20160720 日本史検定7期

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20160808 おことばを述べられる天皇陛下

昨日午後3時、天皇のお言葉が発せられました。
まずその全文を公開したいと思います。
この文は、宮内庁のHPで英文とともに公開されているものです。
*******
【象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば】
(平成28年8月8日)
http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12
戦後70年という大きな節目を過ぎ,
2年後には,平成30年を迎えます。
私も80を越え,
体力の面などから様々な制約を覚えることもあり,
ここ数年,
天皇としての自らの歩みを振り返るとともに,
この先の自分の在り方や務めにつき,
思いを致すようになりました。
本日は,
社会の高齢化が進む中,
天皇もまた高齢となった場合,
どのような在り方が望ましいか,
天皇という立場上,
現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら,
私が個人として,
これまでに考えて来たことを話したいと思います。
即位以来,
私は国事行為を行うと共に,
日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の
望ましい在り方を,
日々模索しつつ過ごして来ました。
伝統の継承者として,
これを守り続ける責任に深く思いを致し,
更に日々新たになる日本と世界の中にあって,
日本の皇室が,
いかに伝統を現代に生かし,
いきいきとして社会に内在し,
人々の期待に応えていくかを考えつつ,
今日に至っています。
そのような中,
何年か前のことになりますが,
2度の外科手術を受け,
加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から,
これから先,従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合,
どのように身を処していくことが,
国にとり,
国民にとり,
また,私のあとを歩む皇族にとり
良いことであるかにつき,
考えるようになりました。
既に80を越え,
幸いに健康であるとは申せ,
次第に進む身体の衰えを考慮する時,
これまでのように,
全身全霊をもって
象徴の務めを果たしていくことが,
難しくなるのではないかと案じています。
私が天皇の位についてから,ほぼ28年,
この間私は,
我が国における多くの喜びの時,
また悲しみの時を,
人々と共に過ごして来ました。
私はこれまで天皇の務めとして,
何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが,
同時に事にあたっては,
時として人々の傍らに立ち,
その声に耳を傾け,
思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。
天皇が象徴であると共に,
国民統合の象徴としての役割を果たすためには,
天皇が国民に,
天皇という象徴の立場への理解を求めると共に,
天皇もまた,自らのありように深く心し,
国民に対する理解を深め,
常に国民と共にある自覚を
自らの内に育てる必要を感じて来ました。
こうした意味において,
日本の各地,
とりわけ遠隔の地や島々への旅も,
私は天皇の象徴的行為として,
大切なものと感じて来ました。
皇太子の時代も含め,
これまで私が皇后と共に行おこなって来たほぼ全国に及ぶ旅は,
国内のどこにおいても,
その地域を愛し,
その共同体を地道に支える市井の人々のあることを私に認識させ,
私がこの認識をもって,
天皇として大切な,
国民を思い,国民のために祈るという務めを,
人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは,
幸せなことでした。
天皇の高齢化に伴う対処の仕方が,
国事行為や,
その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには,
無理があろうと思われます。
また,天皇が未成年であったり,
重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には,
天皇の行為を代行する摂政を置くことも考えられます。
しかし,この場合も,
天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま,
生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません。
天皇が健康を損ない,
深刻な状態に立ち至った場合,
これまでにも見られたように,
社会が停滞し,
国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。
更にこれまでの皇室のしきたりとして,
天皇の終焉に当たっては,
重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ2ヶ月にわたって続き,
その後喪儀に関連する行事が,1年間続きます。
その様々な行事と,
新時代に関わる諸行事が
同時に進行することから,
行事に関わる人々,
とりわけ残される家族は,
非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。
こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが,
胸に去来することもあります。
始めにも述べましたように,
憲法のもと,天皇は国政に関する権能を有しません。
そうした中で,
このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ,
これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり,
相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,
そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく,
安定的に続いていくことをひとえに念じ,
ここに私の気持ちをお話しいたしました。
国民の理解を得られることを,
切に願っています。
********


まず、天皇陛下のお言葉を、我々国民があれこれと忖度することは、ご不敬にあたると思います。
ですから、陛下のお言葉は、我々国民は、ただ受け入れるべきものである、ということを先ず申し上げたいと思います。
そのうえで、天皇の御肉声のことを、玉音(ぎょくおん)と言います。
ときの天皇が「全国民」に向けて玉音を発せられたのは、日本開闢以来たったの三回しかありません。
最初が昭和天皇の、昭和20年8月15日の終戦の玉音放送。
二番目が、今上陛下の平成23年3月16日の東日本大震災のあとの「天皇陛下のおことば」。
三番目が、今回の「天皇陛下のおことば」です。
終戦の玉音放送が、ものすごく大きな意味のあるものであったことは、いまさらご説明の必要はないことと思います。
5年前の東日本大震災のときの玉音放送は、東日本大震災という未曾有の国難に際して、当時の菅内閣が完全に機能不全に陥る中、陛下のお言葉は全世界に配信され、その結果、米軍が「お友達」と称して、日本に上陸しました。
総理官邸は、当時、米軍の上陸を断りました。
自衛隊の出動さえ、首相の命令のないままに、実は将独自の判断で初期出動がなされていたのです。
国家の非常時に、官邸が何もしない、何もできないなかで、自衛隊と米国政府が共同して、救助活動ができるようになったのは、ひとえに天皇陛下のお言葉のおかげです。
少し考えたらわかりますが、これは実はたいへんなことです。
もし日本の自衛隊が、中共や北朝鮮に、それぞれの政府の了解もなく勝手に上陸して作戦行動を開始したら、これは、国際問題になります。
けれど、東日本大震災の際は、その米軍のおかげで、多くの日本人の命が現実に救われました。
また、それにより、他国の軍隊が日本国土内で活動しているという現実を前に、ときの日本政府も自衛隊の活動を追認せざるをえなくなったのです。
そのおかげで、どれだけ多くの人の命が救われたか。
三度目が今回の玉音放送です。
このお言葉も、実に大きな意味を持ちます。
テレビなどを見ていると、コメンテーターさんは、ただ陛下が譲位を求めたお言葉と、故意にお言葉を矮小化させようと誘導していますが、実は本当はたいへんなことです。
なぜたいへんかというと、今上陛下はこの玉音放送を、ビデオメッセージという形で、全国民はおろか、全世界に向けて発信されているからです。
そして引退とか退位、譲位というお言葉こそお使いになられなかったものの、「80を越え」というお言葉を二度繰り返し、殯(もがり)や葬儀などの例をあげて、その必要をお話になられました。
内容は、論評の隙がないほどに、陛下のお言葉は正論です。
天皇陛下は、1800字程度の「お言葉」のなかで、「象徴」という言葉を14回も繰り返され、憲法のもとに忠実にその職責を果たされてこられたことに触れられています。
つまり天皇の存在は、憲法のもとにあることを意味します。
ところが天皇の退位や生前譲位に関する規程は、日本国憲法はおろか、皇室典範にもその記述はないのです。
ここに論理の矛盾があります。
「象徴天皇」が憲法下の存在なら、譲位はできません。なぜなら規程がないからです。
ところが陛下は、譲位せざるをえないということを、繰り返し述べられています。
この場合、日本国政府および日本国民ができる選択は4つしかありません。
1 憲法を改正する。
2 皇室典範を改正する。
3 新法をつくる。
4 放置する。
 
1を行うには、あまりに時間がなさすぎです。
憲法を変えるには、国民投票が必要になるからです。
2は、現状では第四条に「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」とあるだけで、生前退位、生前譲位に関する規程がありませんから、これを国会で改正することになります。
国会立法という意味では、3の新法で対応するも同じです。
内閣で起草し、国会がこれを承認決議して、施行となるという手順になろうかと思います。
ところがこれは重要な問題を引き起こします。
つまり天皇であれば、天皇の国事行為は、憲法でがんじがらめに縛られています。
けれども、生前に天皇をご譲位されたあと、前天皇がいかなる地位となるのかが問題になります。
これは上皇等の呼び方の問題ではなく、退位後の天皇は、国事行為の範囲でなければ活動できないのではなく、私人として、自由な行動が保証されることになるからです。
天皇の国際的な影響力は計り知れないものがあります。
あえて申し上げるならば、日本国総理大臣の数倍、もしくは数千倍の影響力がある御存在です。
その影響力を持ったまま、譲位後の天皇は自由な活動が可能になるのです。
このことを皇室典範や新立法で阻止することはできません。
なぜなら、天皇の国事行為の制限は、憲法上の規程だからです。
退位後の天皇の行動だけを法で規制することは、不可能です。
そして4の放置も不可能です。
今上陛下は、全世界に向けてメッセージを発せられたのです。
放置をすれば、日本国政府は、世界に向けてその信用を著しく劣化させます。
そしてこのことは、二つの特殊な国を除いて、世界における日本の地位を低下させることになります。
日本人の多くは、日本を立憲民主主義国家だと思っていますが、世界は日本を君主国と見ているのです。
そして今回の天皇陛下のお言葉は、私たち国民に対して、陛下が「憲法に規程されていないことが、世の中で現実に起こりうる」ということを明確にお示しになられたということを意味します。
つまり憲法があって国家があるのではなく、国家や憲法よりも、もっと上位のものがある。
憲法が全てであって、憲法さえ守っていれば万事安泰ということでは決してないのだということを、このたび陛下は身をもってお示しになられたということができます。
少し詳しく述べます。
今回のお言葉において、陛下は冒頭で、「天皇という立場上,現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら,私が個人として,これまでに考えて来たことを話したいと思います」とお話になりました。
憲法に規程された国事行為のみを行う天皇ではなく、天皇個人としてのお考えを、全国民に向けて、そして全世界に向けて発信されたわけです。
そのことの重みを、まず考えてみる必要があります。
「個人としてのお考え」とは何かといえば、「憲法下の象徴天皇として誠実にこれまでやってきたけれど、年齢的にもう退位譲位をしたいし、そのようにすべきだ」というものです。
ところが、それが現行憲法や皇室典範では不可能だと、おっしゃられておいでになるわけです。
ということは、憲法や皇室典範の規程は、実態にそぐわないということです。
それならば、天皇は本来であれば、政府等に命じて、これを修正させれば良いはずなのですけれど、それは天皇は国政に介入してはならないという現行憲法上、やってはいけないことになっているわけです。
必要があるのに、それができないということは、憲法および皇室典範の不備です。
つまり今上陛下は、現行憲法および皇室典範の不備を明確にご指摘されたことになります。
しかもそれを、「個人としての考え」と言いながら、全世界に向けて発声されたわけです。
このことがもたらすメッセージの意味は重大です。
世界中から尊敬されている日本国天皇が、明らかに戦後日本の政府に対しての不満を述べておいでになるからです。
このことを陛下は、
「日本国憲法下で象徴と位置づけられた」
「憲法の下もと,天皇は国政に関する権能を有しません」
と二度に渡って述べられています。
要するに端的にいえば、自分は憲法通りにやってきたけれど、憲法の記載には明らかな無理があると、身を持ってご指摘になられているわけです。
保守の中でも、憲法に関しては、憲法無効論、改正論で割れています。
しかも、憲法を今後どのようにしていくかについても、意見は割れていて統一的なものはいまだにできていません。
けれど、現行憲法の成立過程云々や、今後の憲法の在り方の議論以前の問題として、誰が見ても不備があるなら、それを変えるのは当然のことです。
矛盾や不備があっても護憲と叫んで思考停止に陥ることは、マヌケなことです。
矛盾や不備があれば、どんどん変えていくのが、本来あるべき姿です。
ところができない。
政府にも、国民にもできない。
日本は、どこまでも天皇あっての国であり国民です。
これを取り戻していくことが、私たち臣民の使命です。
今後、国の内外から大きな圧力が生まれることと思います。
それにより、天皇は憲法よりも上位の存在でなければならない。
それがシラス国日本の本来の在り方です。
今回のことを契機に、日本が本来のあるべき姿に一日も早く戻ることを期待します。

20151208 倭塾・動画配信サービス2

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