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秘録・ビルマ独立と日本人参謀: 野田毅陣中日記

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この人たちの小さな謙虚な叫びを、
我々が世俗の混迷ゆえに聞き逃すならば、
日本人に永久に救いはないと思う。
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この言葉は、昭和34年に、野田毅大尉の遺書にはじめて接した火野葦平が語った言葉です。
野田大尉といえば、百人斬りで死刑となられた人として有名ですが、それ以上に、ビルマ建国の父、アウン・サンらを配下にビルマ独立義勇軍を指揮し、英国の植民地だったビルマの独立のために戦った人としても有名な方です。


そのビルマ時代の活躍が、野田大尉の日記に遺されており、これを12年もかけて研究した近代史研究家の溝口郁夫さんが本にしてくれたのが、表題の書籍です。
ボクも、ようやく読み終えたところですが、もう大感動です。
だいたい溝口さんの書く本は、以前ご紹介した「絵画と戦争」もそうだったのだけれど、とにかく文章からお人柄がにじみでるというか、非常にやさしく丁寧な語り口で、難しい昔のお話が、まるで現代に再現されたかのように、つるつると読み手の心の中に入って来る。
そしてなにより、溝口さんご自身の素直な感動が、読み手にダイレクトに伝わってくるから心に沁みます。
とにかくこの本、おススメです。
野田大尉は、大東亜戦争のはじまる一年ほど前に、「ビルマ独立三十人の志士」と呼ばれる青年たちを配下とし、ビルマ独立義勇軍の参謀長として、ビルマの独立運動を戦った人です。
「ビルマ独立三十人の志士」のリーダーが、アウン・サンで、元ミャンマーで民主運動を続けるアウン・サン・スー・チー女史の父親です。
アウン・サンたちビルマの青年達は、祖国独立の一念で、英国官憲の目をかいくぐってビルマを脱出します。
そして、日本軍の庇護と指導のもと、きびしい訓練で肉体と精神を鍛える。
その志士たちを指揮したのが野田大尉で、大尉はその当時の模様を、膨大な陣中日記に遺しておられるのです。
そして野田大尉は、ビルマ時代の陣中日記の表紙に「要・永久保存」と書き遺している。
転戦の続く戦場にあって、よくぞ紛失せずに日記を持ち帰ったものだと感心しますが、それが妹さんの野田マサさんによって戦後もずっと保存されていた。
そしてマサさんと溝口さんが、旧制中学の先輩後輩にあたる関係にあったことから、資料を整理することになり、ようやく12年の歳月をかけて、今回の出版に至ったのです。
野田大尉は、百人斬り南京裁判という茶番で、死刑となりましたが、彼のその遺書の中には、次の文言があります。
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私のビルマ時代の活躍の秘史は、もう秘める必要はありません。
ビルマは既に独立したのですから。
刻々迫り来る死期ではありますが、忠臣蔵を読んだり、遺書を書いたり、煙草を吸ったり、糞をたれたり、飯はどんぶりに相変わらず二杯食ったりです。呵々。
小生、南京屠殺事件にひっかけられて、死刑宣告。
無実の罪だが、日本が敗れたから仕方がない。
私の潔白は、知る人ぞ知る。
死して護国の鬼となる。
さらば。
ビルマ時代の諸兄によろしく。
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最後の瞬間まで、護国のことと、ビルマの友を忘れずにいた野田大尉。
その野田大尉とビルマの歴史の真実を、たっぷりと堪能できる本です。
戦時中の物語だけれど、ぜんぜん難しくない。
むしろ、野田大尉という素晴らしい日本人に、ぐいぐいと惹かれていきます。
「秘録・ビルマ独立と日本人参謀: 野田毅陣中日記 」
もう、絶対おススメです。
関連記事
◆絵具(えのぐ)と戦争
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1247.html
◆ビルマの建国に学ぶ
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-697.html


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