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上にあるのはセメントの袋です。
一袋(これで「いったい」と読みます)が25kgあります。
25kgというと、だいたい小学校1年生児童の体重と同じくらいです。
セメントを扱う業者の方ですと、この袋を、一日100〜200袋くらい、持ち上げたり運んだり、降ろしたりします。
それで結構、腰を痛める方もいます。
ところがこのセメント袋、ほんの半世紀前までは、一袋が50kg詰めが標準でした。
体重50kgというと、男子なら中2児童くらい、女子なら中3児童くらいの重さがあります。
中学生200人を、持ち上げて運んで降ろすという作業を、毎日行ったら、それこそ腰痛が出そうです。
ところが半世紀前まで、現場作業員の方などで、50kgのセメント袋を毎日扱う方々で、腰を痛める人は、実はほとんどいませんでした。
何故でしょうか。
昔の人は丈夫だった、鍛え方が違っていた・・・それも正解です。
けれど実は、ものすごく簡単なところに、その秘密がありました。
それは「腰にサラシを巻いていた」です。
一昔前まで、男性はほとんど誰もが腰にサラシの布を巻きました。
サラシは、これでもかというくらキツく巻きます。
これが腰を守り、相当な重量の荷物の上げ下ろしをしても、腰の負担を軽減させて、腰痛になることを防いでいたのです。
同時に、この腹巻き、お腹を冷やさず、しかも真夏に着用していても、汗を吸ってくれて、巻いている方が、かえって涼しく、冬は温かいという特徴がありました。
いつのまにか廃れてしまい、いまでは、サラシを巻くのは、お腹の大きな妊婦さんが腹帯としてお腹の赤ちゃんをささえるために用いるくらいになってしまいましたが、かつては、日本人必携の骨盤補強アイテムだったわけです。
和服は、このサラシを巻いた上から着用しました。
すると男性は、背筋がピンと伸びて、とても姿勢が良くなる。
まっすぐに伸びた姿勢に、角帯を上からちょいと締めて、粋なかっこよさも演出したりしていたわけです。
最近の日本人、特に戦後の日本人は、なにやら猫背があたりまえのような姿になっていますが、猫背は胸を圧迫し、実は腰に負担をかけます。
あまり健康によくない。
やはり、背筋を伸ばしてまっすぐな姿勢が健康にも良いのです。
日本男子が猫背になってしまったのは、もしかすると日本男子がサラシをまなかなくなってしまったせいかもしれません。
ちなみに女性の場合は、このサラシの役割をなしたのが帯です。
簡単にいうと、男性は着物の内側に幅広のサラシを巻いて腰を保護し、女性は着物の外側に幅広の帯を巻いて腰を保護していたわけです。
背筋を伸ばした正しい姿勢だと、男も女も、着物姿が実に美しいものとなります。
よく見られることですが、成人式などで、女性が振り袖を着た姿は、着物もさりながら、その立ち姿も実に美しくなります。
帯を巻くからです。
ところが男子は、サラシを用いずに着物を着るから、猫背が多い。
するとせっかくの和服が、あまり見栄えがしなくなります。
背筋が伸びないからです。
最近、自分もそうなのですが、身近に腰痛の方をよく見かけます。
結局、サラシを巻くという習慣が廃れ、歩く姿が猫背になり、座ったときにも、前かがみか、後ろにのけぞった姿になっていて、背筋が伸びない。
背筋が伸びていないから、腰に負担がかかる。
結果として、日常から腰に負担がかかって、そこがもろくなっているところに、何か重いものを持ったりすると、とたんにぎっくり腰になる。
そんなケースが増えているのかもしれません。
ちなみにこのサラシ、腰骨を保護するだけでなく、腹を冷やさないという特徴があります。
要するに腹巻きの役割を兼ねているわけです。
腹巻きは、体の中心であるお腹を温めます。
すると血流がよくなり、体温が上がる。
体温が1度上がると、基礎代謝量が10%以上も上がるのだそうです。
要するに腹巻きは、痩せやすい体質に導いてくれて、しかもダイエットに大敵な冷えも改善してくれる。
もうちょっと言うと、男のサラシ、女性の帯は、腹部を圧迫するから、食事の量も制限される。
なんと、たいへん効果的なダイエットになるというメリットもあるのだそうです。
さらに・・・・。
人の魂は臍下丹田に宿るといいますが、ヘソ下三寸の魂の在処を、サラシはぐいっと締め付けます。
つまり、肚がすわる。
度胸がつくのです。
男は度胸、女は愛嬌なんて昔はよく言ったものです。
日本男児にサラシ。
見直してみるのも良いかもしれませんね。

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