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ティディム道

上にある写真は、ミャンマー西部にあるチン州のティディム道です。
ここは、かつて白骨街道と呼ばれた道のひとつで、ここを約6万人の若い日本人の兵隊さんたちが通り、うち4万名が飢えと怪我とマラリアによる高熱で命を落としました。
この模様の詳細については、『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人・第一巻』に詳しく触れさせていただきました。
写真を御覧頂いて、すぐにわかると思いますが、街道の周囲には畑であり田んぼです。
もちろん集落もあります。
けれど、そんなところを武器を携帯し、腹を空かせた日本人の青年たちが通りながら、盗みや強奪強姦などの事件をただの1件も起こしていないのです。
これは世界史でみたら、奇異なことというより、もはや奇跡に近いことです。
※本日20時から、ユーストリームの生放送に出演します。
(画像をクリックすると該当ページに飛びます)

銀座テレビ


なぜなら世界中どこでも、敗残兵といえば「最も危険な掠奪集団」と相場が決まっているからです。
すでに軍の統制から切り離された敗残兵には、軍から支給される食料もありません。
彼らは武器を手にし、周囲の村を襲って掠奪するしか生き残る道がなかったわけです。
しかも追われる身です。いつ殺されるかわからない。
いわば「明日のない身」であり、自暴自棄になった彼らは、まさに欲望集団に堕ちたわけです。
ですから「敗残兵=掠奪集団」というのは、まさに世界の常識なのです。
ところが日本人は、6万人の青年達が敗残兵となって街道を落ち、そのうち4万人が飢えて死ぬという過酷な状況にありながらも、誰一人、コソ泥さえする者がいなかった。
これはものすごいことです。
なぜなのでしょうか。
どうして彼らは、泥棒さえもしなかったのでしょうか。
それだけではありません。
戦後、インパールの戦いについては、この街道を実際に落ちのび、ようやく生還した元日本の軍人さんたちが、多くの手記を残していますが、その中で、誰一人(誰一人です!)「私はお腹が空いていたけれど、泥棒も強盗も強姦もしませんでした。立派でしょ?」などと書いていないのです。
それは、書いても良いくらい、世界史的に見たら実はすごいことです。
にも関わらず、誰一人、そんなことを自慢などしていない。
それどころか、「現地の人達が屋台を出してくれたおかげで飢えをしのぐことができた。けれどそのときの代金を軍票で払ったから、あとでそれが紙くずになってしまって申し訳ないことをした」などと書いているわけです。
片や生きるか死ぬかの瀬戸際にいるわけです。
一方で現地の人達が屋台まで出したということは、それだけ日本兵(武器を持っています)が安心できる存在、決して民間人を脅したり奪ったりするような人達ではないということを、現地の村の人達自身が一番よくわかっていたということです。
そしてさらに言うならば、目の前の街道をお腹を空かせて落ちのびて行く日本の兵隊さんたちが、畑の作物を奪ったりしないかわりに、街道で次々と白骨になっていく。
だったら、屋台にしさえすれば、みんなすこしでも食べ物を口にできるのではないかと、現地の人が思ってくれたから、屋台が出たのです。
この時点で、すでに日本側の敗色が濃いことは現地の人達は知っています。
ですから軍票をもらったところで紙切れになることは、彼らはとうに知っているわけです。
「それでも何か食べてもらいたかった」
それが彼らの偽らざる気持ちだったのであろうと思います。
これまた世界史どころか、人類史上の奇跡ともいえる出来事であると思います。
なぜ彼ら日本の兵隊さんたちは、飢えてまでしても泥棒や強盗をしなかったのでしょうか。
いくつかの理由がありますが、そのひとつに昔の日本には「命よりも魂を大切にする」という価値観がありました。
人には魂があり、その魂は何度も生まれ変わる。
いわゆる輪廻転生ですが、それを繰り返す。
命は今生限りのものだけれど、魂は永続するものだ。
だから今生で、たとえ自分の命が失われることがあっても、自分の魂だけは汚さない。
そういう思考です。
こういう日本的思考は、すくなくとも私などが子供の頃(昭和30〜40年代)くらいには、当時の大人たちの間にはしっかりと生きていて、だからおじさんたちはよく、
「乞食したって魂だけは汚さない」という言葉がよく出ていたものです。
このことをもう少し図式的に言うと、肉体には命があります。
だから心臓が動いています。
死んだら心臓も止まります。
その命のことを「生命」と言います。
生きている命だから「生命」です。
死んだら命は失われます。
けれど肉体は、「命」とは別に「魂」を宿しています。
そして魂は、肉体と細い糸(緒)でつながっています。これが「玉の緒」です。
肉体と「玉の緒」で繋がれた「魂」は、死ぬとまた次の生まれ変わりをし、現世で様々な苦労や重ねながら魂を浄化していき、最後には神様になる。
ところが魂を穢してしまうと、それまでの何度かの輪廻転生による魂の浄化がリセットされ、またゼロからの出発になる。
「玉の緒」という概念は、百人一首の式子内親王の歌にもあります。
 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば
 忍ぶることの弱りもぞする
この歌にある「玉」が、魂のことです。「御霊(みたま)」ともいいます。
式子内親王は11世紀の女性です。
ということは、すくなくともいまから千年前の日本に「玉の緒」という概念が明確にあったということがわかります。実際にももっと古くからのものでしょう。
要するに何を申し上げようとしているかというと、昔の日本人は、「命」と「魂」を別なものと考えていたということです。
「命」は、死んだら終わりです。ですから今生を生きている間だけのものです。
けれど「魂」は、死んでもなお残ります。
そして生まれ変わって、また別な人生を送ります。
魂はその繰り返しの中で、自らを浄化していき、最後には神になる可能性を持っています。
けれど、現世において悪事に染まり、人を傷つけ、魂を汚せば、せっかくこれまでに築いてきた魂の浄化が、リセットされる。電卓で言ったら「AC」ボタンを押すみたいなものです。それまでの努力が全部水の泡です。また一からやり直しです。
ですからインパールの白骨街道でお亡くなりになった若い日本の兵隊さん達、つまり英霊となった人達は、たとえ命が、餓えやマラリアや怪我によって終わりになったとしても、魂だけは汚さない。
沿道の住民たちから盗んだり奪ったりはしない。
それは、「たとえ餓死したとしても、魂だけは汚さない」ということです。
「乞食したってこの魂だけは汚すものか!」
昔の日本人は、そのように考え、かつ行動したのです。
そしてその結果、6万人の敗残兵が落ちていった街道で、なんと3分の2にあたる4万人が餓えやマラリア、あるいは怪我でお亡くなりになっていながら、その街道のすぐ脇にある現地の人々の田畑の作物は一切荒らされず、また家畜一匹殺されたり食べられたりしていないのです。
なぜなら、「命」よりも「魂」を大切にしたからです。
現代日本では、なによりも「命」が大事だとされています。
そして「魂」が忘れさられています。
「大和魂」という言葉も、英語の「ファイティング・スピリット」や「最大限の勇気」と同じ意味だと考える人が増えています。
ぜんぜん違います。
大和魂は、生命や肉体に宿る精神のことではありません。
日本人の「魂」そのもののことです。
それをみんなで支えあって、互いに魂を汚さないようにした。
それを「社会」にまで高めた。
たとえそのために「命」を失っても、大切なものは守る。
それが日本人です。意味の深さが違うのです。
戦後、いわゆる東京裁判史観によって、日本人には贖罪意識が刷り込まれ、多くの日本人は「もう戦争は終わったのだから」と、日本の復興のために尽力しました。
最初は、空襲で焼け野原となった町の瓦礫の撤去に、そのあとは住宅の建築に、そして会社などのビルの建設に、そして国内のインフラが整備されると、さらにみんなが食えるようにと、経済の復興のために努力してきました。
その過程においては、魂よりも命が大切でした。
なぜならそれは、「あの戦争を生き延びた大切な命」だからです。
生命の宿る肉体が生きていなければ、復興工事ができなかったからです。
けれど私達は、いまいちど日本人として、「魂」を取り戻さなければならないと思うのです。
なぜなら、日本人が古い昔から大切にしてきた「魂」は、優しくて勇敢で雄々しいものだからです。
先般の安倍総理の米議会での演説によって、東京裁判史観に基づく「反日」は正義から悪に転落しました。
これからの日本人は、日米による世界の牽引役として、勇躍羽ばたいていかなければならいことになります。
世界の価値観が変わったのです。
その潮流に乗り遅れないためには、私達日本人は、いまあらためて、魂を取り戻す。
その時期がやってきたのです。
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六月五日
あんまり緑が美しい
今日これから死に行くことすら忘れてしまひさうだ
真っ青な空
ぽかんと浮かぶ白い雲
六月の知覧はもうセミの声がして夏を思はせる
「小鳥の声が楽しさう俺も今度は小鳥になるよ」
日のあたる草の上にねころんで杉本がこんなことを云ってゐる笑わせるな
本日十四、五五分
いよいよ知覧を離陸するなつかしの祖國よ
さらば
使ひなれた万年筆を「かたみ」に送ります。

陸軍大尉 枝 幹二 命
第六航空軍司令部
昭和二十年六月六日 沖縄方面にて戦死
富山県出身 二十三歳
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参考記事:http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1344.html
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特攻隊員たちの遺書

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20150513 やまと新聞収録

ねずさんの日本の心で読み解く「百人一首」
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