ハワイといえば、太平洋の楽園として知られています。
今日はそのハワイのことを少し書いてみようと思います。
18世紀末、ハワイを発見したのは、有名なキャプテン・クックです。
そのクックを先頭に、ハワイに来島した白人たちが持ち込んだのが、
貿易商、キリスト教宣教師
麻疹、結核、コレラ、ハンセン病、梅毒・・・
欧米から来た白人達は、土地所有の概念のなかったハワイで、ただ同然で土地を買い占め、国土の75%以上を所有。
抵抗力のない先住ハワイ人は、クックが来島した頃30万人だった人口が、1872年には5万7千人にまでに落ち込んでしまいました。
ハワイ諸島を統一したのは、カメハメハ大王です。
彼は、欧米人種と対抗するために、明治維新のときの日本と同じように、一方で彼らから武器・弾薬を買い、一方で種々の部族がひしめくハワイ諸島を統一しました。武器購入資金は、サトウキビ等の輸出など、国内産業の発展によって賄いました。
しかし輸出相場の変動、疫病の蔓延などにより、国力は徐々に低下していったのです。
そのカメハメハ大王の孫にあたるカラカウワ大王は、1881年に日本に来日しています。
当時の日本は、有色人種で唯一の独立国。有色人種の希望の星だったのです。
そして大王は、アメリカ人の随行員らを出し抜き、日本人通訳のみを連れて、密かに赤坂離宮を訪れ、明治天皇との会見を乞います。
天皇側は夜中の訪問を不審に思ったが、とりあえず会見。
そして大王は、ハワイ王国の内憂外患の窮状を述べ、5つの協力を仰ぎます。
第一 日本人移民の実現(ハワイ人の人口減少を同一種族である日本人の植民で補う)
第二 やがて王位を継がせる姪のカイウラニ王女と日本皇族・山階宮定麿親王との婚約。
第三 日本・ハワイの合邦(連邦)
第四 日本・ハワイ間の海底電線(ケーブル)敷設。
第五 日本主導による「アジア連邦」の実現。
しかし、明治維新後わずか14年の日本には米国と対抗する力はありません。
翌年、 明治天皇はカラカウア王に特使を派遣して、婚姻の議などは謝絶します。
しかし、移民については実現し、1884年、日本・ハワイ移民協約が締結しました。
1885年、ホノルルに到着した第一陣の日本移民のために催された歓迎会には、大王自身も列席され、日本酒が振る舞われ、ハワイ音楽やフラダンス、相撲大会が催されたといいます。
1891年1月 病死したカラカウア王の後を継いで、後継者として指名されていたのが、大王の実妹リ リウオカラニ女王です。
1893年1月15日、女王はハワイアンに選挙権を与え、市民権を持っていない白人からは選挙権を剥奪するよう、憲法を変えようとしました。宮殿前には、女王を支持するハワイ国民が集まります。
これに対し米国公使 スティーブンスは、翌16日、「米国人市民の生命と財産を守るために」と、ホノルル港に停泊中の米軍艦ボストンから、海兵隊員160余名を上陸させ、政府庁舎や宮殿近くを制圧。
軍艦ボストンの主砲は、イオラニ宮殿に照準を合わせました。
「無駄な血を流させたくない・・・」と言う女王が、退位を決意。
これにより、ハワイ王国は滅亡します。
しかし、当時のハワイには、日本人25000人が入植している。
そこで、急きょ、日本から巡洋艦「浪速」と「金剛」が警備のためにハワイに向けて出港します。
翌2月23日、到着した「浪速」は、米軍艦ボストンの隣に投錨。
艦長は、若き日の東郷平八郎です。
軍艦ボストンからみたら、これは実に気持ちが悪い。
「浪速」の乗組員は、いっさい、米政府筋の者たちと会おうとせず、黙々と隣に投錨している。艦首主砲が、ボストンを向いた途端、ボストンの沈没は免れない。
日本の2艦が米人たちに無言の圧力を与えることで、ハワイ市民の混乱や、市民に対する白人の略奪を阻止した。このときの東郷平八郎艦長らの行動は、まさに、戦わずして勝つ!これが究極の武士道だと、ねずきちはひとり感動しているのです。
ここで登場したカラカウア大王は、キリスト教宣教師によって禁止されていたフラダンスを復活させた、フラの父です。
そして、東郷平八郎氏と親交があったといわれるハワイ王国最後の女王リリウオカラニが作詞作曲したのが、有名な名曲アロハ・オエです。
Aloha 'Oe アロハ・オエ(あなたに愛を)
Ha'aheo ka ua i na pali
Ke nihi a'ela i ka nahele
E hahai ana paha i ka liko
Pua 'ahihi lehua o uka
Aloha 'oe, aloha 'oe
E ke onaona noho i ka lipo
A fond embrace a ho'i a'e au
Until we meet again
山たちこめる雲 霧化し森の間間
さがす谷咲く花 潤むいのちつぼみ
ふるさと ふるさと
うるわしのああ まほろば
もう一度 抱きしめて
さようならふるさと
アロハオエの美しい旋律の陰には、侵略者に踏みにじられ祖国を失う悲しみが隠されているんですね。
この「アロハオエ」は祖国を失うということがどんなに悲惨かということを訴えている。
日本も、もしかしたら敗戦によってアメリカかソ連の領土に併合されて日本国はこの地上から消滅していたかもしれないのです。
いま私たちが日本語で話ができることにさえ感謝しなくてはいけない。
その教訓をふくめて、亡国の経験のない平和ボケ民族の日本は「アロハオエ」に秘められた亡国の哀しみを肝に銘ずべきだと思います。
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