
インカ文明は、約7500年の歴史を持つと言われる南アメリカのペルーのあたりにあった一大文明です。
最盛期には、80の民族と1600万人の人口をかかえる大帝国であったといわれています。
カミソリの刃も通さないほど精巧に重ねられた巨大な石の建造物や、黄金の仮面、水晶のドクロ、土器や織物、
謎の高原都市などをイメージされる方も多いかと思います。
ところが、それだけの文明が、いまでは歴史伝統文化はおろか、言語さえも失われ、遺跡もただ「謎」ばかりとなっています。
紀元前7500年といえば、日本では鹿児島沖でカルデラ大爆発が起こり、遠洋漁業が始まった頃です。
ちなみにそのインカの特徴なのですが、男性の身長が平均1m57cm、女性が1m45cmくらいで全体に背が低いモンゴロイドで、DNAは日本の縄文人の人骨のDNAにもっとも近く、また日本の縄文時代の遺跡と同様、なぜか遺跡から武器が出土しないという特徴があります。
また、太陽を崇拝し、灌漑による農耕技術を持っていたとされています。
インカの遺跡は神殿、民家、要塞、道路などが、きわめてすぐれた技術によって建設されています。
おもしろいのが石造りの幹線道路で、北部のキトからチリ中部のタルカまで、5230kmにも達する石の道路が建設されています。
しかもこの道路、6キロごとにトポと呼ばれる里程があり、約18km毎にタンボと呼ばれる宿駅が設置されています。まるで高速道路のパーキングエリアと、サービスエリアみたいです。
さらにチャスキと呼ばれる飛脚が約9km毎に設置されていて、タンボ間のリレー方式で、1日になんと約240kmの情報伝達能力を持っていたのことが明らかにされています。
武器の出土がない状況からすると、こうした情報通信幹線は、軍事用というよりむしろ民生用に用いられていた可能性の方が高く、もしこれを民間人たちが普通に活用していたとするならば、その社会はものすごく民主的社会だったのかもしれないとも言われているのだそうです。
ところがインカは、それだけ発達した交通網と文化を持っていたことによって、帝国も文明も滅んでしまいました。
どういうことかというと、スペインの掠奪者、フランシスコ・ピザロの一行がやってきたのです。
ピザロは、現在のペルーの首都、リマ市を建造した英雄と称えられています。
けれど、殺戮と略奪の限りを尽くし、歴史あるインカ文明を完膚なまでに滅ぼし、いまやその片鱗さえもうかがい知ることができない状態にまでしてしまった大悪党でもあります。
フランシスコ・ピザロは、スペインのエスロラマドゥラ地方で私生児として誕生、母親は売春婦だったといいます。
生まれるとすぐに町の教会の前に捨てられ、豚小屋で雌豚から乳をもらって育ちました。
成長して豚飼いを生業としたけれど、やがて新大陸に幸運を求める一旗組に身を投じています。
南米に渡ってきたのは1531年、ピザロ39歳のときです。
アタワルパ王を追って南進したピザロは、翌1532年にカハマルカでアダワルパ王と会見し、その場で彼を生け捕りにしています。
絵はそのときの模様です。
アタワルパ王を逮捕したピザロは、インカ帝国に身代金を要求し、巨額の金銀を受け取りまました。
ところがこれに味をしめたピザロは、アタワルパ王をまる裸にして辱めた挙句、最後には殺害しています。
絵には、そんな謁見の際のピザロの得意満面の表情と、そんな極悪人の前に引き立てられながらなお、その矜持を失わずにたったひとりで抗議をするアダワルパ王の苦悶の表情が描かれています。
そしてピザロはインカで殺戮と破壊、強奪と強姦を繰り返し、ついにはインカ帝国の首都クスコを廃墟にし、さらに財宝を持ち帰ったピザロに刺激を受けたスペインの荒れくれ者たちがインカに向かい、各所で略奪を繰り返しました。
その結果、いまインディオの純血種はいません。
全員がスペイン人のDNAを持っています。
はじめにやってきたピザロの一行は、わずか180名です。
しかしその180名は、結果としてインカの大帝国を滅ぼし、その文明の痕跡さえも完膚なきまでに消し去っています。
頭数が少ないから心配ないなどということはないのです。
キチガイは少人数でも文明文化を滅ぼす、その証拠がインカにあります。
武器を持たない文化は、国内で対立が生まれたときに解決手法として武器に物を言わせない分、発達した内政用の統治システムを持ちます。
それは人々に平和と安定をもたらし、きわめて高い道徳心を育成します。
これはとても良いことです。
しかし、そうしたすぐれた統治システムも、歴史も伝統も文化も、道徳観を持たない武器を持った暴力の前には、実はまったく無力となります。
国内統治には、武器など必要のない政治が必要ですが、さりとて軍事力を持たなければ、国も文明も文化も滅ぼされるのです。
広島と長崎に原爆という人類史上未曾有の暴力が振るわれたのは、そのときの日本がすでに反撃能力を失っていたとみなされたからです。
現在でも世界には、話し合いやだけで平和的に物事を解決できるだけの高度な国際統治システムはありません。
ということは、弱いとみなされれば、インカや北米インデアンのように、蹂躙される危険が大であるということです。
世界に正義を実現できるのは、話し合いだけでなく、武力が背景にあるときだけです。
弱虫は、どんなに正しい理屈を垂れても馬鹿にされ、蹂躙されます。
そしていまの日本は、あきらかに支那や朝鮮に馬鹿にされ、蹂躙されています。
この日本の現状を救い、本来の日本の歴史、伝統、文化を取り戻すためには、私たち自身が日本をしっかりと学ぶだけでなく、日本の軍事力の増強が、実は不可欠の要素なのです。

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