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東郷潤さんは、たいへん真面目な方で、真摯に日本の未来を考えておいでの方です。
彼は、日本と世界の様々な問題について、これを絵本形式で情報発信しておいでになります。
その東郷潤さんが、このたび新しい絵本として出したのが、
「日本独立の選択」
です。
たいへん興味深く、意欲的な内容です。
底の浅い左巻きを跳ね返しているだけでなく、右向きの中にある問題点も浮き彫りにしています。
⇣でみることができます。
http://www.j15.org/Picturebook-Choice/index.html
第28番歌 源宗于朝臣
山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
まえがきの一部をご紹介します。
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日本の未来をどうするのか。
護憲か改憲か平和憲法か、非武装か専守防衛か核武装か、自主防衛か軍事同盟か、脱原発か原発推進か、在日米軍基地はどうするのか。
敗戦で日本の内なる時間が止まってから、すでに70年が経過しています。これから日本はどこに向かって歩いていくのか。
「止まった時間を再び動かし、日本の未来に関して国民的な議論を巻き起こす。そしてしっかりと方向を定めて歩き出す。」 ・・・もうそろそろ、そんな時期が来たのかも知れません。
この絵本は、そんな議論の叩き台に出来ればと執筆したものです。 もしあなたも、日本を長い眠りから目覚めさせ、時計の針を前に進めたいと思われるなら、ぜひこの絵本の「拡散」にご協力頂ければとお願いいたします。
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この絵本でまず呼びかけていること。
それが
「日本は本当に独立国なのでしょうか」
という問いかけです。
私たちは学校で、「日本はサンフランシスコ講和条約によって、昭和27年に独立を回復した」と教わりました。
けれど、日本には全国で合計131箇所の米軍基地があります。
その総面積は、東京ドーム2万個分という途方も無い広さです。
米軍基地を抱えているのは、沖縄だけの問題では無いのです。
そしてこの米軍基地が、日本の領土領領空全部をカバーしています。
これは日本の防衛を米国がしてくれているという点においては、とってもありがたいことです。
ですが、同時に日本が戦争に巻き込まれれば、戦場が日本になる、ということでもあります。
そしてさらに大事なことは、「日本は米国に軍事的に占領された、米国の保護国となっている」ということです。
このことが何を意味しているかというと、ひとことで言うなら、
「日本は独立国ではない」ということです。
「保護国」というのは、植民地とは異なります。
簡単にご説明すると、独立色の強い順番に次のようになります。
「主権国」・・完全に独立した国家
「保護国」・・条約その他によって特定国の保護下にある国家
「付傭国」・・国家の一部に独立的地位が認められる国家
「植民地」・・宗主国によって支配されている国
「保護国」と「付庸国」の違いが少しわかりにくいかもしれませんが、最大の違いは、
宗主国が他国と条約等を締結しも直接には影響を受けないのが「保護国」。
宗主国が他国と締結した条約等に直接影響を受けるのが「付庸国」です。
ちなみに、かつての東洋には「冊封国」という概念がありましたが、これは「保護国」と「付庸国」の両方を含む概念です。
李氏朝鮮は、いまでいう「付庸国」です。
支那の王朝、たとえば清に付属している国です。
雑誌の付録と同じです。
雑誌がなくなれば、付録もない。
ですから、支那の王朝が李氏朝鮮に与えた印綬は、銅印でした。
支那王朝から与えられる国印には、金、銀、銅の序列があったのですが、李氏朝鮮王に与えられたのは、村の村長さんに与えられるのと同じ銅印だったわけです。
これに対し、古代の日本(倭国)は、支那王朝の冊法を受けていましたけれど、支那で戦乱が起きても、日本には何の関係もありません。
つまり今風にいえば、日本(倭国)は「保護国」であったということになります。
だから与えられた印も金印でした。
日本は、古代においてその支那の「冊法」からも完全に独立しました。
ここで「なぜ日本は支那の冊法を受けたのか」という疑問を持たれる方も多いかと思いますが、古代において倭国は朝鮮半島の南半分を支配下に置いていました。
つまり、当時の倭国は大陸と陸続きでした。
ですから、軍事大国である漢や魏や隋などと国交を結び、集団的自衛権を確立することは、我が国の安全保障上、必要なことであったのです。
ところがその後日本は、遣唐使の時代の白村江の戦い後、朝鮮半島の権益を放棄し、朝鮮海峡に国境を敷きました。
こうなると日本は、大陸とは海を隔てるわけですし、新羅と結んだ唐とは敵対関係となりますから、冊法国である必然性は皆無になります。
だから日本は、冊法国であることを辞めたのです。
ちなみに、朝鮮半島の南半分が倭国であった時代に、なぜ支那の魏などが日本と国交を持とうとしたのかには理由があります。
当時、朝鮮半島南部で、倭人たちは鉄を掘っていました。
そして「たたら製法」で倭人たちは、鉄を精錬し、これで農機具や食器を作っていました。
その鉄を、魏はさかんに輸入しました。
魏といえば、三国志で魏の曹操が「やたらに強い人物」として描かれますが、魏の曹操が強かったのは明確な理由があり、曹操は魏の軍隊に鉄製の剣や楯を持たせたのです。
呉や蜀は、青銅器の武器です。
そして青銅器の剣と、鉄の剣がぶつかれば、青銅製の剣は哀れなどあっさりと折れてしまいます。
強度があまりにも違うのです。
そして魏は鉄の輸入のため、倭国との交易を図ったし、鉄を持つ倭国との戦いは避けたし、倭国との交易は極秘事項ともしました。
三国志の中で、魏の曹操が憎らしいほど強かった理由がここにあります。
唐は、その鉄欲しさに新羅と結び、倭国を攻めました。
そして倭国から新羅を独立させ、鉄の産地とたたら工場を手中に収めました。
ところが哀れなことに、収奪国家である新羅は、鉄を精錬することができず、結果、朝鮮半島は以後、ずっと支那の属国(付傭国)の地位に置かれ続けたわけです。
古い話になりました。
現代に話を戻します。
いまの日本は、米国の軍事的保護下にあります。
しかし米国が自国の国益を優先し、日本のリーダーたちが臆病であれば、日本は米国に飲み込まれます。
大店法の廃止や、談合の廃止、TPP、BIS規制、小麦輸入、麻の栽培禁止など、戦後の実例は枚挙にいとまがありません。
だから自主憲法を制定して、我が国の独立自存を図るのだ、というのは、たいへん結構な議論です。
ところがここで東郷さんは、実におもしろい議論の展開をされています。
要するに「護憲派・改憲派の意見の違いは、ひとつの物事を違う角度から見ているだけであって、本来、対立する意見ではない」というのです。
引用します。
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まず日本が冷戦時代も含めて他国に侵略されずに済んだのは、(他国の友情と)自衛隊と安保条約/在日米軍が日本を守ってくれたからであり、平和憲法のおかげではありません。
しかしながら、日本が米国の保護国の身分でありながら米国の戦争(朝鮮戦争・ベトナム戦争・湾岸戦争・イラク戦争など)に派兵しないで済んだのは、平和憲法のおかげでしょう。
さらにこれについては、「米国に押し付けられた」ことがプラスになっている可能性があります。
http://www.j15.org/Picturebook-Choice/29.htm
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つまり、護憲派も改憲派も、どちらも戦争をしたくない、戦争に巻き込まれたくないという国民的意思を反映したものであって、それを護憲派は、平和憲法重視というし、改憲派は独立自存を回復しなければ日本は戦争に巻き込まれるリスクがある、と述べているのです。
日本列島は、米軍基地によって何重にも守られています。
けれど、そのことは同時に「日本列島は米軍によって何重にも征圧されている」ということでもあるわけです。
それが良いこととか悪いこととかを言うつもりはまったくありません。
ただ、真に日本が平和を願い、戦争の惨禍を防ぎたいと思うなら、日本列島が戦場となる専守防衛や、武力の放棄では、まったく意味をなさないということを、私たちはもういちど再認識する必要があると思います。
なぜなら、
米軍の防衛LINEが日本列島をすっぽりと覆っている。
日本は専守防衛を是とする、
という議論は、「万一の際の戦場を日本列島にする」ということだからです。
つまり、日本列島が戦場となることを前提としている議論であるということです。
これこそ、戦争の惨禍を招く議論です。
いったいどこがどう戦争反対であり、戦争の惨禍を防ぐための議論なのか。
本気で日本列島が戦争に巻き込まれることを防ぎたいならば、防衛LINEは日本列島の外側になければならないし、そのために、これからの日本にとって何が必要なのかという視点が、すっぽりと抜けています。
みなさんにも、是非一度、この東郷さんの紙芝居をご欄いただきたいと思います。
ウヨクもサヨクもないのです。
平和を愛し、平和を希求するならば、対立や闘争の枠を出て、冷静に現実を見つめる知恵が大事であることを、この紙芝居は気づかせてくれます。

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