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『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人! 第二巻: 「和」と「結い」の心と対等意識』
【CGS ねずさん】第4話 紫式部が言いたかったこと

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東京の冬の夜景

景気を取り戻す。
経済を取り戻す。
素晴らしい政治テーマですが、実は、経済も景気も人が織りなす人々の活動や行動の結果です。
景気が良いというのは、経済、つまりお金の動きが活発化しているということです。
これが繁栄で、その繁栄は「相互の信頼と信用」によってもたらされます。
ですから、人と人、あるいは国家や自治体、政治、官僚、財界、民間との間に、信用(クレジット)がなければ、経済の繁栄はありえません。
その信用は、現金や預金に似ています。
つまり信用の残高が多ければ経済は活性化するし、残高が少なければ衰亡します。
これが経済の原則です。
ですから、経済は人が織りなします。
つまり経済というのは、常に相互の信用(もしくは信頼関係)が基礎になっています。


明治の初め頃の日本は、超が付く貧国でした。
加えて武士が廃業しました。
当時の武家を、大手企業にたとえてみたらわかることですが、中央の株式会社徳川さんを筆頭に、全国300社の参勤交代のある上場企業が、軒並み倒産して、その働き手(サラリーマン)が、全員失業したのです。
リーマン・ショックどころではない経済の大混乱が起きたことは言うまでもありません。
ところがその日本は、日清戦争が終わる頃には、年間750万円の朝鮮の国家予算に、3000万円の補助金を無償で出してあげるほどの経済力をももち、さらに日露戦争の頃には、日本は世界の5強国の一角に食い込むだけの経済大国に成長していました。
大東亜戦争の終戦のときも同じです。
600万人の旧軍人および軍関係者が失業し、国内は焼け野原で、食うものもろくにない。
そればかりか、財閥は解体させられ、公務員は20万人が公職追放となり、地主さんたちは小作農に無償同然で土地を分け与えさせられるという大混乱が起こりました。
ところが、日本はまたたくまに復興が進み、昭和27年に主権回復したかと思うと、なんと焼け野原の貧乏国が、たった12年後の昭和39年(1964)には、アジア初の東京オリンピックを開催できる国にまで成長し、さらにその12年後には世界の経済大国にまで、みるみるうちに経済成長してしまったのです。
どうして日本がこれだけの復興、復活、あるいは成長ができたかといえば、政府と国民、そして国民相互に、しっかりとした信頼の絆があったからです。
政治や政党あるいは、公職追放後の後釜に座った醤油組や三国人などによる官僚や教育者などは、しきりに対立と闘争を煽りましたけれど、日本全体としては盤石の相互信頼がありました。
だから日本は復活も復興もできたのです。
あたりまえのことです。工事を任せれば、ただ任せるだけで、どこにも負けない立派な仕事をしてくれるのです。
しかもそれがあたりまえのようになされるのです。
工事を発注しても、手抜き工事をする、工事代金を途中でネコババする、あるいは工事途中で逃げてしまう。
そういう状態の国とは、根底が違うのです。
以前、パラオに韓国の業者が空港と本島との間に橋を架けました。
ところがこの橋が完成後に、あっという間に崩落事故を起こしました。
パラオ政府は、その倍賞を求めようと、工事を受注した会社を探しましたが、とっくにその会社はなくなっていました。
そんな状態では、実は経済など成り立ちません。
相互信頼の信用の絆がないからです。
日本経済が、まるで成長しなくなった。日本政府が、改革をすればするほど、日本経済は悪くなった、という言葉を、最近、というか平成以降、よく耳にします。
実際、ひとりあたりのGDPは、1993年には世界第二位だったのに、2012年には13位です。
国際競争力は、1989年から1993年まで日本は世界1位でしたが、2012年にはなんと26位です。
日本経済は、悪化の一途です。
実はこれは当然の結果なのです。
日本は、いつのまにか、政官財民の信用の絆が切れ、ことごとく対立と闘争の中にあるからです。
なにせ、協力すること、協同すること、相互に力を合わせることが「癒着」だというのです。
サッカーの選手たちが、チーム内で互いに協力しあってプレイすることが「癒着」であり、批判の対象なら、それで試合に勝てるはずがありません。
すこし考えれば、誰にでもわかることだと思うのですが、昨今の日本では、まるで気が狂ったように、協力することや協同することが「癒着」として糾弾されます。
たとえば駅の線路を高架にする。
そうすることで「開かずの踏切」になっていて、東西、あるいは南北に町が分断されてしまっている。
物流にも傷害が出ている。
そんな情況のとき、政官財民が互いに対立していたら、何もすすみません。
逆に、政官財民が互いに協力し、一致団結して、線路の高架事業を推進する。
そして高架ができあがれば、市民のみんなが潤う。それはとても良いことです。
あるいは、河川の堤防が決壊して、大規模な水害が発生する。
なんとかしなければならない。
そうなれば、まさに政官財民が、みんなで協力しあって、被災者の救助や支援、あるいは復旧作業をしていかなければならない。あたりまえのことです。
平成日本は、それを「悪いことだ、政官財の癒着だ」と言って批判し続けてきたのです。
政官財民が、互いに敵対し、互いをののしり合い、「お前のせいだ」、「いやいやあんたのせいだ」と、互いに批判や悪口雑言を並べ立て、それぞれが「自分こそ被害者です」と声をはりあげるばかりで、誰も責任をとらない。
それで良い結果を期待するほうが、どうかしています。
政官財民は、癒着してこそ、成果があがり、経済が潤い、国が活性化するのです。
もちろん、収賄や汚職はいけません。
けれど、相互に助け合い、協力しあうことの、どこがどうマズイのでしょうか。
互いにののしり合い、責任を押し付けあっているだけで、経済の復興や成長はありうるのでしょうか。
日本は、もともと天皇が国民を「おおみたから」とし、その国民を支えるのが官の役目だとされてきた国です。
そして「君民一体」の国でもありました。
みんなが、日本を「我が家」と思い、みんなが家族同様となって助け合い、慈しみあい、互いに努力しあって、みんなでみんなを支えていく、そういう国柄でした。
だからこそ、日本には信用があり、信用があるから安心して仕事を任せられたし、政官財民の誰もが、互いに協力しあって持てる能力を最大限に発揮しあって、国をささせてきたから、日本は住み良い良い国であったのです。
経済も景気もお金も、すべては「人の世」がつくりだした人のなせるわざです。
ということは、「人」の民度(これを信用といいます)が高くなければ、全体がひずむ、落ち込む。あたりまえのことです。

このように申し上げますと、ChinaやKoreaは、国民相互の信頼関係などないのに、経済が発展している。
ということは、信用や信頼などは関係ないのではないか、という声も聞こえてきそうです。
たしかにChinaの上海や、北京、大連、あるいは韓国のソウルの町にも、いまやビルが建ち並んでいます。
Chinaは世界二位の経済大国と豪語しています。
けれど、そこにあるビルは、ハリボテです。いつ崩落するかわからない危険な建物です。
そのビルの周辺には、貧民街が広がり、年収60万円もない人たちが、まるでモノのように扱われています。
なるほど、一部には大金持ちもいますが、その大金持ちたちは、自国の通貨で預金などしません。
すべて預金は外貨建てです。
つまり、そこには政官財民の協力の姿など、どこにもありません。
ただ支配と隷属があるだけです。
では、それなのにどうしてビルが立ち並ぶの?世界の経済大国になるの?と疑問に持たれる方も多いかと思います。
答えは日本にあります。
日本からカネが流れるから、そのカネで彼らは見かけ上の繁栄を手に入れているだけです。
日本がChinaやKoreaから完全撤収したら、その瞬間、両国の経済は破綻します。
なぜなら、外からお金が入ってこないからです。
つまり極端な言い方をすれば、China・Korea経済というのは、日本から巻き上げたカネによって築き上げられた経済でしかないのです。
だから日本を叩く。脅す。
日本は、殴るぞと脅かせば、いくらでもお金を出してくれる打ち出の小槌だからです。
日本から巻き上げたお金で、ハリボテのビルを建てたのです。

「しなむら」という貧乏な村がありました。
食い物もろくにありません。
人々は殺し合い、肉を食ってようやく食いつないでいました。
ところがある日、山向こうに「ひのむら」という村が広大な田んぼを切り開いて、豊かに暮らしていることに気がつきました。
そこで「しなむら」の人たちは、隣の村を襲っては、米を巻き上げました。
おかげで、誰もがたらふく食えるようになり、ものすごく豊かになりました。
あたりまえのことですが、ころが米を作っていた「ひのむら」は、だんだん貧しくなっていきました。
村人たちは、米の作り方が悪いんじゃないか、いやいや庄屋さんの態度が最近悪いんだよ、と互いに疑心暗鬼になり、互いの信頼関係が崩れ、いつの間にか米をつくる力さえも半減していきました。
いつのまにか堤防のメンテナンスもおろそかになっていきました。
村にいても食えないからと、昔貧乏で、いまは豊かになっている隣村に行き、そこで米を作るようになりました。
けれど、作った米はことごとく、その村の村人たちに巻き上げられてしまいました。←(いまココ)
ある日「ひのむら」を洪水が襲いました。
かつて立派な堤防で水害を防いでいた「ひのむら」は、人々が堤防の手入れを怠るようになっていましたから、あっという間に、堤防が決壊し、水浸しになり、いつしか村はなくなってしまいましたとさ。←(未来像?)

政治は対立だ、と思っている人は、いまの日本に多いようです。
けれど、対立し、争い、互いに悪口を言い合う世の中では、どこまで行っても、信頼の和は広がりません。
そして信頼がないところに、信用は生まれません。
信用がなければ、経済は絶対に活性化しません。
争いよりも和、対立よりも協和、不信よりも信用。
経済は人が織りなすドラマです。
ならば、人が変わらなければ、経済なんて絶対によくならない。
そして住み良い世の中は築けない。
だからこそ、日本を取り戻す。日本の本来ある信頼の和の国のかたちを取り戻す。
それが、まわりみちにみえて、実は、いちばん近道の日本再生の道だと私は思います。


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