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『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!第二巻「和」と「結い」の心と対等意識』
2014/04/12 発売予定ISBN: 978-4-434-18995-1 Cコード:C0021 本体価格:1350円+税 判型:四六 著者:小名木善行 出版社:彩雲出版

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台湾立法院占拠事件2

台湾の立法院(国会議事堂)を占拠した学生と市民の数は、31日には、50万人を超えるものとなりました。
昨日まで台湾で取材をしましたので、その報告です。
日本のメディアでは、ほとんど報道されないこのデモは、台湾のテレビでは、いまや一日中これを繰り返し報道しており、また、新聞も各紙一面から政治面、経済面、社会面に至るまで、もはやこれについての報道一色となっています。
また、下に示しますが、米国もこの大規模デモについては強い関心を寄せており、まるで無関心とみえるのは、なんといまや日本だけ、という情況になっています。
その日本は、かつては台湾と同じ国(台湾人は日本人)でした。
そして東日本大震災では、台湾の人々は、なんと200億円を超える世界第二位の義援金を送ってくれました。
そして台湾では、お店に入っても、屋台で食事しても、日本人だというだけで厚遇してくれるほどの親日国です。
その台湾で起きている大騒動について、日本のメディアがこれを報道しないというのは、日本のメディアに果たして報道の自由があるといえるのか、たいへんに不思議に思います。
さて、事態の情況をわかり易くするために、順を追ってこの事件について私の見たデモの情況について、お話してみたいと思います。
ちなみに私は、センセーショナルな報道をするつもりはまったくありませんし、いわゆる「煽り」をするつもりもまったくありません。
私は私が台湾で知った事実を事実として、お話申し上げたいと思います。


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1 事件の背景
今回のデモの主役は、台湾の大学生たちです。
その台湾の大学生ですが、就職率は7割程度しかありません。
それだけ仕事がない、就職できないという苦しい情況におかれています。
こう書きますと、「それは日本の大学生だって就職は厳しい。大差ないのでは?」という声が聞こえてきそうです。
けれど、決定的に違うのは、その厳しい就職戦線をなんとか勝ち抜いて就職しても、初任給は日本円でだいたい66000円くらいだ、という点です。
日本のフリーターの月収の半分にも満たないのです。
では、物価はどうなのかというと、亜熱帯気候で農業は盛んなので、なるほど野菜や果物は日本と比べて3分の1くらいで安いです。
けれども、ディッシュペーパーや携帯、自動車、化粧品など、いわゆる工業生産物になると、日本よりも3割前後(ものによっては倍以上)割高になっています。
ですので総じていうならば、日本と物価は、「たいして変わらない」ということができようかと思います。
そんな中にあって、給料が7万弱なのです。
しかも、これを得るための就職さえも厳しい。
そこへ、台湾の学生の初任給よりも安い台湾の最低賃金(約54,000円)も貰えば、本国で就職するときの倍額以上の月給となるChineseたちが大挙してやってくるわけです。
当然、台湾の雇用は破壊される。
まずは、その現実があることを、是非、わかっていただきたいと思います。
2 事件の発端
そんな中にあって、台湾国民党(旧蒋介石の国民党/中華民国政府)の馬英九総統は、Chinaとの間で、「自由貿易協定」を批准しました。
ちなみに台湾のメディアでは、これを「中華人民共和国政府とのTPP」と呼んでいます。
そうです。実は、これはChinaと台湾のTPP協定そのものなのです。
そして注意が必要なのが、「自由貿易協定を結んだ」という点です。
これが台湾とChinaとの「条約」ならば、馬政権は国会にその条約案を図らなければならなかったのです。
ところが馬総統は、これを政府だけで勝手に締結できる「協定」のカタチにすることで、国会を出し抜いたわけです。
けれど自由貿易というのは、国内産業や国内労働力市場、つまり国内の労働環境、もっといえば国内の雇用を、同じ北京語を話すChineseたちに解放する、というものです。
そうなれば、台湾よりももっと安い人件費のChineseたちが、大挙して台湾にやってくる。
なにせ言葉が通じるのです。
就職も容易です。
しかもChina自国内では空気は悪いし、賃金は台湾よりも、もっと安い。
そうなれば台湾の雇用情況は、台湾人にとって、いまよりももっと厳しくなってしまうわけです。
ということは、いまだって厳しい台湾の学生たちの就職が、ほんの何ヶ月かあとには、いまよりももっとはるかに厳しいものになってしまうのです。
学生たちが怒るのも、あたりまえです。
ですから、台湾全土から、次々にデモに参加する学生たちがやってくる。
昨日あたりの台湾の気温は、28度です。
日本でいったら初夏の陽気です。
ですから路上に寝ても大丈夫、という背景もあります。
もっとも台北は亜熱帯気候ですから、夕方になるとスコールが降ります。
日本では、ゲリラ豪雨と言った方がわかりやすいかもしれません。
とにかくたいへんな雨が降る。
その強い雨の中を、台湾の50万人の若者達は、男の子も女の子も頭からずぶ濡れになりながら、それでも誰ひとり逃げ出そうなどとしないで、がんばっています。
何のためか。
それは、自分たちの将来の就職のためであり、台湾の未来を、彼らが真面目に考えているためです。
本当に、頭が下がる思いがします。
そして自由貿易協定によって、やってくるChineseたちが、どういう人種であるのか、台湾の若者達は知っています。
台湾の屋台や商店、コンビニなどでアルバイトをしながら大学に通う彼らは、特に馬政権になってから以降、観光客として大量に押し寄せるChineseたちを、間近に見ています。
ケンカ腰で大声で騒ぎまくる。
態度が横柄である。
平気で万引きする。
台湾の人たちが、口癖のように言う「謝謝(ありがとう)」などという言葉も、そういう観念もない。
台湾の人たちにとって、Chinese観光客は、まるで「ミニ台風」なのです。
それを彼ら台湾人学生たちは、生活の中で露骨に見て、体験している。
そういうChinaと、台湾馬政権は、勝手に自由貿易協定を批准しようというのです。
では、なぜ馬政権は、台湾の総統なのに、台湾の人々の生活基盤が破壊されるようなことを平気でやろうとしているのでしょうか。
3 事件の背後
台湾は「中華民国」という名の国であると、多くの日本人は思い込んでいます。
ところが、この中華民国は、国際社会では「国家」として認知されていません。
台湾と、中華人民共和国は、多くの日本人が別な国と思っていますが、実は違います。
中華民国政権は、China大陸の「正当な政権」を自称する旧蒋介石率いる国民党が、China大陸を追い出されて台湾に逃げ込んだ、いわば亡命政権です。
一方、亡命された側の台湾は、もともと日本の北海道、本州、四国、九州、沖縄と同じ日本の一部です。
そして日本は、台湾について、大戦のあと、その処分権を連合国に委ねました。
委ねられた連合国は、ひとまず台湾にいた日本軍に武装解除をさせるために、Chinaの国民党の兵力の一部を台湾に差し向けました。
それだけの話だったのです。
ということは、日本軍が立ち退けば、国民党軍も、本来は立ち退いたかもしれない。
ところが、その国民党が、China共産党軍に追われて台湾に逃げ込み、そこでいわば「外来王朝」のような国家を、台湾に作ってしまったわけです。
ですから国際社会は、China大陸に中華人民共和国ができた後、その中華人民共和国をChina大陸の正当な政府と認め、台湾にいる国民党政府は、国家として「認めない」という立場を、いまもずっと取っています。
ですから日本も、中華民国と国家としての正式な国交は持っていません。
そういう情況の中にあって、もとから台湾にいる市民の無事と安全、そして台湾の地位の正常化を図ろうと、李登輝氏などがたちあがって結成したのが、台湾の民進党です。
台湾には、もとからの台湾人の方が、圧倒的に人口が多いですから、結果、台湾国民党の亡命政権の中の国会には、台湾に亡命した漢族の国民党と、その漢族の国民党を否定する台湾人による民進党の二つが、二大政党となっています。
そしてその民衆の圧倒的支持によって総統となったのが、李登輝氏であったわけです。
ところが先の選挙で、総統の席を国民党が奪回し(このとき相当露骨な選挙違反があったといわれています)、そして誕生したのが馬英九政権であるわけです。
馬政権は、そもそもが自分たちは「China大陸の正当な政権である」と主張する政権です。
ですから彼らにとっては、China大陸との貿易自由化は、China大陸に住む民衆にとってメリットがあるならば、自分たちがChina本土に返り咲くために、是非とも必要な政策であるわけです。
実際の話、それによって、台湾にもとから住む台湾人の生活がどれだけ悲惨なものになろうが、ひとことでいえば、「関係ない」というわけです。
これに対し、いまの台湾の多くの学生たちにとっては、台湾そのものが祖国であり、たいせつな国家です。
国民党がChina大陸に返り咲きたがろうが、そうでなかろうが、はっきりいって関係ない。
しかも(これは日本も同じなのですが)、台湾の若者達も、日本の若者達と同じで、近代史をまったく知らずに育っています。
要するに彼らの発想の出発点は、あくまでも「いま」であり、「これから」です。
そして「いまの台湾」に、馬総統の市場開放という不条理な行動があり、「これからの台湾」がそれによって脅かされるということは、たいへんな問題であるわけです。
5 現実のデモ
去る3月30日は、学生と市民によるデモ隊が、ついに50万人という大規模なものになった日ですが、この日、デモ会場に集った学生たちは、全員がお揃いの黒のTシャツを配給され、これを着込みました。
これは現地では、テレビなどでしっかりと放送されています。
私は不思議に思い、現地の人に聞いてみました。
なぜ不思議に思ったかというと、平素、学業と生活に追われている普通の学生たちが、お揃いのTシャツを用意するだけの資金を、いったいどのようにしたのだろうかと不思議に思ったのです。
答えは、比較的簡単に見つかりました。
台湾大規模学生デモの主催者たちの学生です。
彼らは、台湾民進党の党首である蔡英文(さいえいぶん)女史ときわめて近い関係の応援団です。
そしてこのデモは、民進党が全面的に背後でバックアップし、そのための資金も提供しているというのです。
さらに、学生たちの台湾への集合のための費用も、やはり民進党の応援者の大人たちが、これを全面的にバックアップしているというのです。
つまり、日本にたとえてみれば、民主党政権下におけるあまりの売国行為に、自民党総裁が怒って、学生たちを動員し、資金その他を提供して日本の国会や総理府などを占拠したようなものだ、というわけです。
日本でも当時からたいへんな不況と就職難が続いていましたが、残念ながら日本ではこのような事態は起こりませんでした。
それが良いとみるか、台湾の学生たちこそ素晴らしい行動と見るかは、意見の分かれるところかもしれません。
ですが、私個人としては、彼らの行動と心意気、そして彼らの国を思う熱い気持ちに喝采を送りたい気持ちでいます。
ところが、こうした彼らの行動に対し31日、米国の台湾での窓口機関である「米国在台湾協会(AIT)」の理事を務める台湾問題専門家のデビッド・ブラウン氏が、米国の政治外交情報誌である「ネルソンリポート」を通じて、真っ向から「非法(=不法)」であるとして、NOを突きつけたのです。(下の写真)
台湾立法院占拠事件2

「台湾とChinaのサービス貿易協定について、議会承認を求める学生たちの主張は、もっともなことである。
けれどだからといって、それを立法院占拠という無法な行動が正当化されるべきものではない」というのです。
米国在台湾協会(略称:AIT、American Institute in Taiwan)は、米国が台湾に設置した実務関係処理のための窓口機関です。
一般には、AITは、事実上の「米国駐台湾大使」と紹介されているし、日本にも米国の大使はいますから「似たようなもの」と思われがちですが、台湾の場合は、国際的に承認された「独立国」ではありません。
日本も終戦から昭和27年のサンフランシスコ条約締結まで(沖縄は返還された昭和47年まで)、連合国による統治下にありました。
ですから当時の日本は、「日本国」ではなく、連合国統治領日本でしたし、沖縄も「連合国統治領沖縄」でした。要するに連合国の統治下にあったわけです。
多くの日本人が「独立国」と思っている台湾は、実はそれは大きな誤認で、いまだ連合国の統治領下にあります。日本でいえば、サンフランシスコ条約締結前の日本の状態にあるわけです。
ですから、台湾にある米国の在台湾協会(AIT)というのは、日本でいえば、かつてのGHQにあたるところとです。
そして、台湾の国民党政権(中華民国)は、このAITの下に置かれているわけです。
そのAITが「非法」と言ったということは、イメージ的に言えば、日本でいえば、マッカーサーが学生たちの行動にNOを突きつけたことを意味します。
日本と違って台湾が複雑なのは、日本におけるGHQは、米国が直接主管しましたけれど、台湾では、中華民国政権(台湾国民党)を経由して間接的に支配した、という点です。
その中華民国政権は、台湾における「連合国による台湾の摂取を委ねられた」ことを奇貨として、そのまま台湾を軍事占領したまま居座り、なんと35年間も戒厳令を敷いて、軍事独裁を継続しました。
その後、李登輝先生らの運動によって、元日本人である、もとからの台湾人たちによる政党の結成g認められ、台湾の立法府には、国民党と民進党という二つの勢力が生まれました。
ところが、台湾の支配(領有化)を図りたい中共政府は、この台湾国民党との関係を深め、様々な工作を施して、国民党を親中政権に仕立ててしまったわけです。
そして、国民党は非合法な手段を用いて政権を民進党から奪還し、今の馬政権ができあがりました。
そういう意味では、一見すると、今回の台湾民進党による大規模学生デモは、台湾の民主化を図るという意味においては、むしろ米国としても歓迎すべきことのように見えます。
ところが、米国はAIT(日本でいったらGHQ)を通じて、これにNOを突きつけた、というわけです。
これが何を意味するかというと、米国は、台湾国民党によるChinaへの擦り寄りも、民進党による暴力革命も、どちらも「認めない」という立場をとった、ということです。
ということは、この学生デモによって、民進党政権が出来上がることを、米国は認めない。
さりとて、米国は国民党の馬政権を歓迎しているわけでもない、というのが、現時点の台湾情勢である、ということです。
だからこそ、このAIT理事が「学生たちの行動を非法」と述べたというニュースは、台湾の各紙の一面を飾る大問題となったわけです。
このことは、もっとわかりやすく言うならば、ひとつには台湾国民党政権が台湾民衆の手によって完全に否定されたということであり、ふたつには先の大戦によって台湾を占領した連合国を代表する米国は、今回の一連の騒動における民進党の行為(学生デモ)をも否定したということです。
つまり台湾は、中華民国という国が認知されていない国家であること、国民党政権も民進党もどちらもその中華民国政権の内側の組織として「否定された」ということです。
これは、大きな問題です。
私は、台湾の主権回復をどこまでも応援するし、学生たちのやむにやまれぬ気持ちから出た、今回の行動もよく理解できます。
けれども手厳しいようですが、だからといって、台湾が暴力によって台湾の自治を否定することは、もし、これによって馬政権が倒れ、民進党祭政権が誕生したとしても、台湾は、国際的に認知されない、ということを示しています。
占領政府そのものの存在がこうして否定されることがあるという事実は、実は、現代社会における一大トピックとして特筆されるべきことです。
これは、戦後の日本国憲法下の日本国政府が、ときに国際社会から否定されることもある、という現実を、わたしたち日本人にも突きつけているからです。
それは、おそろしい事態に思えるかもしれませんが、日本が占領統治から脱出するためには、必要なことといえるかもしれません。
日本は、台湾の事態が今後どのように推移して行くのか、きちんと把握していかなければならないと思います。
なぜなら、それは明日の日本に起こる出来事でもあるからです。
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