
2009年5月12日、Record Chinaは、中国の自動車市場が4か月連続で販売台数世界一を記録したと報じました。
■関連記事:中国自動車市場、なおも好調!08年の販売予想を1000万台乗せへ上方修正―中国 Record China
http://news.livedoor.com/article/detail/4151238/
中国自動車工業協会は今年の販売予想台数を当初の941万台から上方修正し、1020万台とした。この数字は前年比8.7%の増加であり、乗用車の販売台数にして1割の増加を見込むという報道です。
中国自動車工業協会の責任者は、「自動車市場の好調は政府の政策面での支援があったから。そのおかげで乗用車の購入が増加したものと見られる。中国経済の回復の先導役となるはずだ」と語ったとか。
一方、おなじくRecord Chinaの5月12日の記事によると、中国における「トヨタ」の販売台数が激減し、代わりに韓国メーカー「ヒュンダイ」の人気が急速に高まっているのだとか。
トヨタは今年通年で約80億ドルの赤字が予想されているが、主な原因は「中国市場での失敗が影響しているようだ」とか。
■関連記事:中国の自動車市場で「泣いたトヨタ、笑ったヒュンダイ」―韓国メディア Record China
http://www.recordchina.co.jp/group/g31296.html
まず言いたいのは、日本国内での自動車販売台数は、これだけ景気が後退している状況にあってもなお、いまだ年間1500万台あるということです。
中国は、最近やたらと“巨大人口・巨大市場”を宣伝するけれど、日本の10倍以上の人口を擁しながら、いまだ日本国内での自動車販売台数の3分の2しか車が普及していない。
もちろん、そうはいってもここ数年の中国市場の成長は著しいのでは?というご意見もあろうかと思います。
しかしこの点についても申し上げたいのは、中国という国は、まともな統計数字が出てこない国である、ということです。
先日倒産した中国のある自動車メーカーは、月販1万台と豪語していたけれど、倒産して蓋をあけてみたら、月に1千台の出荷しかなかった。しかもそれは良い月で、売れない月は200台程度しか出荷されていない。
そもそも中国では“避諱(ひき)”といって目上の者の意に沿う事柄なら、嘘をつくのが正しいとする概念があります。
■関連記事:中国の“避諱”の概念
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-449.html
中国政府が、自動車産業を皮切りに、まさにいま中国市場が急速に成長していることをアピールしたいとなれば、在中企業は、実際の何倍もの出荷台数を政府に報告する。
その虚偽の数字を集計したものに、さらに鉛筆を舐めて都合よく修正を加えた数字が、経済統計数字として世界に向けて公表される。
そういう国の統計データを、鵜呑みにして、やれ中国市場がすごいの、株価が急騰しているの、自動車販売台数が伸びているのと、大騒ぎするほうが、土台、どうかしています。
そもそも、自動車というのは、動く機械です。
日本中、どこに行っても、ガソリンスタンドと自動車整備工場が、あちこちにある。
自動車は、ガソリンをいれなければ動かないし、整備しなければ壊れてしまう。
中国に旅行された方、近くでガソリンスタンドを見かけましたか?
自動車整備工場が、近所にありますか?
年間1000万台もの出荷がされているという中国で、上海あたりにいっても、タクシーは相変わらず、ワーゲンの中古車です。
なぜでしょう?
どうして中国車がタクシーになっていないのか。
嘘の数字を発表しても、そういうところで、メッキはすぐにはがれてしまう。
まして中国で上映されている映画「南京!南京!」などで、嘘八百のデマゴーグ・プロパガンタで、日本人=悪党と宣伝されている中で、当然、中国消費者の日本車に対する買い控えも起るでしょう。
中国トヨタの工場で働く人々にしたところで、日本人=悪人と信じる人々が多い中で、モラールや、モチベーションなんて、あがりようがない。せっかく日本国内以上の超近代的設備の新設工場を中国に作ったのに、できあがるエンジンはトラブルだらけです。
トヨタはひた隠しにしているようだけれど、そういう情報は、クルマ好きにはすぐ耳にはいる。
結果、中国トヨタ産エンジンを積んだ人気車種エスティマは、故障・トラブル続きで販売台数が落ちる一方です。
そもそも、日本企業のTOPを招待して、上げ膳据え膳で、ありとあらゆる大接待をし、特別減税措置なんかもチラつかせて日本の技術の粋を集めた工場を誘致して、そこから技術を盗みまくる。
そしてデザインもエンジンも、まる移しのコピー商品を、中国産ブランドのクルマとして売りに出す。
そのうえで、必要なだけ技術を盗み取ったら、紙屑のようにポイと捨てられる。
中国への投資は、天に向かってツバするのとおなじことにしかならないのです。
上杉謙信は、甲斐の武田信玄に塩を送ったけど、あれは、謙信同様、信玄が信義を守る相手だからこそ美談となったにすぎません。
特ア三国に塩を送っても、連中はその塩を舐めながら日本の財産を泥棒しにくる。
そもそも、中国自動車市場についていえば、彼らは、日本車というものが中国に上陸すること自体を異常に警戒していました。
いまでも、中国国内で、右ハンドルの車での走行が見つかると、その場で車は没収されてしまいます。完全輸入禁止製品にされている。
これは日本車が中国国内に入り込むことを畏れた中国政府の方針です。
中古車でさえ、日本製のものは、完全に締め出しています。
そのくせ、日本車はしっかり持ちかえる。市中を走らなければ、どれだけ中国に持ち帰っても構わない。彼らはそうやって、日本車の技術を盗み、自国の自動車産業の育成を図った。これは彼の国の、まさに国策です。
そういうところに、人口が多いから、近年経済成長が著しいからと、人の好い日本企業が自動車工場を作り、巨額の投資をして販売網を作ろうと努力する。
民間企業としては、それはそれで涙ぐましい努力といえなくもないけれど、それなら相手国は何も中国である必要はさらさらない。
中国に匹敵する11億の人口を持つインドは、目下、国を挙げて日本のように中産階級を育成しようと努力している。インドネシアや、マレーシア、タイ、ビルマ、ベトナムなども、日本を信頼し、協力を求めています。
台湾は、日本が中共と国交を開くことで日本からスポイルの憂き目にあっているけれど、彼らはいまだに親日的で、日本との良好な関係を望んでくれている。
なにも、よりによって中国あたりに工場を進出させなければならない理由など、どこにもない。
先日小室哲也氏が、実刑判決を受けましたが、彼も中国での被害者です。
彼は、うまいことたぶらかされて、中国に巨額の投資をし、有り金を全部巻き上げられてしまった。
そういう話は、国内の中小零細企業で、中国進出を図った製造業者に、いくらでも転がっている。
■関連記事:出ました! 中国 お家芸!
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-23.html
これだけ多くの日本企業が被害にあっているのに、なぜかメディアはそのことについて、まったく報道しようとしない。
最近では銀行でも、かつては中国に工場を新設するというと、けっこうお金を貸してくれたものだけど、あまりにそれによる倒産が頻発したことから、最近では、中国に投資をするという話には、銀行はまず乗らなくなっています。
加えて、最近になって、中国政府はITのソースコードを全面開示しろと要求してきました。
■関連記事:中国の蛮行を許すな!!
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-480.html
麻生さんが中国にでかけ、とりあえずは要求の1年延期を決めてきてくれましたが、問題は、自動車産業というものは、とくに日本車にかんしていえば、まさに電子部品の集合体であるということです。
つまり、ソースコード開示に応じなければ、中国国内での生産活動の凍結を行うという中国の要求は、中国に自社工場を持つ自動車メーカーにとっては、非常に困る事態を招く。
しかしこれを中国政府に公開するということは、日本という国が持つ電子機器の、いわば「金庫の鍵を渡す」ことになり、自動車、家電から、工業生産用ロボット、国土防衛のための情報機器にいたるまで、すべてのソフトウエアをすべてオープンにすることになってしまうのです。
それは、簡単にいえば、日本の防衛システムの制御方法を、全部シナに教える、ということにもつながる。
これは、けっして大げさな話ではない。大問題なのです。
上述したRecord Chinaの報道によれば、トヨタですら中国国内では「負け組」であり、赤字だとのこと。
それなら、少々政府でお金を出してあげてもいいから、日本の電子メーカー、自動車メーカー等は、この際、すべて中国から撤退!
代替地なら、台湾、インドなど、特ア以外のアジア諸国が、みんな喜んで出してくれる。なんの心配もない。
そもそも、相手が泥棒とわかっていて、そこに金庫を運んで行くバカがどこの世界にいるのか。
日本政府、あるいは日本のシンクタンクは、中国投資による日本企業の被害実態について、正確に調査を行うべきです。
そして官民一体となって、特ア以外への投資の検討を促進し、速やかに中国からの撤収をすべきだと、ボクは思います。
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