シドニー港攻撃に参加した巡潜乙型潜水艦(同型の伊15)
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ハリウッド映画で、ニコール・キッドマンを主演に起用して大作としてさかんに宣伝していながら、結果としてはイマイチ売れなかった映画に「オーストラリア」があります。
かなり反日華僑の影響を受けた映画で、オーストラリアに上陸した白人たちが、現地人であるアボガジニたちを保護しようとしていたのに、大東亜戦争で日本軍がやってきて全部ぶち壊しにしてしまったという、笑えない冗談のような流れで描かれた歴史スペクタクル巨編でした。
さすがにオーストラリア人にとっても、また白人社会においても、まるでウリナラファンタジーさながらのこの映画は、作成年度においては、その宣伝効果もあってオーストラリア国内で興行収入1位をとり、世界中に配給したものの、結果としては「市場に見放された映画」となっています。
実はこの映画、ラストシーンで大嘘を描いてしまいました。
昭和17(1952)年2月19日に、日本海軍機動部隊が、オーストラリア北海岸の要港ダーウィンを空襲したという大スペクタクルを描いたのです。
そして日本軍が、オーストラリアの先住民であるアボリジニを虐殺したと。
日本は、南太平洋戦線が一番南に延びていた時期に、なるほどオーストラリア5ヵ所の軍事施設を空爆しました。
けれどこれがまさに「軍事施設」だけを標的とした、ピンポイントの見事なまでにあざやかな空爆だったのです。
また松尾敬宇中佐らの特種潜航艇三隻、秋枝三郎中佐らの同二隻は、警戒厳しいシドニー軍港及びマダガスカル島ディエゴスワレスを強襲し、オーストラリア海軍の宿泊艦「クッタブル」を沈没させるなどの戦果をあげながら、防潜網に絡まるなどして、自爆自沈しています。
この自爆した特殊潜航艇は、6月5日までに引き上げられ、9日には英国海軍から派遣されていたシドニー要港司令官ジェラード・ミュアヘッド=グールド海軍少将(Rear Admiral Gerard Muirhead-Gould)によって、オーストラリア海軍をあげての盛大な海軍葬が行われています。
この「戦時中に敵国である日本の海軍軍人に鄭重な礼を尽くす」ということに、オーストラリア国内では、一部反発もあったそうです。
けれど、あきらかに装甲の薄い小型の特殊潜航艇で港内深くまで潜入し、敵に発見されるや投降することなしに自沈したというその松尾大尉らの勇敢さに対し、グールド少将は心を打たれ、海軍葬で礼を尽くしただけでなく、葬儀後に、次のような演説をラジオで行いました。
そしてその演説は、オーストラリア国民の心を打ち、そしてまた礼を尽くしたこと自体が、オーストラリア海軍の誇りにもなっています。
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このような鋼鉄の棺桶で出撃するためには、
最高度の勇気が必要であるに違いない。
これらの人たちは最高の愛国者であった。
我々のうちの幾人が、
これらの人たちが払った犠牲の
千分の一のそれを払う覚悟をしているだろうか」
残念ながら、映画「オーストラリア」は、オーストラリア海軍軍人の誇りをひどく傷づける映画となりました。
一部でカネを積まれた評論家が大絶賛する一方で、多くのオーストラリア人、それも軍隊の関係者からは、最低の映画と酷評されたのもうなづけます。
人種の平等と世界平和,公正な世界を目指した日本

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