東アフリカ・ソマリア沖の自衛隊の活動を念頭に置いた海賊対処法案をめぐる与党と民主党の修正協議は22日、合意点を見いだせず決裂しました。
これを受け、与党は法案を修正せず、23日の衆院海賊・テロ対策特別委員会で可決後、衆院本会議でも与党の賛成多数で可決する方針を決めた。
民主党など野党各党は反対するが、民主党は今後の参院審議を引き延ばさない方針で、同法案は今国会で成立する見通しになったといいます。
同委の自民、民主両党の筆頭理事は22日も国会内で断続的に法案修正を協議。
民主党の主張は、政府案で「事後報告」にとどまっている国会の関与について、あくまで「国会の事前承認」を盛り込めというもの。
これに対し自民党は、「国会が議決した時は海賊対処活動を終える」などとする妥協案を示したけれど、民主党は拒否。法案修正論議は、不調に終わった。
与党は23日中に、法案を本会議に上程し、衆院を通過させる。
これに対し民主党は、
① 首相直轄の海賊対処本部の新設
② 国会の事前承認義務づけ
などを盛り込んだ修正案の骨子を23日に提出するが、与党の反対多数で否決される見通し。
■関連記事:[海賊対処法案]今国会で成立へ 与野党修正協議は決裂 毎日新聞
http://news.livedoor.com/article/detail/4122594/
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そもそもソマリア沖の海賊問題について、日本の海賊対策の必要性を麻生首相に主張したのは、民主党です。
昨年10月、民主党の長島昭久衆院議員が国会質疑で、海賊対策の必要性を説いた。
ところがこの論議が本格化してきた1月には、なぜか民主党の主張は、「なぜ海上保安庁では対応できないのか」という、極めて初歩的かつ非常識なもの。
しかも今回の修正案協議に際しては、政府側が法案を提示(国会を通過すればそれがそのまま法律となる)したのに対し、民主党が行ったのはほんの数行の修正案の骨子を示しただけ。
そしてその内容は、海賊対策の主体を自衛隊ではなく首相の下に置いて「海賊対処本部」とし、その活動について国会の事前承認を義務づけるという。
派遣地域は遠く、海賊はロケット砲まで保有する軍事勢力です。
海賊がロケット砲を撃ち、これが自衛艦に命中もしくは、民間貨物船にいまにも着弾しようとするときに、民主党は、国会を参集して迎撃に関して事前承認を受けろという。しかもその国会には衆参両院があり、ねじれ国会となっている。
数秒で着弾するロケット弾に対抗するために、民主党は発射後何日かけて迎撃を決議するつもりか。
首相の直轄で「海賊対処本部」を設置するというけれど、派遣された2隻の護衛艦の運用は、防衛省・自衛隊の密接な連携の下で行われています。
現場は戦場です。自衛隊員は日本の国際的地位と名誉と往来する世界の民間貨物船を守るために、命がけで戦っている。
その指揮命令系統に、さらに海賊対処本部を加え、しかもそこでの警備行動については、事前に国会審議を経由せよという。
こうなってくると、もうめちゃくちゃです。
もう少し詳しく民主党の主張を見ると、さらに大きな矛盾が見えてきます。
民主党は先の本会議の質疑で、
「軍艦で海賊を追い払うだけの対症療法では海賊の根絶につながらないから、海上警察による取り締まりが必要である」
「取締りに際しては、自衛艦ではなく、海上保安庁による対応が適している」
「軍艦構造をもつ海保巡視船「しきしま」の派遣に加え、海自艦艇を一時的に海保に「所管替え」した上で派遣せよ」
などと提案しています。
ねずきちは「よく言うよ」としかコメントのしようがありません。
なぜなら、警察活動による取り締まりというのは、すべて“法に基づいて”行われる。アフリカのソマリア沖で、いったい海保がどこの国の法律に基づいて取締活動をするというのか。日本だけの派遣じゃないんです。
加えて、政府側がちゃんと法案を提出しているの対し、民主党は、いまだにメモ程度の骨子しかできていない。
そもそもソマリア問題の火付け役を買って出て政府を攻撃するだけしておいて、いざ、対応が始まると、途端に腰砕けになっている。
これが、責任政党を自称し、ネクスト・キャビネットまで組成して、次期政権を担おうとする政党かと思うと、まさにお寒い限りです。

Ghost City モガディシオ ソマリア 2008.10 (1)


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