
今日は、8月6日、広島に原爆が投下された日です。
わりと知らない方が多いのですが、広島と長崎に落ちた原爆は、種類が違います。
広島上空で投下されたものは、ウラン235型原爆( リトルボーイ )です。
長崎で投下されたのは、プルトニウム型の原爆(Fat Man)です。
ウラン235型爆弾と、プルトニウム爆弾では、まったく種類が異なります。
なぜ、わざわざ違う種類の原爆が投下されたのでしょうか。
「戦争を終わらせる」という目的のためなら、同じ種類の原爆でもいいはずです。
なぜわざわざ、あえて種類を変えて原爆を投下したのか。
ここに重要な問題があります。
二度にわたる原爆は、アメリカで原爆開発のためのマンハッタン計画を担当した ロス・アラモス研究所で開発されました。
そのロスアラモス研究所の公式記録には、「 史上二度の原爆実験に成功した」と書かれています。
二度の投下は「実験」だというのです。
広島と長崎に投下された原爆で、広島で二十万人、長崎で七万四千人の非武装の市民が無差別に殺された、という世界史に残る大量殺戮事件です。
それが、「実験」です。
ではなぜ「実験」なのか。
歴史学者 バーンスタインは、次のように述べています。
~~~~~~~~~~~~~
日本への原爆投下は「ソ連を威嚇すること」が根本理由であり、ソ連の影響力が日本、満州、支那、朝鮮に及ぶことを阻止するために、いわばソ連に対する威嚇攻撃として、日本に原爆を投下した。
~~~~~~~~~~~~~
要するに、目的は、対ソ向けの威嚇行動だったのである、と書かれています。
そしてもうひとつ。
終戦後の昭和二十年九月に日本に訪れた、米国戦略爆撃調査団の「最終報告書」です。トルーマン大統領に提出されたものです。
(U.S Strategic Bombing Surbey,Summary Report ( Pacific War ) ,1946、の26頁)
~~~~~~~~~~~~~
たとえ原爆が 投下されなかったとしても、
ソ連が参戦しなかったとしても、
本土上陸作戦が行われなくても、
日本は非常に高い確率で九州上陸作戦の決行予定日である昭和20年11月1日から、12月31日までの間に、確実に降伏したであろう。
~~~~~~~~~~~~~
その通りであろうと思います。
昭和20年の日本の石油輸入量は、ゼロです。
飛んできたB-29を迎撃するための飛行機のガソリンは、墜落したB-29から抜いてきたガソリンなどを使って、ようやく飛ばしている。
この年の年末までには、石油も完全に枯渇し、軍艦や飛行機どころか、バスや公用車さえも、ガソリン切れで動かすことができない状況になっていた。
昭和20年6月に沖縄戦が終了していますが、この直後、ブラッドレー米国統合参謀本部議長は、次の報告書を大統領に提出しています。
~~~~~~~~~~~~~
日本は既に事実上敗北しており、降伏を準備している。
~~~~~~~~~~~~~
昭和20年7月の時点で、日本はすでに制海権も制空権も失ない、陸軍も事実上、使える武器弾薬が乏しく、すでに戦える状態ではなかった。
戦略爆撃調査団の報告書にある通り、日本は、ほっておいても、戦争遂行能力がなく、終戦するしかなかったのです。
にもかかわらず、アメリカは、日本に原爆を投下した。
そしてその理由は、「日本との戦争を終わらせるために」ではなく、
「実験のため」です。
つまり、日本人は、原爆の被爆者は、実験材料としての「モルモット」にされたわけです。
広島の平和公園には、原爆死没者慰霊碑が建っています。
そこにはこう書いてある。
~~~~~~~~~~~~~~
安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから
~~~~~~~~~~~~~~
これはおかしな話です。
実験材料に使われて死んだモルモットが「過ちは繰り返しません」と言っているのです。
古来、モルモットは、過ちを犯したから実験材料に使われているのではありません。
人間の都合で、一方的に実験材料にされているのです。
そのモルモットが、
「もう過ちは繰り返しません。わたしたちは二度と実験しません」と言っている。
いくらモルモットが、そういったところで、モルモットは、人間の医療開発のための「都合」で実験材料に使われます。
モルモットが過ちを犯したから実験材料にされているのではないのです。
そのモルモットが「過ちは犯しません、だからもう二度と実験しないで」と言ったところで、茶番にもならない。
実際に、被爆し、命を失われた方の身になってみてください。
何の武装もしていない、普通の市民が、とつぜん、ピカドンと、命を奪われたのです。
その被害者が、その後、65年(原爆死没者慰霊碑が建てられたのは昭和27年ですから、そのときから起算したら58年)間もの長きにわたり、ずっと、
「あなたがたは過ちを犯したから、原爆で殺されたのです」と、まじめな顔で言われ続けているのです。
ありえない話です。
町を歩いていて、いきなり通り魔に刺殺されて、あるいは地下鉄でサリンをまかれて、命を奪われた被害者に、同邦家族が「あなたがたは過ちを犯したから殺されたのです」と言われ続けるのと同じです。
おかしくないですか?
被害者の身になってみてください。
あなたなら、堪えられますか?
まさに世界のもの笑いです。
いきなり殺されて、君達は罪人である、といわれて、毎年黙とうを捧げられる。
わけがわからないとはこのことです。
広島だけで20万人が殺されたのです。
長崎でも7万6000人が殺された。
その人たちは、「過ちを犯した」から、殺されたのですか?
本来、核というのは、いまも昔も、「使えない」究極の兵器です。
相手国が核を保有していたら、報復攻撃の危険があるからです。
核攻撃したら、核で反撃される。
だから相手国が核を保有している限り、核は使えない。そういうものです。
ですから核を使う相手は、絶対に、報復の危険のない相手でなければならい。
昭和20年8月の時点で、日本は満身創痍です。
しかも核は保有していません。
だから米国は、対ソ戦略のための牽制のために、日本に安心して核を落とすことができたのです。
「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」
ですから「過ち」というなら、日本が核を持っていなかったこと。反撃の余裕がその時点でなくなっていたことが、最大の過ちです。
だから日本は、核を落とされた。
ならば、日本は、二度と核を落とされないように、世界最大の核保有国となる。
そして世界が、絶対に、二度と日本に核を落とせないようにする。
日本に核を落とさせ、多くの人命を失わせるような「過ち」は、二度と繰り返しません、というのでなければ、論理が矛盾する。
亡くなられた方々が、うかばれません。
日本に核が落とされたときに、トルーマン大統領がメッセージを発表しています。
~~~~~~~~~~~~~~
President Harry S.Truman Address to the Nation,
6 August 1945
広島への原子爆弾投下のトルーマン大統領声明
(1945年8月6日)
Sixteen hours ago an American airplane dropped one bomb on Hiroshima, an important Japanese Army base. That bomb had more power than 20,000 tons of TNT. It had more than 2,000 times the blast power of the British "Grand Slam," which is the largest bomb ever yet used in the history of warfare.
今から16時間前、米国の一航空機は日本陸軍の最重要基地である広島に1個の爆弾を投下した。
その爆弾は、TNT火薬2万トン以上の威力を持つものであった。
それは、戦争史上これまでに使用された爆弾の中で最も大型である英国の「グランド・スラム」の爆発力の2000倍を越えるのであった。
~~~~~~~~~~~~~~
おかしな声明ではありませんか?
広島を「日本の陸軍の最重要基地(=an important Japanese Army base)」と書いています。
広島は、陸軍の軍事基地ですか?
亡くなられた広島市民は、全員が陸軍軍人ですか?
昨今、広島の平和記念館では、当時「広島が軍事基地であった」という宣伝がされているそうです。
広島の方々に問いたい。
亡くなられた方、被ばくされたあなた方のお身内は、全員、陸軍の軍事基地の人だったのですか?と。
トルーマン声明の4日後、日本政府が、スイスを通じて米国政府に抗議文を提出しています。
下に、全文(日本語及び英語)を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~
【米機の新型爆弾による攻撃に対する抗議文】
今月6日、米国航空機は、広島市の市街地区に対し新型爆弾を投下し、瞬時にして多数の市民を殺傷し同市の大半を潰滅させました。
広島市は、何ら特殊の軍事的防衛機能や、そのための施設を施していない普通の一地方都市です。
同市全体を、ひとつの軍事目標にするような性質を持つ町ではありません。
本件爆撃に関する声明において、米国トルーマン大統領は、「われらは船渠(せんきょ)工場および交通施設を破壊した」と言っています。
しかしこの爆弾は、落下傘を付けて投下され、空中で炸裂し、極めて広い範囲への破壊的効力を及ぼすものです。
つまり、この爆弾で、この投下方法を用いるとき、攻撃の効果を右のような特定目標に限定することは、物理的に全然不可能なことは明白です。
そして本件爆弾が、どのような性能を持つものであるかは、米国側は、すでに承知しているものです。
実際の被害状況は、広範囲にわたって交戦者、非交戦者の別なく、男女老幼を問わず、すべて爆風および幅射熱によって無差別に殺傷されました。
その被害範囲は広く、かつ甚大であるだけでなく、個々の傷害状況を見ても、「惨虐」なるものです。
およそ交戦者は、害敵手段の選択について、無制限の権利を有するものではありません。
不必要の苦痛を与えるような兵器、投射物その他を使用してはならないことは、戦時国際法の根本原則です。
そのことは、戦時国際法であるハーグ陸戦条約規則第22条、及び第23条(ホ)号に明定されています。
米国政府はこのたびの世界大戦勃発以来、再三にわたって、
「毒ガスその他の非人道的戦争方法の使用は文明社会の世論によって不法であり、相手国が先に使用しない限り、これを使用することはない」と声明しています。
しかし、米国が今回使用した本件爆弾は、その性能の無差別かつ惨虐性において、従来かかる性能を有するが故に使用を禁止せられをる毒ガスその他の兵器よりも、はるかに凌駕するものです。
米国は国際法および人道の根本原則を無視して、すでに広範囲にわたって日本の大都市に対して、無差別爆撃を実施しています。
多数の老幼婦女子を殺傷しています。
神社や仏閣、学校や病院、一般の民家などを倒壊または焼失させています。
そしてさらにいま、新奇にして、かつ従来のいかなる兵器、投射物とも比べ物にならない無差別性、惨虐性をもつ本件爆弾を使用したのです。
これは、人類文化に対する新たな罪悪です。
日本政府は、ここに自からの名において、かつまた、全人類、および文明の名において、米国政府を糾弾するとします。
そして即時、かかる非人道的兵器の使用を放棄すべきことを厳重に要求します。
昭和20年8月11日
PUBLIC INTERNATIONAL LAW - ATOMIC BOMBING OF HIROSHIMA AND NAGASAKI WAS AN ILLEGAL ACT IN VIOLATION OF INTERNATIONAL LAW.
The Japanese Government presented a letter of protest as stated below, to the Government of the United States through the Government of Switzerland on August 10, 1945.
August 10, 1945
A New-Type, Cruel Bomb Ignoring International law; Imperial Govern-ment Protest to the Government of the United States.
With regard to the attack by a new-type bomb on the city of Hiroshima by a B-29 bomber on the 6th inst. the Imperial Government filed the following protest on the 10th inst. to the Government of the United States through the Government of Switzerland, and gave instructions to the Japanese Minister to Switzerland, Kase, to make the explanation of explanation of the same effect to the Inter-national Committee of Red Cross.
Protest against the Attack of a New-Type Bomb by American Airplane:
On the 6th of this month, an airplane of the United States dropped a new-type bomb on the urban district of the city of Hiroshima, and it killed and wounded a large number of the citizens and destroyed the bulk of the city. The city of Hiroshima is an crdinary local city which is not provided with any military defensive preparations or establishments, and the whole city has not a character of a military objective. In the statement on the aerial bom-bardment in this case, the United States President “Truman” asserts that they will destroy docks, factories and transport facilities.
However, since the bomb in this case, dropped by a parachute, explodes in the air and extends the destructive effect to quite a wide sphere, it is clear to be quite impossible in technique to limit the effect of attack thereby to such specific objectives as mentioned above; and the above efficiency of the bomb in this case is already known to the United States. In the light of the actual state of damage, the damaged district covers a wide area, and those who were in the district were all killed indiscriminately by bomb-shell blast and radiant heat without dis-tinction of combatant or non-combatant or of age or sex. The damaged sphere is general and immense, and judging from the most cruel one that ever existed. It is a fundamental principle of international law in time of war that a belligerent has not an unlimited right in chosing the means of injuring the enemy, and should not use such weapons, projectiles, and other material as cause unnecessary pain; and these are each expressly stipulated in the annex of the Convention respecting the Laws and Customs of War on Land and artices 22 and 23(e) of the Regulations respecting the Laws and Customs of War on Land. Since the beginning of the present World War, the Government of the United States has declared repeatedly that the use of poison or other inhumane methods of warfare has been regarded as illegal by the pubic opin-ion in civilized countries, and that the United States would not use these methods of warfare unless the other countries used these first. However, the bomb in this case, which the United States used this time, exceeds by far the indiscriminate and cruel character of efficiency, the poison and other weapons the use of which has been prohibited hitherto because of such an efficiency. Disregarding a fundamental principle of international law and humanity, the United States has already made indiscriminate aerial bombardments on cities of the Empire in very wide areas, and it has already killed and injured a large number of old people, children, and women and collapsed or burned down shrines, temples, schools, hospital and ordinary private houses. Also, the United States has used the new bomb in this case which has indiscriminate and cruel character beyond comparison with all weapons and projectile of the past. This is a new offence against the civilization of mankind. The Imperial Government impeaches the Government of the United States in its own name and the name of all mankind and of civilization, and demands strongly that the Government of the United States give up the use of such an inhumane weapon instantly.
Note: Japan Branch of the International Law Association, Japanese Annual of International Law, 8, pp.251-2. (Tokyo: 1964)
~~~~~~~~~~~~~~~
文中にあきらかな通り、広島市は、何ら特殊の軍事的防衛機能や、そのための施設を施していない普通の一地方都市ですし、同市全体を、ひとつの軍事目標にするような性質を持つ町でもありません。
間違いなく原爆は、普通の大都市に投下され、「多数の市民」が殺されたのです。
以下は、日心会MLにあった投稿です。
~~~~~~~~~~~~
[日心会:13743]
広島へ行き、平和記念館へ初めて訪れました。
ここの最初の展示物は広島が「軍都」であったという強調でした。
左翼教科書にあるように「広島は軍都であったために原爆攻撃された」と言いたいのです。
そして小中高の修学旅行生たちに張り付いて「広島平和ボランティア」と書いたTシャツを着た左翼らしい、中年の男女私設ガイドたちが反日反軍洗脳をしていました。
おそらく共産党員か9条の会、日教組の連中でしょう。
彼らはこの場所だけの解説で、これから延々と続く原爆被害の悲惨な展示解説にはついて来ませんでした。
要するに日本の軍国主義の歴史を告発して「日本を恥ずべき国家だ」と洗脳したいのです。
横で聞くに堪えないので「日本の悪口を言うな!」と一人の女性ボランティアを怒鳴りつけました。
「すみません」と謝っていましたが、次の日にも左翼プロガンダを続けていたことでしょう。
書籍売り場には左翼好みの膨大な原爆被害の本の羅列のなかに、日本シルクロード科学倶楽部発刊の「核の砂漠とシルクロード観光のリスク」だったか「中国の核実験」が無視されたかのようにひっそりと2冊だけ置かれていました。
それだけが救いでした。
ここでは多くの「強制連行」された朝鮮人も原爆で殺されたという展示もあり、記念館の入口には韓国姉妹都市から贈られたという強大な極彩色の太鼓が展示されていました。
ここの趣旨と違うだろう、と怒りがこみ上げてきました。
出口付近にあった記念館の感想を書く「対話ノート」に最後の怒りを込めて
「このような左翼の反日反軍プロパガンダの拠点はもう一度原爆で破壊されたらいいのだ!」
などと書いて出てきました。
ここはぜひ愛国保守が日々抗議の狼煙を挙げるべき場所だと感じました。
~~~~~~~~~~~~~~
戦後、65年、反日左翼は、ずっとこんなウソばかりついてきた。
もう、こんな馬鹿げた妄想や妄言のデタラメをゆるしてはいけない、そう思います。
広島に原爆が投下されたのは、昭和20(1945)年8月6日午前8時15分です。
ボクは、この時間に、亡くなられた皆様のご冥福のお祈りと、二度と原爆を落とされない国づくりを決意して、黙祷を捧げます。
【参考資料】
高田純著「核と刀」明成社
http://www15.ocn.ne.jp/~jungata/SSP-J5.html>/a>
↓クリックを↓


