「何もしない」ということです。
ですから国の護りは、自国でちゃんとできるようにしなければならないのです。
戦争を終わらせるためには、わかりやすくいえば、次の3つの条件が必要です。
1 交戦(ドンパチ)の停止
(これは昭和20年に我が国が自主的に停止しています)
2 平和条約の締結
(米軍その他連合国とは平和条約が昭和27年に発効しています。
ロシアとはその平和条約さえ、まだありません)
3 軍隊の撤収
(この3があってはじめて占領状態の解除ということになります)
つまり、北方領土云々をする以前の問題として、ロシアとは、いまだ1の状態にあって、2も3も未了です。
その意味で、大東亜戦争は、実はいまだに続いているし、昭和20年に始まった第二次日露戦争も、いまだ継続しているのです。
日本は戦争当事国なのです。

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ロシアに関しては、さらに大きな問題があります。
北方領土は、日露間において、両国の条約で、樺太の南半分と千島列島は、日本の領土と定められています。
これを当時のソ連は、一方的に破棄して、日本への侵略を行いました。
ですから北方領土問題というのは、国後、択捉などの四島だけの問題ではありません。
ソ連によって軍事占領された樺太の南半分、千島列島のすべて、もしかしたら満洲も、実はいまだに条約破棄、軍事占領という状況にあります。
これをどうするかということをきちんと定める平和条約を締結し、日本の領土と決まったエリアから、ロシア軍が撤収して、そこではじめて、形式的にも実質的にも戦争は終結します。
けれども、北方領土問題を具体的にどのように解決するかという前に、何よりもまず、両国が戦争状態を終わらせようという意思表示が必要なのです。
連合国との間では、
昭和20年8月15日に日本は自主的に交戦状態を終わらせ、
同年 9月 2日に、戦艦ミズーリの艦上で降伏文書に調印しました。
そして、
昭和27年4月に平和条約が発効しています。
ロシアとの間には、実はこの戦艦ミズーリ上での文書調印さえ、いまだにないのです。
日本が降伏しろと言っているのではありません。
戦争状態を終結させ、両国が平和的に今後お付き合いができるようにしていこうとする、そのための努力が必要なのです。
その意味では、今回の安倍総理とプーチン氏との対談は、戦争当事国の首脳同士が、一緒に温泉につかりながら、戦後はじめての対話を行ったという、これは歴史的な大事件なのです。
普通は、戦えば、勝敗があります。
負けた側は降伏文書に調印させられるか、国そのものを滅ぼされて併呑されます。
ところが日露は、占領されている国のトップが、占領している国のトップを招いて、一緒に仲良く温泉につかりながら、共同で記者会見を行ったのです。
このようなことは、歴史上類例がありません。
どこまでも平和を希求する日本であればこそのことなのです。
にもかかわらず、多くの論者が、安倍外交は失敗だったように言います。
そうでしょうか。
領土問題解決の前に、平和条約締結のための対話の道を開くことが失敗なのでしょうか。
短兵急に解決を急ぐなら、目下、まだ交戦中なのです。
再び、交戦しろとでも言うのでしょうか。
日本国憲法は、国際紛争解決の手段としての軍事力の行使と軍事力の保有を放棄しています。
有名な戦争放棄です。
けれど、北方領土(南樺太、千島諸島)が、現実に軍事占領されており、しかも日露が戦争係属中であれば、北方領土(南樺太、千島諸島)自国の領土内に、他国が不法に居座っているという状況なのですから、国際紛争ではなく、どこまでも国家存続権、自衛権の行使として、自衛隊、警察、消防を繰り出してドンパチを開始することは憲法解釈上、できないことではありません。
あるいは、現在執行を停止している大日本帝国憲法に基いて、軍事力の行使をしても構わない。
できないことはないのです。
けれどそうすることを、日本国民は望んでいるでしょうか。
ドンパチが始まることを望んでいるのでしょうか。
けれど、平和条約もないのに、領土問題を持ち出すということは、それは交戦を再開しろということに等しいのです。
まずは両国が、ドンパチはしない、という大前提を築かなければ、実はドンパチ抜きでの解決ができないのです。
なぜなら日露は第二次日露戦争が係属しているからです。
日米間に平和条約がありながら、米軍の我が国への駐屯は、現段階では、東亜地域の不安定な状況から、日本は認めざるをえない。
ですから日米間は、形式的にはサンフランシスコ平和条約で戦争を終わらせていながら、実質的にはまだ被占領状態を続けているという不安定な状態にありながら、それでも日米関係は、きわめて良好に保たれています。
ロシアについては、その平和条約すらないのです。
だから安倍総理は、
「この異常な状態に終止符を」
と言っているのです。
その意味において、今回の安倍プーチン会談は、歴史に残る快挙と言って良いものであろうと思います。
現在の世界では、国際間に紛争が起これば、まずは話し合いで解決をすることになっています。
けれどその話し合いが不調に終われば、戦争以外に解決の方法を持ちません。
日本は、自分からは戦争をしかけないし、武力も用いないと宣言している国です。
それが良いか悪いかの議論は別として、憲法にそのように書いて有ることは事実です。
そうであれば、日本は、どこまでも気長に、一歩ずつ、話し合いを深めていく以外、問題の解決の方法はないのです。
それが悔しいというのであれば、日本が、独自に武装し、国軍を持ち、不条理に対しては戦いも辞さずという姿勢になるしかありません。
国連においても「敵国」とされている日本にとっては、選択肢は、実は二者択一なのです。
私は、平和であることを第一に望みたいと思います。
そしてそのことは、服従を意味するものではありません。
服従せず、迎合せず、だけれどもしっかりとした地歩を固め、戦争ではない事態の解決を模索していくことが大切なことであると思っています。
ご参考
→北方領土と我が国主権のお話
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2905.html
お読みいただき、ありがとうございました。

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