麻生首相の5日の予算委での郵政民営化経営形態の見直しについて、案の定、メディアの批判が集中しています。
いわく、
「ちょっと口が滑ったのかな」
郵政民営化 見直すべきは改革の逆行
首相の郵政見直し発言で波紋 野党に格好の攻撃材料提供?
日本郵政“四面楚歌” かんぽの宿で膨らむ赤字
郵政民営化見直し発言「誤解、もしくは無理して話を作られてる」
山岡氏「国民への裏切り」 首相の郵政民営化に反対だった発言に
首相の郵政4分社見直し発言 総務相も「国営化以外はすべて見直し対象に」
郵政4分社化「見直す時」首相が言及「民営化に賛成ではなかった」
まさに「これさいわいに」と批判の嵐(笑)
でもね、ちょっと待っていただきたいのです。
巨額の郵貯残高というのは、日本の、日本人にとってのいわば定期預金のようなもの。
明治以降、庶民が細々と蓄えてきたお金。それが、郵貯残高です。
いやぁそんなことはない。俺ぁ銀行に預金してる、という方もおいでかもしれません。
でもね、民間銀行というのは、庶民からカネを集めて利息を払います。
払うだけなら、銀行はつぶれてしまう。
だから銀行は、カネを貸して利息収入を得ます。あるいは国債や社債、株式などを買って、投資をします。
つまりね、銀行に預けたカネは、預金している銀行からカネを借りているみたいなもので、差し引きしたら赤字になる。
これに対して、国営だったころの郵貯のカネってのは、いってみればタンス預金みたいなもので、庶民が金庫に自分のカネを蓄えている。投資してない。まるごと財産。ストック資産です。
その巨額の郵貯が、コイズミさんによって「ぶっこわすぞ」と、民営化された。
民営化されて株式会社になったってことは、会社のオーナーは株主なので、株をたくさん買い占めれば、その会社を乗っ取ることができる。
とくに、大きな焦げ付きでも出して、赤字決算でもでようものなら、タダ同然で、巨額の残高を持った郵貯資金を横取りすることができる。
いや、横どりとまでいかなくても、大株主になれば、一定の要求を郵貯の経営陣に突きつけれることができる。役員を送り込むこともできる。
そこで、郵貯民営化以降、外国資本が、ありとあらゆる手を尽くして、ゆうちょ銀行の株式を買いあさっている。
だいじにだいじに、明治以来、ひい爺様やババ様の代から、一生懸命貯めた貯金がね、ある日突然、外国のものになっちゃって、おひとり1万円までしか払い戻ししません!なんて言い出したら、どうなるんでしょうかね?
まさか、そんなことたぁ、ありえねぇ!、聞いたことがない。ねずきちは何をアホなことを言ってんだっ! とお考えのアナタ!
そんなことは、世界の常識。ふつうにあることなんです。
むしろ日本のように、通貨の安定性や、オカミがきちんとしているところのほうが、世界では、めずらしい。
ある日突然、通貨が変わる。たとえば円が○になる。円と○の交換は、ひとり5万円までなどと発表される。世間は大混乱。銀行の前には人々の長蛇の列。
列の割り込みをしようものなら、射殺され、おとなしく並んでいると、列の途中のここまでで、交換は打ち切りにします!といきなり発表される。
ふざけんなっ!と抗議すると、その場で射殺。
そんなことが普通に起こっている国も、世界には多数ある。
いやむしろ、国の数で言ったら、そういう国家の方が、世の中にはるかに多い。
日本だって例がないわけじゃない。
巨額の軍事物資の調達のために使用された軍票は、敗戦とともに紙切れになった。
郵貯民営化にともなって、外国人が株式を買い占める。
もちろん日本国が大株主ではあるけれど、たとえば、株式の20%を保有して、役員を送り込み、不良債権化がわかりきっている自国への融資を実現させてしまう。
実際、ゆうちょ銀行の株式の海外流出に歯止めがかからないという現実がある。
そうした背景の中で、今回、麻生総理が、「郵貯4分社化について見直しを考えている」と発言するとどうなるか。
ゆうちょ銀行の株式を買い集めている者たちにとっては、買占め自体が無意味となってしまう危険があるということになる。
下手すれば、自分がこれまで買い占めた株式が紙切れになる。
そりゃぁ、民主に選挙資金を前渡しして、その代りゆうちょ残高泥棒を企てていたような連中は、あせりますがな。
ものすごいけん制になる。
麻生総理が言った言葉自体は、「経営の効率化を考えたい」という、一見、あさっての方向を向いたような発言だけれども、その言葉のココロは、日本の庶民のカネを守る、ゆうちょ残高を守るという言葉になる。
それもわからんで、他国と一緒になって、首相はけしからん!とか言っている連中は、いったいどこの国民の生活を守ろうとしているのか?
「我が国の国益を守る」とかいうと、なにやらウヨク的で、好戦的で、反社会的言動みたいにみられる傾向があるけれど、国益というのは、わかりやすくいえば、「日本で暮らす多くの庶民の利益」という意味です。
庶民の利益というのは、とりもなおさず、わたしたち、ひとりひとりの利益だ。
それを守ることを、「コクエキヲマモル」というんです。
国益を守って何が悪い!?
むしろ国益を守ることこそが、庶民を守ることになる。
総理の今回のひとことは、単に表面上の意味だけでなく、別の意図を含んだ、非常に意味深なひとことであったと、ねずきちは思っています。

↓こういう動画にあるような軽薄なとらえ方しかできないのは、要するに社会人としての勉強が足りん!と思ったりします。


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