
以前にも一度、尋常小学校の修身教科書のことをご紹介したことがあるのですが、このたびFacebookでお友達となったNさんから、「尋常小学修身書 第二学年児童用」の内容のご紹介をいただきました。
そこにあったNさんのお言葉です。
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私がこれを読んで、凄いな、と思ったのは、母の恩を先頭にもってきていることです。
母親、父親、自分、教師、年寄り、兄弟、食べ物、清潔、正直、きまりよくする、言葉使い、やくそく、人の過ちを許す。
この順番が凄いなあ、何度みても思います。
視野をだんだん広げていって、国旗が21番目、天皇陛下は23番目です。
親子から、視野を広げていくこの順番、教師が5番目、というのも、今とは大違いです。
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その27項目の記述を以下に転載します。
教科書の本文は、小学校2年生向けなので、全部ひらがなです。
ただ、それでは読者の方々にはかえって読みにくいと思いますので、私の方で勝手に漢字仮名交じり文に直させていただきました。
とにかくご一読してみてください。
とくに書かれている「順番」に注意を払いながらお読みいただくと良いかと思います。
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第一 親子
お父さんが遠いところへ行きます。
おたけは、お母さんと一緒に見送っています。
第二 お母さん
おたけの弟が、夜中に泣き出しました。
お母さんは、抱き上げていろいろとなぐさめています。
お母さんのご恩を忘れてはなりません。
第三 お父さん
おたけが、可哀想な子を見ています。
この子には、お父さんがありません。
お父さんのご恩を忘れてはなりません。
第四 自分のこと
一郎がお母さんの言うことをきいて、本や筆を揃えて学校へ行きます。
自分のことは自分でせねばなりません。
第五 教師
先生が、「遅刻してはなりません」と一郎に言って聞かせました。
お母さんは、「先生の教えをよくお聞きなさい」と言いつけています。
先生の教えを聞かんと、良い人になれません。
第六 年寄り
お梅と一郎とが、年寄りの落とした銭を拾ってやっています。
年寄りを大事にせねばなりません。
第七 兄弟
一郎の下駄の鼻緒が切れました。
お梅は、その鼻緒をすげています。
兄弟は仲良くせねばなりません。
第八 食べ物
お母さんが「青い梅の実を食べてはなりません」と言って聞かせています。
食べ物に気をつけねばなりません。
第九 清潔
体をきれいにせねばなりません。
体を汚くしておくと、病気になることがあります。
第十 正直
正直な丁稚が、反物(たんもの)に傷のあるのをお客に知らせています。
この子は、大人になってから立派な商人(あきんど)になりました。
第十一 決まりよくせよ
お鶴は、おきぬの家で遊んでいましたが、12時に近くなったので帰りました。
なにごとも決まりよくせねばなりません。
第十二 言葉遣い
ひとりの子が、無礼な言葉を使いました。
他の子供がそれをとがめました。
言葉遣いを慎まねばなりません。
第十三 約束
文吉は、雨の降るのに絵本を返しに行きます。
約束したことを違えてはなりません。
第十四 人のあやまち
小太郎が文吉の鞠(まり)を失くして詫びました。
文吉は「あやまちは仕方がない」と言って咎(とが)めませんでした。
人のあやまちは許さねばなりません。
第十五 悪いすすめ
「小屋に隠れて通る人を脅そう」と友達がすすめました。
文吉と小太郎とが、それを止めました。
悪いすすめに従ってはなりません。
第十六 友達
小太郎が文吉の疲れたのを見たので、風呂敷包みを持ってやっています。
友達は助け合わねばなりません。
第十七 物を粗末に扱うな
この子が弁当箱を投げ出したので、壊れました。
「物を粗末に扱ってはなりません」と姉さんが教えています。
第十八 あやまち
正男が火鉢につまづいて、土瓶をひっくりかえしました。
あやまちをせんように、気をつけねばなりません。
第十九 拾い物
正男が拾った金を落とした子供に返しています。
拾い物を自分のものにしてはなりません。
第二十 生き物
正男の妹が、猫をいじめているのを、正男が見つけて止めています。
生き物をいじめてはなりません。
第二十一 日の丸の旗
日の丸は、日本のしるしであります。
良い旗ではありませんか。
第二十二 規則
ひとりの子供が土手に登ります。
友達が立て札を見て、それを止めています。
規則に従わねばなりません。
第二十三 天皇陛下
天皇陛下は、陸軍や海軍の大演習においでになって、軍人の働きをご覧になります。
天皇陛下のご恩を思わねばなりません。
第二十四 勇気
木口小兵が、敵の近くですこしも恐れず、三度まで勇ましく進軍のラッパを吹きました。
そのため我が軍は進んで敵を打ち破ることができましたが、小兵は弾にあたってたおれました。
あとで見たら、小兵は、ラッパを口にあてたままで死んでいました。
第二十五 勇気(続き)
我が国の水雷艇が、闇の晩に進んで行って、敵の軍艦三艘を討ち沈めました。
第二十六 人に迷惑をかけるな
この子が道ばたにゴミを捨てようとするのを、お父さんが止めています。
世間の人に迷惑をかけてはなりません。
第二十七 良い子供
この二人の子供は、先生に教えられたことを守りました。
お父さんとお母さんとが、それを褒めて、絵本を与えています。
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学校教育が知識偏重となり、徳育を放棄するようになって久しくなります。
教師が道徳を教えるのは、教師の子供に対する価値観の押しつけであり、子に対する洗脳であり、全体主義的ないし軍国主義的精神の強要で、子の自由を奪うものなのだそうです。
けれどそれはおかしな理屈です。
押しつけであれなんであれ、正しいことは正しいのです。
長い年月をかけた歴史、伝統に育まれた日本人としての正しい概念を、子供達に教えずにいることの方が、よほどおかしなことです。
子供は自由だといいながら、結果、授業中に他の生徒の迷惑も考えずに、隣の生徒とぺちゃくちゃしゃべることを放置する。
それは自由ではなく、放縦です。
社会の秩序や安定、安心して暮らせる社会というものは、自由を制限するところから生まれる。
自由が放縦ではなく、責任ある自由となるところに、社会の発展があるのです。
戦後教育は、徳育を根本にする教育として、抜本的に見直されるべきと、私は思っています。
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