☆本日午後から倭塾です。ちょっと考えればわかることを、いままで誰も教えてくれなかったというお話が、実は天の岩戸の神話の中にも、もりだくさんあります。今日は、そのお話です。
みなさまのご来場をお待ちしています☆

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20161006 運動会
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One is for everyone everyone for himself.
(ひとりはみんなのためにみんなはひとりのために)
有名な言葉なのでご存じの方も多いと思います。
もともとはフランスの作家のデュマ著『三銃士』(1844年)の中で、銃士たちの友情を表すモットーとして出てきて広がった言葉なのだそうです。
真偽のほどはわかりませんが、とても良い言葉で、大好きな言葉です。
ところがこうした素晴らしい思想も、おかしな人の手にかかると、まったく違った意味にされてしまいます。
すこし引用します。
******
【「もう1回運動会やれ」校長に包丁突き付ける
  容疑の夫婦を逮捕 子供が運動会に出られず?】
産経ニュース 2016.10.5 19:31
http://www.sankei.com/affairs/news/161005/afr1610050017-n1.html
茨城県警日立署は4日、暴力行為等処罰法違反の容疑で、
茨城県日立市南高野町の無職、生天目(なばため)利明容疑者(50)と
妻で無職の由貴子容疑者(49)を逮捕した。
20160810 目からウロコの日本の歴史

【倭塾】(江東区文化センター)
第33回 2016/10/8(土)13:30〜16:30 第1/2研修室
第34回 2016/11/12(土)18:30〜20:30 第4/5研修室
第35回 2016/12/24(土)13:30〜16:30 第4/5研修室

【ねずさんと学ぶ百人一首】(江東区文化センター)
第8回 2016/10/20(木)18:30〜20:30 第三研修室
第9回 2016/11/24(木)18:30〜20:30 第三研修室
第10回 2016/12/8(木)18:30〜20:30 第三研修室


逮捕容疑は、
2日、自宅を訪れた子供が通う同市内の学校の校長と教員2人に、
包丁を突き付けて「運動会をもう1回やれ」などと脅迫したとしている。
利明容疑者は「やっていない」と容疑を否認、
由貴子容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている。
同署によると、両容疑者は子供が通う学校に対し、
2日に行われた運動会を「延期しろ」と複数回にわたって要求していたという。
同署は動機を調べているが、
何らかの理由で子供が2日の運動会に出られないため、
「延期しろ」と要求したが、聞き入れられなかったことから、
「もう1回やれ」と脅迫した可能性があるという。
******
少し詳しく申し上げますと、はじめこの生天目利明容疑者らから学校に、
「運動会の期日を延期しろ」という電話がはいったのだそうです。
理由は不明です。
とにかく、「その日はウチの都合が悪いから延期せよ」と一方的だったのだそうです。
運動会の期日は、だいぶ前から決まっていたことですし、すでに全校生徒に告知も済んでいるわけですから、当然学校側はこれを丁寧に拒否してお断りし、期日通りに運動会が開催されました。
すると生天目利明容疑者らは、学校に電話をし、
「事前にちゃんと延期せよと伝えていたのに、
 学校側が強引に運動会を開催したのはけしからん。
 校長を出せ」と凄みました。
それで校長が電話に出ると、声を荒げて、事情を説明に自宅まで来いという。
そこで生天目利明容疑者らの自宅を、別な教員二人をともなって訪問すると、
生天目利明容疑者と、その妻の由貴子容疑者二名が、包丁を持ち出して
「運動会をもう1回やれ」と校長ら3名に強要した、という事件です。
この事件は、加害者側の児童の両親が包丁を持ち出したことで、警察で事件として扱われるに至ったのですが、実は、同様の、理屈にもならない屁理屈を付けて怒鳴り散らして、理不尽な要求を学校や企業などに行うというケースは、いま全国で頻発しています。
他にも学校で、給食費を払わない親があるので、PTAのときに支払うようお願いをしたところ、ある親が立ち上がり、
「注文していないのに、どうして払う必要があるのですか?」とえらい剣幕で怒鳴りだしたのだそうです。
以来、その学校では、PTAで給食費に関する話はタブーになったのだとか。
もう少し違った例では、たとえばタクシーの乗客が、目的地に到着する前に、
「道が違う、メーターを上げるために故意に遠回りしやがったな、
 こんなタクシー信用できない。カネは払わん」などと
狭いタクシー内で大声を張り上げて怒鳴り散らし、
結局タクシー代を踏み倒す、あるいは普通なら3千円かかるところを1千円だけ払って車を降りるなどといったケースもあります。
ちなみにあるタクシー乗務員は、社内であまりに怒鳴られるものだから、彼はもと警察官だった人なのですが、つい緊張が走ってハンドル操作を誤り、タクシーを縁石に乗り上げてクルマに傷を付け、修理費に会社に10万円も収めるハメになったという話も聞きました。
上の学校のケースでもそうなのですが、ことは、巷間よく言われるモンスター・ペアレンツ問題ではないようです。
共通しているのは、とにかく怒鳴りまくること。
喧嘩腰でところ構わず大声を張り上げて、筋の通らない屁理屈を一方的にまくしたてる。
こちらの言うことをまったく聞こうとしない。
要するにキチガイを相手にしているようなもので、対話にならない。
日本人は面倒が嫌いですし、こうしたトラブルに巻き込まれた場合、巻き込まれた側が「不徳があったのでは」と考える民族性を持っています。
だから大声を出されたりすると、そこまで真剣なのだから、きっとその中に言い分があるのだろうと、真面目に考えようとします。
そこをこうしたギャングたちに付け込まれるわけです。
このギャングたちというのは、日本に住んでいて、日本語を話し、日本人の名前を名乗っていながら、日本をバカにしている、実は日本人でない人たちのことです。
彼らには彼らだけの常識(自分が上と認めた人の言う事しか聞かない)があって、それ以外の日本人としての(あるいは万国共通の)普通の常識はまったく通用しません。
その彼らには独特の処世術のような常識があって、それは、
「日本人は大声をあげて高飛車に出れば、言うことを聞く」というものです。
日本人の若い女性がAVに無理矢理出演させられるときにも、この手口が使われます。
そしてこの手のギャング連中たちは、事件が表沙汰になると、
「自分はそんなことはやっていない」と、平然と嘘をついたり、まるで人が変わったように相好を崩してニコニコします。
先日の国会本会議で、ある野党党首が安倍総理に自民党は女性を政治家に取り立てないと声を荒げ、総理から「民●党よりもあきらかに女性候補を多く擁立している」と、具体的に数字を出されて反撃されると、まるで人が変わったように、こぼれるような笑顔で笑っていました。
マズイと思ったら笑ってごまかす。
けれどそうなるまでは、興奮状態で声を荒げて相手を攻撃する。
ちなみにギャングという語は、もともとは単なる「集団」とか「なかま」を意味する単語です。
悪党の集団のことを昔のアメリカで、集団(ギャング)と呼んだことから、次第に悪党のことがギャングと呼ばれるようになりました。
日本語に訳したら匪賊(ひぞく)です。
「匪」という字は、「非行をはたらく仲間」という意味の漢字で、「賊」は「戈(ほこ)」+「甲(かぶと)」で「貝」=財物を奪う、つまり武装してカネや財物を奪う人を意味する漢字です。
社会に害をなす者が国賊、
山や海で人の財物を奪うのが山賊に海賊、
徒党を組んで武装して悪さをしまくる集団が匪賊であり、英語で言ったらギャングです。
その武装に「怒鳴り散らす」を加えたら、いまどきの日本の中にいる、ギャングになります。
日本人も、叱るために怒鳴ることはありますが、根本に違いがあります。
日本人には、相手にたいしての愛があるのです。
ギャングが怒鳴るのは、怒鳴ることが自分にとって都合が良い場合です。
この違いは大きいです。
上の運動会の事件では、包丁を持ち出したから警察が動きましたが、ただ怒鳴っているだけでは、傷害事件でもなく、とくにそれが民事であれば、警察はうごけないということにされていますから、余計にやりたい放題になります。
誰もがそんなギャングなど、そばに絶対にいてほしくないであろうと思うのですが、そんなギャングがはびこることがなぜ放置されているのかといえば、問題の根幹は、むしろ日本人の側にあります。
悪を誅して正義を行うには、正義感と武力が必要なのですが、おどろくべきことに日本では「正義とは何か」が、学校でまったく教えられません。
ですからいまでは、「正義とは何ですか?」と問われて、即答できる人の方がむしろ少数派です。
また答えたとしても、「倫理、合理、法律、宗教に照らして公正な道徳的正しさ」くらいの、わかったようなわからないような答えしか帰ってきません。
では「道徳的って何?」と問われると、答に詰まってしまいます。
正義も道徳も、本来は国家への善良な忠誠のことです。
国家とは、人々の集合体のことです。
古くからシラス国として、民衆が大御宝とされてきた日本では、より多くの民衆のためになることが正義とされてきました。
忠誠と正義は、音読みだとわかりづらいかもしれませんが、訓読み、つまり大和言葉で読むとたいへんにわかりやすくなります。
 忠誠 まめなる心でまことをつくす
 正義 ただしきことわり
つまり、「ただしき ことわり(条理)のために、まめなる心でまことにつくすこと」が、正しき人の道とされてきたわけです。
そして何が正しいのかといえば、自然災害の多いこの国において、ひとりでも多くの人のために生きていくこと、そのために人の道を踏み外さないこと、そして「ひとりでもおおくの」という言葉の最大延長先には、「くに(=国家)」があるのです。
西洋社会よりも、はるかに古い大昔から、これを国家のカタチにしてきた日本は、その意味においては世界最古の国民国家を形成した国であるということができます。
そしてその国家から照らして、より多くの人を豊かに安全に安心して暮らせるようにしていくこと、そのためにあらゆる場面において、生かされているということに感謝すること(神ながらの道)が、人の道とされてきたのです。
ですから日本人にとって、本来、正義とは、国家を指します。
ところが戦後は、正義や道徳を養わないどころか、「国家」そのものを否定する教育が行われました。
そんなことをしたら、正義も道徳もその矛先(中心核)を失うのはあたりまえのことです。
すると正義と道徳を失った国民がどこに行くのかというと、価値観の中心は「自己の利益」だけになります。
自分さえよければ良いという、いまどきは諸外国どの国にあっても通用しないご都合主義が、日本人相手には、通用するのです。
ならば、自分に利益があると思えば、怒鳴りつけて言うことを聞かせれば良いと、日本に住む日本が嫌いな日本人でない人が思い、行動しても、それはあたりまのこととなります。
もともと日本人が招いた事態なのです。
もうひとつは、これは江戸時代までの日本にあって、明治以降の日本が失ったことなのですが、犯罪は「起きてから法に照らして処罰するものだ」という明治以降の思想があります。
もともとの日本ではそうではなくて、犯罪に限らず事件や事故も含めて、「起こる前に先手をとって事件や事故が起こらないようにする」ということが、社会慣習となっていました。
事件や事故は、起きてから手を打つのでは遅いから、起こらないように努力する。
それが「先手を打つ」ということです。
起きてからでは「後手」なのです。
先手なら、仮に起きてもボヤ程度で収まります。
後手では、被害者が出ますから、取り返しがつきません。
その先手を打つために、あらゆる権力を与えられていたのが奉行です。
ですから事件が起きてしまった、となれば、奉行は切腹です。
権力と責任はイーブンなのです。
そのために、腰に二本の刀を指しているのだし、だからこそ、民のために行いを奉ずると書いて奉行です。
起きた事件は、法に照らして処罰しますが、起きる前の事柄は法に照らすことはできません。
するとそこには恣意が入るではないかという危惧を主張する方もおいでになりますが、恣意であっても、まだ何も起きていないうちなら、取り調べられる側の負担は、事件を起こしてからと比べれば、圧倒的に軽くて済むのです。
一例をあげます。
長屋に済む女性が、長屋で売春をしたら、長屋の番頭は遠島です。
所名主(いまでいう町会長さん)は、関係なくても入牢です。
土地の地主さんも監督不行き届きで牢屋行きです。
さらに長屋自体が「お取り壊し」です。
そしてご近所である五人組の人たちは、全員一定期間、毎月罰金です。(日本史検定講座秋吉聡子先生講義より)。
売春でさえ、これです。
殺人とかになれば、奉行自身にお咎めが行きます。
それくらい厳しかったのです。
ですから、逆にいえば、売春をしそうだ、という段階で、そういう人を長屋から追い出すなり、近隣で他の仕事を世話するなどして、とにかく犯罪を絶対に犯させないように、これは、そうしなければ、むしろ周囲の人たちが全員、大迷惑を被るのです。
冒頭のような不埒な者が、運動会にクレームを付けたというのなら、それが江戸社会であれば、容疑者がクレームを付けた段階で、その児童は学校から追放です。
お奉行の耳に入れば、そのクレーマーが住んでいるマンション自体が取り壊しです。
マンションの管理人は遠島、家主や地主は入牢、同じフロアの人たちは、一定期間罰金です。
そんな社会は自由が束縛されるから嫌だという人もいると思います。
けれど、ギャングが市民のような顔をして平気で跋扈し、いつ身に危険が及ぶかわからないという社会と、束縛はあるけれど、互いが助け合っていく社会と、果たしてどちらが、住みよい社会といえるのか。
私なら、文句なしに後者を選びます。
まともに生きている分には、何も困ることがないからです。
日本人は、もとからあった、その社会の厳しさを取り戻すべきときに来ているように思います。
お読みいただき、ありがとうございました。

20151208 倭塾・動画配信サービス2

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