
昨日28日、第171回国会において、麻生総理の施政方針演説が行われました。
毎度のことですが、この“国を代表する総理大臣”の、国民国家の“施政方針”に対して、マスコミの報道は、まったくもってなってません。
いわく・・・
≪麻生首相は28日の施政方針演説で、故事成語やエピソードの引用、復古調の文言を避け、淡々と政策を説明するスタイルに終始した。
オバマ米大統領の就任演説と比較されることを心配した複数の閣僚は「印象的なエピソードを入れ、抑揚をつけた方がいい」と進言したが、読みやすさ、簡潔さを優先させたという。≫
(引用)毎日新聞「麻生首相「読みやすさ、簡潔さ優先」
http://news.livedoor.com/article/detail/3994001/
国民にとってだいじなのは、演説のスタイルではなく、内容のはずです。
施政方針演説を聞いて、この程度の記事しかかけなくて、よくこの記者は給料もらえるものだ。
さらに、麻生総理の演説よりも、
<中川財務相>「渦中」を「うずちゅう」と読み違え 毎日新聞
<施政方針演説>麻生首相「読みやすさ、簡潔さ優先」毎日新聞
ようやく産経新聞が、≪【視点】首相施政方針演説 政策中心、愚直さ訴え≫という記事で、
「麻生太郎首相の施政方針演説は、奇をてらうことなく、淡々と政策中心に並べた」
混迷する世界的金融恐慌に加え、わが国に対する海外からの圧力、そして緊急措置としての景気対策。そうした難題を抱えた中での日本の総理の発言は、渦中か、うずちゅうかとか、奇をてらうとかの問題でなく、もっと、きちんと報道すべきものではないかと思います。
首相官邸のHPで、今回の総理の演説の全文が紹介されていました。
■ 第171回国会における麻生内閣総理大臣施政方針演説 平成21年1月28日 首相官邸HP
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/01/28housin.html
まず、麻生総理の演説は、今年が陛下即位から、満20年の節目の年であることを寿ぐところからはじまります。
そして、総理は、昨年11月のワシントンでの金融サミットで、世界各国に向けて
① 我が国の過去の金融危機とそれを克服した経験を各国首脳に説明
② 国際通貨基金の機能強化を提言
③ 最大一千億ドルの融資による日本の貢献策を表明
④ 金融市場の監督と規制に関する国際的な協調の必要性を提唱
⑤ 保護主義に陥ることなく、世界の貿易と経済を拡大することの必要性を提唱
を説いたという実績を述べます。
国際舞台で、これだけの大事を、堂々と提言し提唱した総理が、これまでいたか??
そして、日本は、この二世紀の間に、明治維新と、戦後改革という二つの大転換期を経験したことに触れ、「私たちは、三度目の変革を迫られている」といいます。
「現在の豊かで安全な日本は、私たちが創ったものです。
未来の日本もまた、私たちが創りあげていくものです。
過去二回がそうであったように、変革には痛みが伴います。
しかし、それを恐れてはなりません。
暗いトンネルの先に、明るい未来を示すこと。
それが政治の役割です。
良き伝統を守り発展させる。
そのために改革する。
それが、私の目指す真の保守であります。
私は、世界にあっては「新しい秩序創りへの貢献」を、
国内にあっては「安心と活力ある社会」を目指します。」
いや、これって、まったくもって、拍手です。
そして具体的な方向性として、「当面は景気対策、中期的に財政再建、中長期的には、改革による経済成長」を示しています。
--------------------------------------------
(1) 活力ある社会のために
① 景気対策・雇用対策
一次補正予算、二次補正予算、平成21年度予算。対策のための総予算規模は、総額75兆円。予算と減税額では、合計約12兆円。国内総生産に比べて約2パーセントになります。これは諸外国の中でも最大規模の対策です。
② 責任ある財政運営
消費税アップのために、2011年度までに必要な法制上の措置を講じる。
それまでに景気が回復するよう、(総理が)全力を尽くす。
③ 改革による経済成長
新たな成長戦略としての、「低炭素革命」、「健康長寿」、日本らしいソフトパワーを活かす「底力発揮」。「平成の農地改革」による、所有から利用への転換です。
④ 地域経営
「地域活力基盤創造交付金」の創設
(2) 安心できる社会のために
① 社会保障
年金問題への修復
医師不足
緊急医療対策
妊婦健診の無料化
出産育児一時金の引上げ(42万円になる)
保育所の増設(平成22年度までに15万人分の保育所増設)
② 安全と安心 (世界一安全な国、日本」を目指す)
消費者庁の設立に向けての関連三法案の成立を急ぐ
地方自治体の相談窓口の増設
交通事故死者数の減少
自殺者(年間三万人)対策
学校施設の耐震化の前倒し実施
ニートやひきこもりなど、困難を抱える若者を支援するため、新法制定
裁判員制度改革
③ 教育(国づくりの基本は、人づくり)
小中学校の新学習指導要領を4月から実施
(理数教科などの授業時数を一割程度増加)
学校に携帯電話を持ち込ませない。
約九百億円を投じて、若手研究者などの多様な人材が活躍できる環境を整備
英語による授業のみで学位が取得できるコースの創設
世界トップレベル研究拠点プログラムを推進
大学の国際競争力強化
します。
2016年オリンピックの日本開催に向けた支援
④ 環境問題
実効性のある日本型モデルの構築し、温室効果ガスを削減する中期目標を、科学的・総合的観点から検討した上で決定する。
(3)世界への貢献
① 日米同盟・アジア太平洋
米国との同盟関係を強化
金融危機への対応
テロとの闘い
核軍縮・不拡散
気候変動といった地球規模の課題
在日米軍再編
日中韓関係
中国との戦略的互恵関係
韓国との成熟したパートナーシップ関係
ロシア
領土問題の最終的解決に向けた交渉
幅広い分野での関係を進展
北朝鮮
拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決
不幸な過去を清算
日朝国交正常化を実現
六者会合において非核化プロセスを前進
拉致被害者の全面的な調査のやり直しを開始するよう求める
② 自由と繁栄に向けての支援、テロ・海賊対策
日本は自由、市場経済、人権の尊重などを基本的な価値とする若い民主主義諸国の努力を、積極的に支援する。
日本は、この1月から国連安保理非常任理事国として、積極的な役割を果たしていく。
ODAを活用し、アフリカを始めとする途上国の安定と発展、テロとの闘い、貧困や環境問題、水問題など地球規模の課題の解決に貢献する
資源・エネルギー外交を進める。
インド洋における補給支援活動を継続し、国際的な平和協力活動などに積極的に取り組む。
ソマリア周辺などでの海賊の襲撃は、関係国との連携の下、実行可能な対策を早急に講じ、新たな法制の整備を検討。
---------------------------------------------
いやはや、これだけの内容を、個々にあげながら具体的な方向を指し示す。
麻生総理、実にたいしたものです。
そして麻生総理は、最後、しめくくりに、
「今こそ、政治が責任を果たす時です。
国会の意思と覚悟が問われています。
国民が今、政治に問うもの。
それは、金融危機の津波から国民生活を守ることができるか否かです。
与野党間に、意見の違いがあるのは当然です。
しかし、国民が望んでいることは、単に対立するのではなく、迅速に結論を出す政治です。
政府与党としては、最善と思われるものを提出しております。野党にも良い案があるなら、大いに議論をしたいと思います。ただし、いたずらに結論を先送りする余裕はありません」
いや、まったくもってそのとおり!!
民主党の中にも、心ある議員はいると思う。松下政経塾生もいるんでしょ?
そうした議員たちは、この最後のところにある、麻生総理の言葉、
「野党にも良い案があるなら、大いに議論をしたいと思います。ただし、いたずらに結論を先送りする余裕はありません。 」
これをどう聞いたんだろう?!
誰がどうみたってあさはかな“代案”を出し、いたずらに審議を引き延ばすだけの野党民主党。
それが未来の政権を担う責任政党といえるの??
「とかく、ものごとを悲観的に見る人がおられます。しかし、振り返ってみてください。日本は、半世紀にわたって平和と繁栄を続けました。諸外国から尊敬される、一つの成功モデルです。そして日本は、優秀な技術、魅力ある文化など、世界があこがれるブランドでもあります。自信と誇りを持ってよいのです。日本の底力は、必ずやこの難局を乗り越えます。そして、明るくて強い日本を取り戻します。」
いやはや、なんでこの素晴らしい演説を、日本のメディアは、国民に向けてきちんと放送しないんだろう??
わけのわかんねぇコメンテーターや、毎度登場するサヨクかぶれの評論家の顔なんて、もう見飽きたってーの(笑)
総理の演説、全文はコチラ
■ 第171回国会における麻生内閣総理大臣施政方針演説 平成21年1月28日 首相官邸HP
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/01/28housin.html
←気にいっていただいたらココをクリック。はげみになります^^v

