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ハーグ陸戦条約
ハーグ陸戦条約

ハーグ陸戦条約について書いてみようと思います。
この条約は、明治三十二(1899)年五月一八日ににオランダ・ハーグで開かれた第一回万国平和会議において採択されました。
正式名称を「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約(英: Convention respecting the Laws and Customs of War on Land, 仏: Convention concernant les lois et coutumes de la guerre sur terre)」といいます。
附属書に「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」があります。
第一回万国平和会議は、ロシア皇帝ニコライ2世の提唱によって開催されました。
ニコライ二世は、皇太子時代に来日し、このとき起こった事件が「大津事件」です。
大津事件については、
≪大津事件≫
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-754.html
で、詳しく述べていますので、参照してください。
ニコライ二世は、たいへんな日本好きな人です。
来日したときには、長崎停泊中の軍艦に市内の彫り師を招いて右腕に入れ墨をしたり、煙草盆、茶箪笥、金作陣太刀、山水蒔絵長角箱、七宝焼の花瓶、竹杖、吸物椀、香炉台、竹製茶籠、美人画団扇、柳行李、鉄瓶、有田焼、長崎の全景写真など、手当たり次第日本の工芸品その他を買い込んでいる。
日本を愛し、尊敬してくれていた。
大津事件に遭遇しても、当時の明治大帝のお気遣いなどに、ニコライ二世は、きちんと誠意を持って返しています。
不幸なことに、その後、日本とロシアは、戦争(日露戦争)をすることになってしまいますが、この日露戦争は、両軍ともに、以下にご紹介する「ハーグ陸戦条約」をきちんと遵守して、両軍ともに正々堂々と衝突した世界史上の唯一の戦争です。
他の戦争では、条約を最後まで遵守し抜いた日本があるだけで、他の国にはあきらかかな条約違反の行為が目白押しです。
されにいえば、大東亜戦争以降のあらゆる戦争、内乱において、このハーグ条約が守られた形跡はありません。
日本は、いつの時代においても、正々堂々であると、まず申し上げておきたいと思います。
さてそれでは、ハーグ陸戦条約とは、いったいどのようなものなのか。
これは、戦闘当事国における交戦者の定義、宣戦布告、戦闘員・非戦闘員の定義、捕虜・傷病者の扱い、やってはならない戦術、降服・休戦などについてを定めた国際法規であり、最も根源的な戦時国際法の基本ルールです。
日本では、明治四五(1912)年に、ハーグ陸戦条約に基づいて、「陸戰ノ法規慣例ニ關スル条約」が公布されています。
末尾に転載しますが、この「陸戰ノ法規慣例ニ關スル条約」は、明治大帝のお言葉が冒頭に記されています。
~~~~~~~~~~~~~
朕、樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ明治四十年十月十八日、
和蘭國海牙ニ於テ、
第二囘萬國平和曾議ニ賛同シタル帝國及各國全權委員ノ間ニ議定シ、
帝國全權委員カ第四十四条ヲ留保シテ署名シタル
陸戰ノ法規慣例ニ關スル条約ヲ批准シ茲ニ之ヲ公布セシム
(總理 外務大臣副署)
~~~~~~~~~~~~~
明治大帝ご自身のこの宣言です。
敵にどんなに非道な振舞があっても、自らは法を遵守し抜く。
これは、日本の軍人の誇りであり、矜持です。
いまの政治家においても、また日本人ひとりひとりにおいても、
「陛下がお嘆きになるようなことはしない」
このことは、固く心に誓っていきたいものだと思います。
ところで、この条約付属書の第43条には、次の記述があります。
「占領者は、占領地の現行法律を尊重して、その国(占領地)の公共の秩序と生活を回復確保しなければならい。」
その国の憲法を勝手に書き換えて良いなどとは、どこにも書いてありません。
つまり、日本国憲法は、国際法(ハーグ陸戦条約)に対する明らかな違反行為の上に書かれた憲法ということができます。
そんなものをありがたがっている国民というものは、いったい・・・?
他にも、読み進めて行くとはっきりと「わかる」ことがあります。
それは日本が先の大戦において、このハーグ条約を、「自分たちですら満足に食べれない状況の中で、必死に守りとおした」ということです。
戦況厳しくなった外地において、日本兵が受けた数々の非道な仕打ち、China国民党による非道、米軍や豪軍による数々の戦時捕虜に対する虐殺や非道、一般市民への虐殺等々、日本人が被害に遭った事件は、数限りなくあります。
しかし日本は、ほんとうに貧しく、苦しい中にあっても、「きまり」は最後の最後まで守りとおした。
日本の軍人さんたちは、すべての外地において、その国の市民を大切にあつかい、戦っている日本人ですら満足に食べれず、いつ敵の攻撃を受けるかわからない危険な状況の中でさえ、ルールを守り、その国の市民を必死で守り、死んで行ったのです。
一方、戦時中、日本側が受けた仕打ちは、まさに捕虜虐殺そのものであり、無辜の市民への大量虐殺であり、しかも戦争終結後、武装解除したあとも、虐殺され、強姦され、抑留された。
ほんとうの世界史・・・・
私たちは、ほんとうの事実を事実として、未来永劫、きちんと語り継いでいかなければならない、と強く思います。
この陸戦条約を読んでいて思ったのですが、この条約をきちんと守って戦争を遂行するためには、組織された軍人の指揮官だけでなく、武器を持って戦う兵士たちのひとりひとりに、きちんとした教育が施され、かつ、よほどしっかりとした道徳観、国家観、歴史観、誇り、規律を守るという鉄の意志がなければ、条約を守りとおすことはできないのではないか、ということです。
すくなくとも、この条約のひとつひとつを、ちゃんと理解し、敵弾の飛んでくる、命と命をやりとりするという異常な戦場にあって、それでもなお、規則を守りぬく。
教育、訓練、誇り、歴史観、国家規模の確固とした統制、そうしたものがちゃんと整った軍団であり国民でなければ、これだけの条約をきちんと守り、戦うことはできないです。
そして、それができた国は、このハーグ陸戦条約が誕生して以降の人類の歴史において、
“日本ただ一国しかなかった”ということを申し添えておきたいと思います。
ぼくたちは、あの厳しい先の大戦を戦いながらも、立派に規律を守りとおした、ぼくたちの、若き日のおじいちゃんたちを、亡くなられた英霊たちを、生涯、誇りに思える、その人たちと、わたしたちは血のつながった同じ国の国民である、ということを、みなさんとご一緒に確認したいと思います。
最後にもうひとつ。
ネットで検索すると、このハーグ陸戦条約についての口語訳を掲載しているサイトがいくつかあります。
その口語訳なのですが、原文と比べるとまるで逆の意味になっているものがある。
あえて細かなことは書きませんが、ほんとうのことの間に、ちょこちょことウソを交えて洗脳するというのは、古来左翼のよくやる手法であり、こんなところにまで、そういうウソをならべているのかと思うと、暗澹とした気持にさせられます。
以下の口語訳は、ねずきちが原文にできるだけ忠実に口語に直したものですが、意味はちゃんと原文のままにしているつもりです。
原文は、↓にあります。
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/data/haug.htm
もし、対比してみて、意味の間違いがあれば、ご指摘ください。
また部中の「※」マークのところは、ねずきちのコメントです。
~~~~~~~~~~~~~
【ハーグ陸戦条約(口語訳)】
陸戰の法規慣例に関する条約
 1907(明四十)年10月18日、ハーグにおいて調印
 1911(明四十四年)11月6日批准
 同年12月13日批准書来ル
 1912(明四十五)年1月13日公布
ドイツ皇帝陛下、プロイセン皇帝陛下(以下締約国の元首名略)は、平和を維持し、かつ諸国間の戦争を防止する方法を講じると同時に、その期するところに反し避けることのできない事件のために、そのような非常の場合においても、なおよく人類の福祉と文明の進歩を希望して、戦争に関する一般の法規慣例をいっそう確かなものすることを目的に、なるべく戦争の惨劇を起こさないように制限することを目的として、1874年の会議において、聡明で慈愛ある先見から出た思想のあらわれとして、陸戦の慣習と諸法規を採用した。
条約締結国の所見によれば、この条約は、軍事の必要の許す限り、努めて戦争の惨劇を軽減する希望をもって定めたものであり、交戦者相互間の関係、および人民との関係において、交戦者の行動の一般の規則となるべきものである。
ただし、実際に起こる一切の場合に適用すべき規定は、明文がないからといって、軍の指導者の独断に任せるということではない。
もっといっそう完備した戦争法規が定まるまでは、条約を批准した各国は、以下の条規に含まれない場合でも、人民および交戦者が、依然として文明国に存在する慣習や人道の法則、公共の良心の要求から生まれる国際法の原則を持たなければならない。
とくに採用した規則の、第一条と第二条は、特にこの趣旨をもってこれを理解べきものであることを宣言する。
第一条 締結国は、その陸軍に対し、本条約に付属する陸戦の法規の慣例に関する規則に適合する訓練を行う。
第二条 第一条の規則および本条約の規定は、交戦国が本条約の当事者であるとっきに限り、これを適用する。
第三条 前記規則の条項に違反した交戦当事者は、損害あるときは、その損害の賠償の責任を負う。交戦当事者は、その軍隊を組成する人員、一切の行為について責任を負う。
第四条以下略(条約批准の手続き的な内容なので省略します)
 【条約付属書】
 陸戰ノ法規慣例ニ關スル規則
  第一款 交戰者
 第一章 交戰者ノ資格
■第一条■
戦争の法規および権利義務は、単にこれを軍に適用するだけでなく、以下の条件を具備する民兵および義勇兵団にも、これを適用する。
1 部下のために責任を負う者がその頭にあること。
2 遠方より認識できる定まった徽章を持っていること。
3 公然と兵器を携帯すること。
4 その動作について戦争の法規慣例を遵守すること。
民兵または義勇兵団をもって軍の全部、または一部を組織する国においては、これを軍の名称の中に含める。
※最近、China軍の潜水艦が、本部の意向を無視して日本領海内を通行するという事件があったけれど、彼らの軍には、「責任を負う士官」があるのだろうか。
※公然と兵器を携帯するのが軍とするならば、まさに朝鮮進駐軍は、軍である。彼らにこの陸戦条約の一端でも守る意思があったのだろうか。
■第二条■
占領された地方の人民で、敵の接近するにあたり、第一条によって編成をなすいとまがなく、侵入軍隊にあらがうために自ら兵器を操る者が、公然と兵器を携帯し、かつ、戦争の法規慣例を遵守するときは、これを交戦者と認める。
■第三条■
交戦当事者の兵力は、戦闘員、非戦闘員をもって編成することができる。敵に捕まった場合は、両者ともひとしく捕虜の取り扱いを受ける権利を持つ。
 第二章 俘虜
■第四条■
捕虜は、相手国の政府に属する。これを捕えた個人や部隊に所属することはない。
捕虜に対しては、人道をもって取り扱わなければならない。
捕虜の一身に属する物は、兵器、馬、および軍用書類を除く他は、依然、その所有者である捕虜に属する。
■第五条■
捕虜は、一定の地域外に出て、一定の義務を負わせて、都市や城砦、陣営その他の場所に留置することができる。
ただし、やむをえない保安手段として、かつ手段を必要とする事情が継続しているときに限り、これを幽閉してもよい。
■第六条■
国家は、将校を除く捕虜を、その階級や技能に応じて労務者として使役することができる。
その労務は、過度なものであってはならない。
捕虜は、公務所、私人または自己のために労務することを許可されることがある。
国家のためにする労務については、自国の軍人が同一の労務をしたときに払われる賃金と同額御賃金を支払わなければならない。
公務所や私人のためにする労務に関しては、陸軍の官憲と協議して、条件を定める。
捕虜の賃金は、その境遇辛苦を軽減するに必要な部分を払い、残りは、捕虜解放のときに、交付すること。
■第七条■
政府は、その権限内にある捕虜を給養(食べさせ養う)すべき義務を持つ。
捕虜が逃走し、自分の軍隊に帰りつく前、あるいは軍の占領地を離れる前に捕まえたときは、懲罰を与えてもよい。
■第八条■
捕虜は、捕えた側の国の陸軍現行法、規則、命令に服従しなければならない。
服従しないときは、捕虜に対して必要な厳重手段を講じてもよい。
捕虜が逃走を遂げたあとに、ふたたび捕虜となった場合は、前の逃走に対しては何等の罰を受けることはない。
■第九条■
捕虜が、その氏名、階級について尋問を受けた場合は、真実を答えなければならない。
もしこの規定に背くときは、同種の捕虜に与えるられるべき給与その他を減じても構わない。
■第十条■
捕虜は、その本国の法律が許すときは、宣誓のあと、解放してもらえることがある。
この場合、本国政府および捕虜を捕えた政府に対し、一身の名誉を賭してその誓約を厳密に履行する義務を有する。
この場合、捕虜の本国政府が当該捕虜に対して、その宣誓に違反する勤務を命じたとしても、当該捕虜はこれに服さなくてよい。
■第一一条■
捕虜は宣誓解放の受諾を強制されることなく、また敵の政府は宣誓解放を求める捕虜の請願に応ずる義務はない。
■第一二条■
宣誓解放を受けた俘虜で、その名誉を賭して宣誓を行った政府、あるいはその政府の同盟国に対して兵器を操って再び捕えられた者は、捕虜の取扱を受ける権利を失うべく裁判に付せられることがある。
■第一三条■
新聞の通信員や探訪者、あるいは酒保用達人等、軍の一部ではない従軍者で、敵の権内に陥り敵に於いてこれを抑留することが有益であると認められる者は、その所属陸軍官憲の証明書を携帯する場合に限り、捕虜の取扱を受ける権利を有する。
■第一四条■
各交戦国は、戦争開始の時から、また中立国は交戦者をその領土に収容したときから、捕虜情報局を設置しなければならない。
情報局は、捕虜に関する一切の問い合わせに応える任務を持ち、捕虜の留置、移動、宣誓解放、交換、闘争、入院、死亡に関する事項その他、各捕虜に関し、めいめいの票を作成し、かつ補修するために必要な通報を各当該官憲より受けるものとする。
情報局は、その票に番号、氏名、年齢、本籍地、階級、所属部隊、負傷並びに捕獲、留置負傷および死亡の日付および場所、その他一切の備考事項を記載しなければならない。
それぞれの票は、平和回復のあと、これを相手国交戦国の政府に交付しなければならない。
情報局は、また宣誓、解放され、交換され、逃走し、または病院もしくは待機所において死亡した捕虜の遺留し、並びに戦場において発見された一切の自用品、有価物、手紙等を収集して、これをその関係者伝送する任務を負う。
■第一五条■
慈善事業の仲介者として、合法的に設立された戦争捕虜の救済社交団体は、それ自体または代理人が交戦国から軍事的必要と行政が許す範囲で、人道目的のあらゆる便宜が計られる。
これらの社交団体の派遣団は、帰還捕虜の一時収容所または捕虜の抑留施設に援護物資の配布のため入場が許可される。
この場合、軍事当局の許可証を携帯し書面により警察および秩序についての法令を遵守する旨承諾しなければならない。
※日本人市民が樺太や満州、朝鮮で受けた仕打ちはいったい何であったのか。
本土等での艦砲射撃や本土無差別空爆は、いったい何であったのだろうか。
■第一六条■
情報局は郵便料金免除の特権を受ける。
捕虜に送られるたり戦争捕虜が発信する手紙、支払い指図書、郵便小包、その他の貴重品は発信地または受領地もしくはその中継地点のいずれの国においても郵便料金は免除される。
戦争捕虜あての贈り物と援護物資は郵便料金が無料のみならず、国有鉄道の輸送費も免除される。
■第一七条■
捕虜となった将校は、必要があれば、国家の規則に応じて階級に応じた満額の給与を受け取ることができる。
その給与は支払い国に返還されねばならない。
■第一八条■
捕虜は、軍事当局の命令する秩序や風紀に関する規律に服従することを唯一の条件として、自らの信じる宗教への信仰が認められ、その宗教上の礼拝式に参列することができる。
■第一九条■
捕虜の遺言は国軍の兵士に準ずる条件で書かれ、受け取られる。
捕虜の埋葬および死亡証明の発行についても、同様に、各階級に相対する取扱いを受ける。
■第二〇条■
平和が成立したあとは、なるべくすみやかに捕虜を帰国させなければならない。
※シベリア抑留は、日本が主権を回復したとされる昭和27年以降も継続されています。
 第三章 病者及傷者
■第二一条■
傷病兵にたいする交戦国の義務は1864年8月22日のジュネーブ協約およびその修正条項に従う。
  第二款 戰闘
 第一章 害敵手段、攻囲及砲撃
■第二二条■
交戦者は、敵を倒す手段の選択について、無制限の権利を持つものではない。
■第二三条■
特別の協約によって禁止された措置のほか、特に以下のものを禁止する。
(イ)毒または毒を施した兵器を使用すること。
(ロ)敵国または敵軍に属する者を詭計をもって殺傷すること。
(ハ)武器を棄てまたは防衛手段を喪失し、自らの意思で降伏した敵兵を殺傷すること。
(ニ)降伏を受け入れないと宣言すること。
(ホ)不必要な傷害を与える性格をもつ武器、発射物、素材を用いること。
(ヘ)白旗、国旗、軍旗、またジュネーブ協約で定められた標識の不適正に使用すること。
(ト)戦争の必要性とは無関係な敵の財産の破壊または奪取すること。。
(チ)相手国の国民の権利および訴権を消滅、停止、または裁判を受ける権利の喪失を宣言すること。
交戦者は、相手国の国民を強制してその本国に対する作戦動作に加われせてはならない。
※実際、日本は、外地の住民や鹵獲した敵兵を、戦場で兵として使役することは一切やっていません。
■第二四条■
敵、ならびに敵国の地形探知のため必要な手段の行使は、適法と認める。
■第二五条■
防御をして守る体制をとっていな都市、村落、住宅、建物は、いかなる手段によってでも、これを攻撃、または砲撃してはならない。
※日本の外洋に面した都市は、ことごとくやられていますが?
■第二六条■
攻撃軍隊の指揮官は、強襲の場合を除いて、砲撃を始めるに先だって、その旨、相手側の官憲に通告するために施すことができる一切の手段を講じなければならない。
※米軍による空襲予告、あるいは原爆投下予告はあったのでしょうか?
■第二七条■
戦闘のために相手を取り囲む、あるいは砲撃をするにあたっては、宗教、技芸、学術および慈善の用に持ちうる建物や、歴史上の記念建造物、病院、ならびに病者や傷者を負った者の収容所は、同時に軍事上の目的に使用されていない限り、これに対してなるべく損害を減じることができるよう、必要な一切の手段をとるべきものとする。
相手国によって囲まれた者は、相手に見やすいように特別の徽章を使って、その建物または収容所であることを表示する義務を負う。
また、そのための徽章は、あらかじめ、相手国に通告しておかなければならない。
■第二八条■
都市その他の地域は、突撃をもって攻撃し奪い取った場合でも、これを略奪するにまかせてはならない。
 第二章 間諜
■第二九条■
交戦者の作戦地帯において、相手の交戦者に通報する意思をもって隠密に、または偽装のもとに行動して情報を取ろうとする者でなければ、これをスパイと認めてはならない。
従って、変装しない軍人で、情報集めを行うために敵軍の作戦地帯に侵入する者は、スパイとは認めない。
また、軍事であるかないかを問わず、自国分または敵軍に宛てて通信をする任務を公然と執行する者も、スパイとは認めない。
■第三〇条■
スパイ活動中に捕えられたスパイは、裁判を経由した後でなければ、これを罰してはならない。
■第三一条■
スパイとしての活動のあとに軍に復帰したスパイは、捕虜として取り扱わなければならない。
その者が前に行ったスパイ活動に対しては、何等責任を負うことはない。
 第三章 軍使
■第三二条■
交戦者の一方の命をおびて、他の一方と交渉するために白旗を掲げて来た者は、これを軍使とする。
軍使ならびにその軍使が随伴する通訳、旗手、鼓笛手、ラッパ手、ビューグラー(ホイッスルの吹き手)などは、不可侵権を有する。
■第三三条■
軍使を差し向けられた部隊長は、必ずしもこれを受ける義務はない。
部隊長は、軍使の一団が、任務を利用して情報を得ることを阻止するための一切の手段をとることができる。
軍使の一段に、不可侵権の濫用があった場合は、部隊長は、一時的に軍使を抑留することができる。
■第三四条■
軍使が背信行為を教唆し、またはみずからこれを行うために、特権ある(軍使としての)地位を利用した証拠が明確な時は、彼らは不可侵権を失う。
 第四章 降伏規約
■第三五条■
この条約を締結した当事者間が協定する降伏規約は、軍人の名誉に関する規則を斟酌しなければならない。
降伏規約がいったん確定したときは、当事者双方ともに、厳密にその規約を遵守しなければならない。
 第五章 休戰
■第三六条■
休戦は、交戦当事者の合意をもって、作戦動作を停止する。
もしその期間の定めがないときは、交戦当事者は、いつにてもふたたび交戦を開始することができる。
ただし、休戦の条件に準拠して、所定の時期にその旨、敵にあらかじめ通告しなければならない。
■第三七条■
休戦は、全般的、または部分的、両方をすることができる。
全般的休戦は、相互に交戦のための作戦行動を停止し、部分的休戦は、単に特定の地域において交戦軍のある部分間において戦闘行為を停止するものとする。
■第三八条■
休戦は、正式に、かつ、適当な時期に、これを相手国の当該官憲に通告しなければならない。
通告のあと、ただちに、または所定の時期に戦闘を停止しなければならない。
※日本軍は、外地で数々の玉砕戦を戦っているけれど、そのどの戦いにおいても、相手側(China、米、英、豪等)から停戦の勧告を受けていない。
■第三九条■
戦地における交戦者と人民との間、および人民相互間の関係を休戦規約の条項中に規定することは、当事者に一任する。
■第四〇条■
当事者の一方が休戦規約にたいして重大な違反をしたときは、他の一方は、規約を破棄する権利を有するのみならず、緊急の場合においては、ただちに戦闘を開始することを得る。
■第四一条■
個人が自己の発意をもって、休戦規約の条項に違反したときは、その違反者の処罰を要求し、損害があった場合は、その違反者に対して賠償を要求するにとどめなければならない。
 第三款 敵国の領土における軍の権力
■第四二条■
ひとつの地方が、事実上、敵軍の権力内に帰したときは、占領されたものとする。
占領は、その権力を樹立し、かつ、これを行使しえる地域に限定するものとする。
■第四三条■
国の権力が事実上、占領者の手に移ったときは、占領者は、絶対的支障がないかぎり、占領地の現行法を尊重して、なるべく公共の秩序、および生活を回復確保するために施しうる一切の手段を講じなければならない。
■第四四条■
交戦者は、占領地の人民を強制して他方の交戦者の軍、またはその防御手段についての情報を提供させてはならない。
■第四五条■
占領地の人民に、その敵国に対して忠誠の誓いを強制してはならない。
■第四六条■
家の名誉、権利、個人の生命、私有財産、ならびに宗教の信仰は、これを尊重しなければならない。
私有財産は、これを没収してはならない。
※朝鮮進駐軍は、やりたい放題でした。
■第四七条■
略奪は、これを厳禁する。
■第四八条■
占領者が、占領地において、国のために定められた租税、賦課金、および通過税を徴収するときは、なるべく現行の賦課規則によってこれを徴収しなければならない。
この場合、被占領者の人民は、その国の元の政府が行っていた程度の範囲内で、行政費を負担する義務を負うものとする。
■第四九条■
前条に示された以上に税を取り立てる場合は、軍または行政上の必要がある場合だけに限るものとする。
■第五〇条■
人民に対しては、連帯責任のない個人の行為に、金銭上その他、連帯責任で罰することをしてはならない。
■第五一条■
取立は、すべて総指揮官の命令によって、かつその責任をもってするのでなければ、これを徴収してはならない。
■第五二条■
現品を徴発する行為は、占領軍の需要にためにするのでなければ、あらゆる市町村、または住民に対してこれを要求してはならない。
徴収や課役は、その国の資力に比例するものでなければならず、自国に敵対する軍事作戦に関与しない性格のものに限定される。
これらの徴発と労役は、その地区を占領した軍司令官の権限でなければ、要求してはならない。
現品の供給に対しては、なるべく即金で支払い、そうでないなら必ず領収書をもってこれを証明し、かつ、なるべきすみやかにこれに対する金額の支払いを履行しなければならない。
■第五三条■
ひとつの地方を占領した軍は、国の所有に属する現金、基金、および有価証券、貯蔵兵器、輸送材料、在庫品、および食料その他すべて、作戦行動に供することができる。
海上法によって支配される場合を除いて、陸上、海上および空中において、報道の伝達、または物の輸送に使う一切の機関、貯蔵兵器、その他各種の軍事品は、私人の所有するものであっても、これを押収することができる。
ただし、平和が回復したときは、これを還付し、かつこれが賠償をすべきものとする。
■第五四条■
占領地と中立地を連結する海底電線は、絶対的な必要がある場合でなければ、これを押収し、または破壊してはならない。
その電線は、平和が回復したとき、これを還付しなければならない。必要な賠償を決定しなければならない。
■第五五条■
占領国は、敵国に属し、かつ占領地ではない公共の建物、不動産、森林、および農場については、その管理者、および用益権者にすぎないと考え、当該国の財産を保護し、かつ用益の法則にしたがって、これを管理しなければならない。
■第五六条■
市町村の財産、ならびに、国に属するものであっても、宗教、慈善、教育、技芸および学術に使う建設物は、私有財産と同様に扱わなければならない。
その建設物や歴史上の記念建造物、技芸及学術上の製作品を、故意に押収、破壊又は毀損することは、すべて禁じられ、かつ訴追できないものとする。
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